第19話 ダンジョン攻略17日目 1~5

俺は目が覚めると、のびをする。まだ闇の壁が張ってあるところをみると、アヌビスは起きていないようだ。時計を確認すると、丁度6時30分だった。俺は歯磨きをしに洗面所に行くと、丁度パジャマ姿のイルナがトイレから出てきた。


レ「おはよう、イルナ。」

イ「・・・おはようございます。」


イルナはぼーっとした顔でそれだけ言うと、さっさと部屋に戻っていった。俺が蛇口をひねるのと、風呂場から弥生が出てくるのが同時だった。弥生は頭からタオルをかぶって頭を拭いている。


ヤ「イルナちゃんもシャワーを浴びますか? きもちいいです・・・・よ?」

そこで俺と目が合った。

ヤ「きゃあぁぁ! なんで源さんがここにいるんですか!? 覗きですか?! エッチ!」


弥生は透明化を使ったようで見えなくなった。攻撃されないだけマシだが、俺は蛇口を閉めるのも忘れて固まっていると、アヌビスが入ってきた。


ア「なんじゃ? 朝からさわがしいのじゃ。おっ、零おはようなのじゃ。」


そこで再起動された俺も返事を返す。


レ「アヌビス、おはよう。今、目の前に裸の弥生が居た気がしたんだが、目の錯覚だったようだ。」

ヤ「目の錯覚じゃありません! さっさと出て行ってください!」


弥生は透明なままバンッと風呂のドアを閉めた。俺は歯磨きを諦めて蛇口を閉めるとアヌビスと共に部屋に戻った。


レ「闇の壁が張ってあったけど皆起きていたんだな?」

ア「我は力が戻ってきたからか、睡眠時間が以前より短くなったのじゃ。闇の壁は今解くのじゃ。」


アヌビスは体の大きさに合わせた様に、子供の様な大きさの時と高校生くらいの大きさの時で睡眠時間が変わったらしい。以前は9時間寝ていた物が、いまは7時間もあれば十分らしい。そもそも、神だったころは寝る必要も無かった様だが。そして、闇の壁が解かれると、今度は丁度イルナがメイド服に着替えている途中だった。


イ「・・・エッチ。」

レ「ご、ごめん・・ってそのまま着替えるのかよ!?」


イルナは相変わらず眠そうな顔で、まったく恥ずかしそうにしていない。口ではエッチと言っているが、行動は変わらずここで着替えている。保護者が居ないとここまでカオスになるのか・・。アヌビスもこういうことには無頓着だから、弥生が止めないと誰も止める人が居ない。俺は自分の意思で小部屋に退散する。


レ「次行ったときはアヌビスが着替えているとか無いよな?」


俺は浴衣からスーツに着替えると、大部屋の様子を見る。服に着替えた弥生と、イルナが居るが、アヌビスは部屋に着替えに行ったようだ。俺はホッとした。歯磨きに向かうとするか。


レ「弥生、さっきは済まなかったな。」

ヤ「・・いえ、私もきちんと確認もしないで、思い込みでイルナちゃんだと思って出てしまいました。なので、今回はぎりぎりセーフとして罪に問いません!」


えっ、俺って罪になる所だったの? そういえば、ここでは犯罪者ってどうなるんだ? そもそも法律ってあるのか? 俺は様々な疑問が浮かんだが、とりあえず許してもらえたようなので歯磨きをするか。

歯磨きから戻ると、全員揃っている。あっ、ワルキューレが居ないけどいいか。


レ「よし、飯にするか。」

ヤ「それなんですが・・・。気がついたらこれが置いてありました。」


ワルキューレがいつも寝ている場所にテーブルがあり、その上にはオニギリとお湯を入れて作るみそ汁が置いてある。今日はこれを食べろって事か? ケルベロちゃんにも余裕が無いようだな・・。まぁ、飯を用意してあるだけまだマシか。オニギリの他には、うめぼし、しゃけ、昆布、シーチキン、塩など具材が置いてあるので、自分で作れって言う事だろうな。すべて塩握りじゃないだけ親切か。


