Xn + Yn + Zn 2
レオンハルト・オイラー
(以下、オイラー
ジョゼフ・ルイ・ラグランジュ
(以下、ラグランジュ
兼ね役、ナレーション
ナレーション: フェルマーが亡くなり、100年以上進展がなかった整数論において、また1人の数学者が、あのフェルマーの最終定理に挑むのだが……
オイラー:いやぁ、助かったよ
ラグランジュ:こちらこそ、驚きましたよ…まさかあなたが研究してるなんて
オイラー:まだ誰も証明出来て無い問題だから、私が解きたくてね…
ラグランジュ:わかります!数学者を虜にする何かが、この問題にはありますからね
オイラー:そうなんだ…でも、今の私1人では、心許なくてね
ラグランジュ:何言ってるんですか!数学のサイクロプスとも、あろうお方が…
オイラー:ん?私はそう呼ばれているのか?
ラグランジュ:えぇ、右目を失明しても尚、数々の定理を発見し続ける姿に、尊敬と嫉妬を込めてね(笑
オイラー:なるほど…じゃあ今度は、なんと呼ばれるか、楽しみだな
ラグランジュ:何を言ってるんだ?
オイラー:さぁな、そのうちわかるさ(笑
ラグランジュ:でも…片目が見えなくなるって、普通でもツライのに数学者には、もっと酷だろ?
オイラー:最初は戸惑ったさ…でも嘆いてばかりじゃ、いられない、それに…片目の方が、より計算に専念出来る
ラグランジュ:凄いな…さすがサイクロプスだ(笑
オイラー:それは、嫉妬の方が強いのかな?(笑
ラグランジュ:素直に尊敬してるんですよ!鳥が飛ぶように、計算するとまで言われる、あなたの事をね
オイラー:冗談だよ、それに…嫉妬してるのは…私の方だ
ラグランジュ:どう言う意味です?
オイラー:近いうち…私は、左目も失う
ラグランジュ:なんだって!?
オイラー:仕方が無い、そういう病気なんだから
ラグランジュ:でも、それじゃ…これから見つける論文や証明が、作れなくなるじゃないか!?
オイラー:そうならない用に、身体に書く事を覚えさせているんだ、見えなくても書けるようにね
ラグランジュ:そんなの……無理ですよ…
オイラー:そうやって諦めるのは、誰でも出来る、でも私は挑戦するよ、だって今以上に計算に専念出来るんだから
ラグランジュ:あなたって人は…どうして…何故そうまでして、数学に拘るんですか!
オイラー:私に与えられた、唯一の物だから
ラグランジュ:与えられた?
オイラー:あぁ、今の私があるのは、引き取ってくれた、ベルヌーイ家のおかげでね
ラグランジュ:ベルヌーイって、あの数学者一族じゃないか…なるほど、コレで大きな謎が1つ解けたよ
オイラー:あの時、親父を説得してくれてなかったら、今頃誓いの言葉を訪ねてたと思うよ
ラグランジュ:数学会は、ベルヌーイに恩賞を、授けた方が良いかも知れないな(笑
オイラー:ここまで功績を築いたのは、私の実力だがな!(笑
ラグランジュ:それを言うならアイザック・ニュートンが、世界に光を与えてくれた、おかげだな
オイラー:数学が化学に応用する為の基礎になると公言してから、貴族達も数学に力を入れ出し
ラグランジュ:それで貴族達が解けない難問を、解決する私達のような数学者が、必要になったんだから
オイラー:忙しくさせて貰って、助かってるよ
ラグランジュ:でも依頼のせいで、この難問と向き合う時間が減ってるんだろ?
オイラー:そうでも無いさ、それに最近面白い物を見つけてね
ラグランジュ:面白いもの?
オイラー:あぁ、フェルマーが書き込んだ算術の中に、この最終定理を証明したような、痕跡が残ってたんだ
ラグランジュ:なんだって!?じゃあ…コレはやっぱり解けるのか
オイラー:それはまだわからない…ただ「n=4」の組み合わせが、存在しない事を全く違うページで証明してたんだ
ラグランジュ:凄い発見じゃないか!
オイラー:私も驚いたよ…乱雑に書かれてた証明を
整理していくと、まさか最終定理の一部だったなんて
ラグランジュ:なら、それを基にすれば、他にも証明出来るんじゃないか?
オイラー:あぁ、だから私も「n=3」の時は存在しない事だけは、証明出来たんだ
ラグランジュ:さすがサイクロプスだ!良し、これから2人で研究して、どんどん証明していこう!
オイラー:そうだな!この難問を2人で解いて、世界を驚かしてみせよう!そして、この世に解けない問題は無いと、証明するんだ!
ナレーション:そう意気込んだオイラーだったが、その後もフェルマーの最終定理の証明を、進める事は出来なかった…
だが、人類史上最も多くの論文を書いたオイラーは、盲目になった後にも、今まで読んだ書物の内容を、全て覚えていた事もあり、口述筆跡で月の軌道を証明し、人類の発展に多大なる影響を与えるのであった
fin
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