第11話約束
「おまたせ。行こうか」
「う、うん」
なんだか、さっきのことがあるせいか、ちょっとぎこちないな。
「ねぇ、さっきのことなんだけど、僕なにか気に障ること言ったかな?」
「えっ、ち、違うよ。ちょっと驚いちゃっただけだから。」
「そっか。それならよかった」
「ごめんね。紛らわしいことして」
「こっちこそ、馴れ馴れしかったから」
「「………」」
めっちゃ気まずい。
「「あのぉ………」」
「私は別にどうでもいいから、先に、篠原君どうぞ」
「そっか。明日も家に来るんだよね?」
「うん、そうだけど、なにか用事とかあったの? それとも、もう来ない方がいいのかな。」
「いや、違う違う。明日も来るんなら、時間教えてくれないかな?」
さすがに、今日みたいに早起きは、したくないから。
「そっか。ごめんね、時間教えてなくて。そうだなぁ、8時くらいに行こうかなって思ってるよ。」
「て言うか、明日から鍵、渡しておくから、勝手に入ってきていいよ」
なんだか、鍵を渡しておいた方が便利そうだし。
「いいの? なら、ありがたく借りておくね」
「それで、遠山さんは何を言おうとしてたの?」
「あぁ、そのね。8月に夏祭りがあるよね」
あぁ、そういえば優が一緒に行こうとか言ってたな。断ったんだけど。
「あるよ」
「それで、もし良かったらなんだけど、一緒にどうかなぁ〜て」
僕と遠山さんが一緒に夏祭り? なんだか、想像が出来ないんだけど。遠山さんと僕が釣り合わないと思うんだけど。
「だめ、かな?」
遠山は、上目遣いで和人を見つめる。
遠山さん、さすがにそれをやられると断りずらい。
「一緒に行く友達なら、遠山さんなら沢山いると思うんだけど」
「うん、でもその子彼氏と行くらしいし、他の人は、男友達も誘ってくるらしいから、断っちゃったんだ。」
「そうなんだ。でもなんで僕?」
「篠原君なら、いいかなぁって。それに、夏祭りで食べてみたいのがあるんだけど、1人で行くとその……ね」
あぁ、なるほど。1人でいったらナンパされて、お祭りどころじゃないからか。てことは、僕ってナンパ避けのためってこと?
「あっ、ち、違うよ。ナンパ避けっていうのも確かにあるけど、篠原君となら夏祭り、楽しめるかなって思って、誘ったんだけど、迷惑、だよね。」
なんか、遠山さん涙目になってきてるんだけど!
「迷惑なんかじゃないよ。だから、一緒に行こっか」
「いいの?」
「いいよ。だから、泣かないでね」
「うん、でも泣いてなんかない」
なんだか、遠山さんと夏祭り行くことになったけど、まぁいっか。なんだか少しだけ楽しみだし。
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