ア「我は、ホットケーキがいいのじゃ・・。」


アヌビスはしょんぼりした顔をする。


ヤ「これもおいしいですから、食べてみてください。」


弥生はアヌビスの分もオニギリを作ると手渡している。イルナは梅干しが初めてらしく、美味しそうに見えたのか、そのまま1個パクリと食べて、めったに見られないような「酸っぱい!」顔をしている。吐き出さないのは誉めてやろうか? 俺は無難に塩にぎりとシャケ握りを食べた。弥生は昆布と梅干か。アヌビスはシーチキンが気に入ったようで、お代わりをしている。イルナは梅干に慣れてきたのか、ゆっくり咀嚼しているようだ。


皆「ごちそうさまでした。」

レ「案外、こういう朝飯もいいな。」

ヤ「そうですね、あら? 何かありますよ。」


テーブルを片付けると、皿の下に置手紙があった。


ヤ「えっと、普通にダンジョン攻略していて下さい、ラヴィより、だそうです。」


走り書きの様に書いてあるので、そうとう急いでいるんじゃないのか? 口で伝えた方が速そうなんだが・・、ああ、これを置いたのはケルベロちゃんか。だとしても口で使えればいいんじゃないか?

俺達はフロントに向かうと、ケルベロちゃんの分身が居た。なぜ分身だと分かるかというと、服が違うからだ。戦闘服っぽい迷彩服を着ている。


ケ「おはよう、準備は良いか? 今日はあたちがついて行くぜ!」


やはり、語尾に「ワン」がつかないので分身だな。


レ「ワルキューレやラヴィ様は?」

ケ「あたちの本体を含めて忙しいので、今は誰も居ないぜ。」

レ「そんな状況でダンジョン攻略してていいのか?」

ケ「むしろ、急げって命令されている。あたちも、中止になる前にクリアしたほうがいいんじゃないかと思うぞ。」


えっ、そこまでヤバいの? 中止になったら俺達も戻ることは出来なくなるだろうし、急いだほうがいいかもな。


レ「わかった、じゃあ今日は9階からだな。」

ケ「じゃあ、ホテルの外に出たら、あたちが9階まで転移させてやる。」


移動時間も惜しいのか、ケルベロちゃんはすぐにダンジョンへ転移してくれた。


9階に着いた。ここで色々あったが、本当にダンジョン攻略を再開してもいいのだろうか?


レ「本当に大丈夫なんだろうな?」

ケ「ああ、心配するな。ここに用があるやつはもう居ないはずだからな。」


ケルベロちゃんの言い方に引っかかるものはあるが、大丈夫なら俺達は俺達のやるべきことをするだけだ。

9階は8階同様に広大なマップのようだ。8階が平原や森だったのに対して、9階は山がメインの様だ。やはり、ドラゴンと言えば山か。あぁ、やはり期待が膨らむな、どんなドラゴンに会えるんだろうか。

山道は3つに分かれていた。左、真ん中、右だ。見た感じ、左は普通の山道、真ん中は上り坂、右は下り坂になっている。これはどうみても真ん中が次の階に繋がる気がするのだが。


レ「あからさまなルート配置になっているが、どうする?」

ヤ「時間も無いらしいですし、真ん中でいいんじゃないですか?」

ア「それでは詰まらないのじゃ。8階同様に全部回るか、分かれてはどうじゃ?」

レ「分かれるのは反対だな。どう考えてもアヌビスの居ないチームが全滅する気がする。」


実際、アラクネレベルが居たら誰も対処できないだろう。まあ、弥生は素早さがある上に透明化もあるから逃げられるし、イルナは短時間ならヨルムンガンドや死なないヒノトリがあるから逃げられるだろうけど・・あれ、逃げられないのは俺だけか?


