第2話翌日

 はぁ、昨日は勢いに任せて、子猫を拾ったけど、僕は猫なんて、買ったことなんてない。


 エサは、段ボールの中に、入っていたけど、他に必要なものはたくさんある。


 調べてわかったことは、トイレの場所と、爪とぎする物だったり、キャリーバッグだったりと、いろいろとあった。


 バイトは午後だったから、まだ時間はあるな。


 子猫は、知らない場所で怖いのか、段ボールから、出てこない。


 それにしても、必要なものを買うと、バイトで稼いだお金が、ほとんど消えるな。


 生活費の方は、大丈夫だけど、本が全然買えなくなってしまう。


 まぁ、そんなことは言っていても、仕方がないな。それより、子猫の名前を決めないといけないのか。


 正直言って、僕には名ずけるセンスが皆無だ。名前なんて、吾郎、四郎、三郎、二郎、一郎ぐらいしか、思いつかない。


 さすがに、猫にその名前はないよな。どうせなら、遠山さんにでもつけて貰えば良かったな。


 終わったことは、仕方が無いし、買い物にでも行くか。ていうか、ペットショップにでも、行けばいいのかな? 


 初めてだから、分からないことだらけだな。


 仕方ない。店員にでも聞いて、いるものを片っ端から買ってくか。大きいものは、ネットショップで買って、送ってもらおうかな。




 はぁ、重い。買ってみたはいいけど、家まで運ぶのが辛い。それに、今は夏だから余計に辛く感じる。


 それに、この後はバイトがある。平日の午後はほとんど、バイトになってるから、猫の世話もあまり出来ないかも知れないな。


 やっと着いた。まだこれから、いろいろと設置しなきゃいけないから、先が思いやられる。


 「ただいま。」


 さてと、やりま……


 「えっ、なにこれ。」


 そこには、猫が散らかしたであろう、ティッシュなどが散らかっていた。


 その肝心の猫は、和人が帰ってきたのに気づいて、段ボールの中に避難していた。


 「……何も言えない。どうしようこれ。」


 まぁ、いいや。終わったことは、仕方ないし。まずは、ゲージを置いて猫を段ボールごと、置いておくか。


 「はぁ、まずは散らかった物を片付けて、新品を出しておくか。」



 疲れたー。時間は、12:30か。あれ? バイトって1時からじゃなかったっけ。あー、昼ご飯抜きだな。猫に、エサと水置いておいて、急がないと。




 はぁ、12:53か。ギリギリ間に合ったな。


 「店長ー、準備できたので、今から入りますね。」


 「うん、よろしくって、和人君なんだか疲れてるね。何かあった?」


 「昨日、捨て猫拾ったんですけど、買い物に行っていたら、家を荒らされてて、さっきまで片付けていたんで。」


 「あはは、そうかそうか。猫を買った時に、よくある事だよ。」


 「店長も猫を飼ったことあるんですか?」


 「いや、ないね。けど、よくテレビでやってるから、想像はできるね。まぁ、頑張りなさい。」


 「はい」


 「そうだ、レジの方お願いね。」


 「わかりました。」


 もしかしてだけど、バイトから帰ったら、また荒らされてるってことないかな。


 「すいません。これのLセットで、ドリンクはコーヒーでお願いします。」


 「はい、バーガーのLセットで、ドリンクはコーヒーですね。530円になります。……ちょうどですね。この札を持ってあちらでお待ちください。」


 早く帰って、さっきの続きと、そう言えば名前も考えないとな。



 「店長、時間になったので帰りますね。」


 「あぁ、わかったよ。帰ったら、片付け頑張ってね。」


 「………はい」


 猫って飼うの大変なんだな。家は、荒らされるし、お金は「篠原くん?」かかるし。それに、僕1人暮しだから


 「おーい、篠原くん」


 誰か呼んだか? って遠山さんじゃないか!


 「遠山さん、なんですか?」


 「あのぉ、昨日の猫ちゃんは、どうなりましたか。あと、猫って部屋を散らかしたりするので、気おつけくださいって言うのを、忘れてました。」


 「猫なら、元気ですよ。部屋をあらすじくらいには。」


 「えっ、遅かったですか。すいません、言うの忘れてて。」


 「しょうがないですよ。これから、片付けてがあるので帰りますね。」


 「あの私も家に行ってもいいですか?」


 「………えっ?」


 「えっ?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る