第14話デート? 3

 なんだか遠山さんと会ってから、お金がどんどん無くなってる気がする。けどまぁ、さっきから遠山さんがニコニコしてる。


 さっきから、通り過ぎてる人たちが見惚れてる。彼女ずれの男はさっきから叱られたりつねられてる。可哀そうに。


 「篠原君、買ってくれてありがとうね。お金とか大丈夫?」


 「別にいいよ。大丈夫だから」


 本当は全然大丈夫じゃないです。それどころか結構やばいです。


 「ごめんね、寄り道しちゃって。これからご飯だよね」


 「そうだよ。一緒に食べるんだよね」


 「篠原君はなに食べるの?」


 「僕? そうだなぁ、ラーメンとかじゃないかな。安いし」


 「そっか、なら私もそれにしようかな」


 あの後は何もなく、お昼ご飯を食べた。でも、たこ焼きの方が安かったから2人ともそっちにした。


 もちろん、その時も彼女らしき人に怒られているやつもいた。


 「それでね、篠原君。本なんだけど、篠原君の家で読んでもいいかな? ついでに、夜ご飯も作るからね?」


 「なんで? 家で読んだ方が読みやすいんじゃないの? それに、なんで夜ご飯の話?」


 「だって篠原君今金欠でしょ。だから、夜ご飯買わないようにご飯作ってあげる」


 なんで知ってるの!? そんなことを、一言も言ってないよ。


 「金欠だってこと、見てれば誰だってわかるよ。だって最初、ラーメン食べようとしてたけど、たこ焼きの方が安かったからそっちにしたもんね」


 「それだけで決めつけるのはちょっと」


 「それに、私のせいでいろいろお金使ってるでしょ。真白のことだったり、このぬいぐるみだったり、結構使ったんじゃない?」


 それはそうだけど。まさか、


 「あっ、もちろん日曜日も作りに行くよ」


 日曜日もって、土日に遊ぶ予定が。まぁ、遊ぶって言っても、家に1人でいるだけだけどね。


 「それって、親には」


 「もう連絡済みです」


 だよね。


 「だから、断られると私夜ご飯と、明日のご飯抜きになっちゃうけど」


 「そんなこと言われると、断れなくない?」


 なんだか、遠山さん僕に対して遠慮があるようでない気がしてきた。


 「断るの?」


 「いえ、こちらこそお願いします」


 今週よく遠山さんと一緒にいる気がするのは、気のせいかな? 普通じゃこんなこと起こんないんじゃないかな。


 この状態って、遠山さんに養われてる感じがする。別に支障はないけど、僕の1人でいる時間がなくなってしまう。


 でもなんで、遠山さんはここまで僕に構って来るんだろうか?

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