レ「やはり、一緒に真ん中のルートだな!」

ヤ「それが一番無難ですかね? とりあえず、敵を見てから決めましょうか。」


よく考えたら、強さを調べれるのは弥生だけじゃなか。ステータスを上げた後にアヌビスを復元させれば、もしかしたら鑑定を取り戻すことができるかもしれないが。攻略の過程に文句を言っていたメィルもいないし。


レ「あれ? そう言えばメィルは?」


過去に飛んでいたせいか、ずいぶん長い事見ていない気がするな。逆に、大人なメィルは見ているが、同一人物かどうかは現時点では不明だ。


ケ「・・・早く進んだらどうだ?」


ケルベロちゃんが長々とルートを決める俺達に待ちくたびれたのか、さっさと進めと提案してくる。まあ、メィルが居なくても問題は無いからさっさと進むか。

アヌビスを先頭に、俺、イルナ、弥生の順で狭い山道を登る。先頭がアヌビスなのは、単純に飛行しているので進むのが早いからだ。

ちなみに、過去に行ったときに作った盾を弥生に鑑定してもらうと、何故か防御力が0だったので部屋に置いてきた。防御力が無いなら単なる重りになるだけだからな。それに、ここは盾で防いでも体に当たってもダメージは一緒なので、わざわざ攻撃を食らうような面積を増やす必要はない。急所を防ぐにはいいのだろうが、服の上からでも急所に当たるからあまり意味は無いだろうな。実際の回避率を上げた方がよっぽどいいだろう。


しばらく歩いていると、洞窟の様なものがあり、丁度そこからリザードマンっぽい敵が出てきた。素早く弥生が鑑定する。


ドラゴニュート(ドラゴン) 装備:ドラゴンスピア、ドラゴンアーマー スキル:なし


リザードマンじゃなくて竜人だったのか。何が違うんだろうな? ああ、トカゲとドラゴンの違いか。


ド「ほぅ、ここに到達する者が居るとはな。私はこの山を守るドラゴニュートの騎士である。」


ドラゴニュートはそう言うと、おそらくドラゴンの牙を使った槍を構える。全身を覆う鎧は、恐らくドラゴンの鱗だろうか。ゲームだと後半に出てきそうないい装備だよな。戦う前に、ちょっと話をしてみるか。


レ「この山を守るってことは、ここが正解のルートってことか?」

ド「我々ドラゴニュートは、ドラゴン様を守るためにここに居るだけだ。去るのならば見逃そう。」


俺達は一旦ドラゴニュートから離れて小声で相談する。


レ「ルートは正解っぽいがこのまま進めばドラゴンとの戦闘も避けられなさそうだぞ。」

ヤ「正直、あのくらいの敵なら大して強くありませんよね? HPが多いだけでスキルもありませんし。」

ア「だが、我々と言っておったのじゃ。あやつを倒すとワラワラと洞窟から出てきそうなのが嫌じゃ。」

イ「・・・ダメージリンクで倒す?」


イルナの提案を実行した時の事を考えてみる。・・・ちょっと面白そうだ。俺はドラゴニュートに向かって歩いて行く。


レ「俺達は別ルートに向かう事にする。じゃあな。」

ド「そうか。私はずっとここに居るから、帰ったふりをしても無駄だぞ?」

レ「そんなことはしないって。なあ、イルナ?」

イ「・・・ダメージリンク。するだけ。」

ド「ダメ・・? なんだ?」

レ「なんでもない、じゃあな。」


俺はドラゴニュートとイルナが赤い光で繋がるのを確認すると立ち去る。ドラゴニュートから見えない位置に移動すると、イルナはヒノトリを憑依させ、弥生がイルナを攻撃する。クリティカル発生、イルナにダメージ。ドラゴニュートに同量ダメージ。


ド「なんだ! どこからの攻撃だ!?」


ドラゴニュートはダメージだけ受けている状況に困惑している。HP回復を持っていない敵にはよく効くな。弥生はもう一度イルナに攻撃する。クリティカル発生、イルナにダメージ。ドラゴニュートに同量ダメージ。


ド「皆の者、敵襲だ! 敵は透明化を使っているやもしれぬ!」


ああ、透明化を使って攻撃するのもよかったかもしれないな。ぞろぞろとドラゴニュートが洞窟から出てきそうなので、そのまま何回か弥生に攻撃してもらって止めを刺してもらう。ドラゴニュートは装備ごと消滅し、コアになった。次々に現れるドラゴニュートに見つからないように、弥生が透明化を使ってコアを回収してきた。


レ「やってはみたけど、地味すぎるな。」

ヤ「そうですね。少なくとも効率的ではないです。それに、憑依するならアヌビスちゃんを憑依させた方が早くないですか?」

ア「それもそうじゃの。じゃあ、やってみるのじゃ。イルナ、行くぞ!」

イ「・・・分かった。アヌビス様、行きます。憑依。」


イルナがアヌビスを憑依させると、アヌビス本来の神の姿に戻る。


イ「じゃあ、行ってくるのじゃ。」


イルナはアヌビスの神装をまとって飛行すると、ドラゴニュートの軍勢に突っ込む。


ド「なんだあれは、あれが襲撃者か?」

ド「分からんが、敵襲だ! 構えろ!」


ドラゴニュート達は知能がある分だけ、現状を把握しようとして逆に混乱している。本能のまま戦うモンスターの方がまだ対処が早いだろう。


イ「ほれ、影牢(かげろう)。」


イルナは影を操って牢屋を作ると、ドラゴニュートを閉じ込めていく。ドラゴニュートはその牢屋を攻撃するが、魔力で作られた物なのでドラゴニュートの魔力ではダメージを与えられないようだ。


イ「闇の玉! 闇の玉、闇の玉~!」


あっという間に3体のドラゴニュートがコアになった。イルナは調子に乗ってどんどんとドラゴニュートを倒して行く。ドラゴニュートの方も、影に捕らわれていない者がイルナに攻撃するが、ダメージは0だ。その攻撃すら、イルナはわざと当たっているのだろう。わざわざ槍を掌で受けたり、頬をかすらせたり、白刃取りしたりしてドラゴニュートを煽っている。


ヤ「私もやりたくなってきました! いいですか?」


弥生も参加したくてウズウズしているようだ。本当に、いつの間に戦闘狂になったんだろうな?


レ「ああ、行ってくるといいよ。気を付けてな。」

ヤ「分かりました! 投擲武器操作! 投擲武器複製!」

イ「弥生も参加するならサポートするのじゃ。真闇!」


イルナの真闇に包まれたドラゴニュートは弥生のクナイがすべてクリティカルで当たる。クナイが当たったドラゴニュート4体はコアになった。弥生はいつの間に腕を上げたのか、イルナ並みの速度でドラゴニュートを殲滅していく。そして、俺は隙を見て分裂体ケルベロスを作ると、コアを回収していた。復元と違って融合なら俺も多少は戦えるが、本当に多少だと思うので今回は手を出さない事にする。

そして、イルナの憑依が解ける前にドラゴニュートの軍勢は全滅していた。うわー、コアが100個くらいあるんじゃないか? ドラゴニュートが全滅していたりしてな。


ヤ「源さん、聞いてください! とうとう投擲術のレベルが10になったみたいです!」

レ「じゃあ、ついでにドラゴニュート達のコアでステータスを上げるか。」

イ「・・・賛成、強くなる。」


増えたMPでアヌビスも復元し直す。アヌビスの見た目はほとんど変わらないが、今までの傾向から恐らく18歳くらいなのだろう。弥生が計ると、身長160cm、Eカップとまた少し成長していた。装備も結構強くなっている。また、新たに蘇生が増えたので、これで死んでも大丈夫だな! いや、死にたくはないけど。


ドラゴニュートは数が多いだけあって結構ステータスが上がった。洞窟からはもうドラゴニュートは出てこないが、中にまだ居るかもしれないので無視して先に進む。


ドラゴニュートが守っていただけあって他にはモンスターが居ないようだ。普通の登山みたいに登っていくと、盆地になっているところに白いドラゴンが鎮座しているのが見えた。ドラゴンの方もこちらの方に気が付いているのか、すでに警戒しているようだ。目は青色では無いな。白い全身に黒い目が目立つ。翼が無いからドラゴンというよりも首長竜に見える。弥生がステータスを鑑定する。


白竜(ドラゴン) スキル:竜の力 


白「お前たちが何者かは知らぬが、ドラゴニュート達はどうした?」

レ「山の入口に居たやつらなら、倒してきた。」

白「そうか、ならばお前たちがワシに倒される事にも文句はあるまい。」


白竜は恐らくスキルを使ったのだろう。全身からオーラの様なものが立ち上る。弥生は再びステータスを確認した。


ヤ「大変です! 白竜のステータスがすべて1.5倍になっています!」


竜の力は初めて見るスキルだったが、ステータスが全部1.5倍になる効果があったらしい。白竜のステータスを聞いた時には、装備有のドラゴニュートより弱いんじゃね? って思ったが、スキルがあるだけでここまで変わるのか。ぜひ、白竜のコアが欲しい。

白竜は立ち上がると、息を吸い込む。そして、長い首を振りかぶった。


レ「なんかヤバそうだ、避けろ!」


白竜はブレスで広範囲を攻撃する。全員が回避行動をとったが、白竜より素早さの低かったイルナが逃げ遅れてダメージを受けるが、今のイルナにとっては大したダメージではない。白竜も思ったよりダメージが無かった事、俺達が回避したことに表情を変えた。


白「お前たち、何者だ? この星の者では無いな?」


俺はその言葉に違和感を覚えてケルベロちゃんを見る。


ケ「言い忘れていたが、9階はドラゴンの星だ。だから、ここの階をクリアしても10階にはつかねーな。」

レ「そういう大事な事を今言うか!? じゃあ、ドラゴニュートもモンスターじゃなかったのか?」

ケ「その辺はダンジョンと変わらないように配慮してあるから、安心して戦いな。」

レ「本当だろうな? ドラゴンの星で大量虐殺とかシャレにもならんぞ。」

白「答える気は無いか。ならば、死ね!」


白竜は自分の問いに答えない俺達に苛立ったのか、体からオーラが増える。


ヤ「源さん、ドラゴンのステータスが2倍・・・2.5倍・・・いえ、3倍になりました!」


えっ! この星の生物って戦闘力があがるの?! 単に竜の力の効果か?

白竜は尻尾を振り回して攻撃してきた。白竜のステータスが3倍になっているため、俺の素早さすら上回っている。これには俺も回避できなく、イルナと一緒に攻撃を受けた。


ヤ「大丈夫ですか?」


弾き飛ばされた俺とイルナに弥生が近づいてきた。俺は「大丈夫。」と答えると、対策を考える。アヌビスに任せれば簡単なんだが、やられっぱなしもしゃくだ。


レ「融合、スぺクター。」


俺はスペクターのコアを取り出すと融合した。見た目は変わらないが物理無効と闇魔法(4)を使えるようになった。高速で近づいてきた白竜は俺を踏み潰す。物理無効、零に0ダメージ。


白「なんだと! ワシの攻撃が効かぬ!?」

レ「闇夜!」


白竜相手に闇の球を当てても俺の魔力じゃ0ダメージだろう。なので、俺は辺りを暗くする闇魔法を唱える。アヌビスの真闇ほどではないが、深夜くらいには暗くなった。急に暗くなったため、白竜は俺を見失ったようだ。俺は白竜の心臓のあたりに刀を刺す。クリティカル発生、白竜にダメージ。ダメージは微々たるものだが、一矢報いたのでよしとしよう。


ヤ「私も戦います! 投擲武器操作! 投擲武器複製!」


弥生の5本に増えた手裏剣は白竜の大きな体に当たる。クリティカル発生、白竜はコアになった。


レ「ちょっ、弥生さん、強すぎないっすか?」

ヤ「投擲術が10になったからですかね? どこに当ててもクリティカルは強いです!」


弥生がとうとうチートキャラになってしまった。俺なんてクリティカルあててもドラゴンにとってはかすり傷よ? 方やドラゴンを1回の攻撃で屠るんよ? 俺の出番が無いな。


イ「・・・私も戦いたかった。」


最初に攻撃を受けただけのイルナも不満の様だ。


ア「我なんて何もしていないのじゃ!」


アヌビスが参加するとヌルゲーみたいになるから、基本的に命令しない限り攻撃させていないからな。実際、ステータスが3倍になった白竜が何をしてもアヌビスにダメージを与えられないだろうし。


レ「なあ、弥生、白竜のコアもらってもいいか?」


俺は一応倒した弥生に聞いてみる。いつもは俺が回収役だから特に聞くことは無いが、今回のコアは是非とも欲しいからな。


ヤ「源さんの為になるならいいですよ。」

レ「サンキュー、融合、白竜。」


俺はスペクターの融合を解除して白竜のコアと融合する。うおぉ、ステータスがマジで3倍になる! こりゃヤベェ! すげぇ!


ケ「そろそろ落ち着いたらどうだ?」


皆は、俺がいきなりダッシュしたりジャンプしたりしているのを見て呆れていたようだ。一番短気なケルベロちゃんが注意した感じか。


レ「あっ、悪い。ちょっと楽しくてな。」


感覚的に、竜の力は1~3倍の間でステータスを増やせるようだが、倍率を増やせば増やすほどMPを消費するみたいだ。


レ「ところで、ケルベロちゃんに聞きたいんだが。ドラゴニュートの時も思ったんだが、なんかモンスターらしくないなって。それで、別の星ってどういう事だ?」

ケ「あ? どういう事も何もそう言う事だ。8階まではチュートリアルで、ここからが本番って事だぜ。」

レ「どういう事だよ!?」

ケ「ちっ、説明するのもめんどくせーが、良く聞け、以前はそもそも8階までしか無かった。8階をクリアした者にはそのまま神界へ行って最終試験だったんだが、それじゃあダメだといつの時代にか知らないが横やりが入ったらしくてな? 9階を挟むことになったんだ。元々9階の構想はあったらしいから、連れて行くかどうかはその時次第にするつもりだったんじゃないか? 詳しくはあたちも知らないが。」


ケルベロちゃんもラヴィ様に比べれば全然新しい神に入るらしく、ケルベロちゃんが女神になった時にはすでに9階が運用されていたそうだ。時代と共に知的生命体が増え、女神の増員や評価の与えられやすさから、女神になれるようになるまでの期間が短くなってきたようだ。じゃあ、ワルキューレのステータスがラヴィ様に比べて低いのも時代の流れか・・・。


ケ「それより、時間が無いからさっさと進むぞ。」


ケルベロちゃんはそう言って俺達をせかした。


山を進むとそれ以降ドラゴンに会う事は無かった。山の頂上から付近を見渡すと、地平線がある。本当に別の星のようだ。


レ「そういえば、ここをクリアしても10階にはつかないって言っていたけど、エレベーターが無いならどうしたら9階がクリアになるんだ?」

ケ「おお、いいところに気が付いたな。この試験は実際に女神になったときと同様に、問題を解決するとクリアだ。ちなみに、この星のクリア難度はSクラスだけどな。見習いが受ける試験じゃねぇよな、ホント。」


ケルベロちゃんは「あたちが見習いだった時でもクリアは無理だな。」と笑っている。俺達にとっては笑い事じゃないがな。考えてみると、さっきのドラゴンを見習いだとすると、10倍した数値が女神のステータスだ。うん、普通に装備なしのワルキューレより強いわ。そこで、ワルキューレの武器を思い出す。あれ、何気に超高性能だよな?


レ「ワルキューレやアヌビスが神装備持ってるけど、あれがあれば余裕じゃないか? どうやったら手に入るんだ? 最初にイルナが持っていた死者の杖とか死者の衣もそうか?」

ケ「あー、あれらは色んな理由で作られるが、基本的には見つけたり、作られたら神様に献上されるな。そして、神様から働きに応じて授けられる。自分で作ったりもするが、ワルキューレのは上位の神様が作られた物で、本人のランクによって能力が上がる優れモノだな。ワルキューレが女神になった時に授けられたものだが、まぁ、今のワルキューレじゃ性能の1万分の1ほどしか引き出せてないな。ああ、ちなみにあたち達の本体が着ているスーツも実は神装備なんだぜ。」


どうりでただのスーツにあんな性能があるわけだ。神装備が本人の強さに比例する物なら俺達がもらっても大した性能にはならない。昔、ワルキューレの槍を借りた時も確か攻撃力100にしかならなかったしな。


ケ「そうだ! 神装備で思い出したけど、面白いものを作っていたんだった。ほら、イルナ、プレゼントだ。」


ケルベロちゃんはアイテムボックスから明らかに禍々しい鎌を取り出す。


イ「・・・ありがとう。でも、これは何?」


イルナは受け取った鎌をブンブン振っている。


ケ「前に見た神殺しの鎌をマネて作ってみた冥府の鎌だ。神装備じゃないから攻撃力は1000で固定だが、ある程度大きさを変えられるし、霊体にもダメージを与えられるんだぜ。普段持ち歩くときは手首に付けときな。」


それを聞いたイルナは鎌を小さくすると、鎌の柄の部分についている輪っかを手首に通す。すると、輪っかはイルナの手首の大きさに自動的に調整されて落ちなくなった。


レ「ちなみに、俺達へは?」


俺はダメ元で聞いてみる。弥生も期待に満ちた目をケルベロちゃんに向けている。


ケ「あ? あるわけ無いだろ、これを作るだけでもあたちがどれだけ頑張ったか。作るとしてもイルナのメイド服ぐらいだな。」


実はケルベロちゃんってイルナの事大好きなのか? それとも、メイド服仲間だからか? そういえば、もともとイルナのメイド服ってケルベロちゃんが持っていたやつだよな・・・。俺のスーツと一緒で防御力0だけど。


ア「ちなみに、我の神装備はお下がりなので我が作ったわけではないぞ。」


アヌビスは聞かれなかったからか、自分から言い訳をしている。まあ、現状で結構な攻撃力と防御力なので、それなりにいい装備だろう。神装備の話はそれぐらいにして、クリアの話に戻す。


レ「それで、クリア難度の事は分かったから、クリア条件は何だ?」

ケ「問題となっているモンスターを倒すことだな。問題を解決するのも試験に含まれるから、あたちからはアドバイスはしない。」


そもそも問題が何か分からないが、それすら自力で見つけろって事か? このままでは本当に目につくもの全て倒して行くしか無くなるのだが・・・。とりあえず、あそこに見えるでかい木を目指すか。


レ「まあ、エレベーターの到着先がここなんだから、まさか星の反対側って事は無いだろう。一番目立つあの木を目指すって事でいいか?」

ヤ「もう付近にはモンスターも居なさそうですし、いいんじゃないですか?」

ア「我もどこでもいいのじゃ。」

イ「・・・特に反対はしない。」


イルナの言い方がちょっと気になるが、巨大な気へ向かう事にした。

どこからでも見えるくらい巨大な木だな。木の周りは土と岩ばかりの平地で、存在感が半端ないな。

ついでに木陰で休もうと、木に近づくが、途中でケルベロちゃんがピタリと止まる。


レ「ケルベロちゃん、どうしたんだ?」


それには返事をせずにニコリとほほ笑む。俺は変だと思いながらも木へ近づく。下から見上げると、ビルの様に巨大だ。これだけの大きさになるには何年くらいかかるんだろうな? 1万年とかか? この木に登って見渡せば、問題が何か分かるかもしれない。そう思って後ろを振り向いたとき、空中に浮くアヌビスに大木が降ってきた。


レ「アヌビス、あぶない!」


ズシンとアヌビスは大木に潰される。アヌビスに0ダメージ。


ヤ「アヌビスちゃんも運が悪いですね。たまたま折れた枝に潰されるなんて。それにしても、これだけ木がでかいと、枝も大木の様ですね。」

イ「・・・違う、上。」

レ「上?」


俺は上を見ると、その枝はまだ木に繋がっていた。まさか・・・。


レ「弥生、木を鑑定してくれ!」

ヤ「木を鑑定ですか? 鑑定!」


ジャイアントトレント(植物) スキル???


ジャイアントトレントに鑑定を阻害されました。


ヤ「鑑定できないです!? でも、名前はジャイアントトレントみたいです!」


この大きさでモンスターだと!! 俺はかつてない強敵の予感がした。問題ってもしかしてこれか?

アヌビスを潰していた枝が俺を薙ぎ払う様に攻撃してきた。素早さに関係なく、この大きさじゃ避けれない。ダメージは思ったほどではなかったが、思い切り吹き飛ばされる。代わりに、枝が無くなってアヌビスが埋もれた地面から浮き上がってくる。


ア「ダメージは無いが、土だらけになったのじゃ! くらえ、闇の球!」


闇の球が幹に当たるが、見た目的にはしょぼいな。ダメージを受けたことを木が理解しているのか、複数の枝が俺達を襲う。アヌビスは0ダメージが、俺達はダメージを受ける。ケルベロちゃんは丁度範囲外に居るため当たらない。ちくしょう、これが分かってて止まったんだな!


イ「・・・憑依。ヒノトリ。」


イルナはヒノトリを憑依させて木の幹に冥府の鎌を当てる。しかし、大したダメージは与えられなかったようだ。


イ「・・・思ったより硬い。」


イルナは物理攻撃では分が悪いと思ったのか、憑依を解く。


ヤ「私に任せてください! 投擲武器操作!」


弥生の手裏剣が幹に刺さる。刺さった場所が10cmほど消滅するが、巨大すぎて砂粒1つ分くらいしか消滅していないように見える。そう思っていたら、木が急にしおれ始め、一つの実をつける。まるで高速再生の様にあっという間に人間一人分くらいの実になると、ドスンと地面に落ちてきた。そして、中から全身が茶色で上半身は裸っぽい美女、下半身が根っこの様なモンスターが出てきた。ほぼマネキンの様で人形にしか見えないからエロくはない。弥生は一応鑑定をしてみる。


ヤ「今度は鑑定できました! でも、私は戦えませんね・・・。」


シンジュ(植物) スキル:物理無効、HP自動回復(大)


シ「下等な生物ごときが、私に攻撃をするとは。死ね!」


言葉は通じるが、話は通じなさそうだな。ここは普通に戦う事にしよう。俺以外が。

シンジュの根っこの様な足が伸びてアヌビスを拘束する。アヌビスに0ダメージ。同じように弥生にも根っこは行くが、弥生は回避したようだ。イルナはそれを見て俺の方を向く。


イ「・・・私にサラマンダーを融合させて?」

レ「そうか! わかったぞ。融合!」


イルナにサラマンダーを融合させると、イルナはリッチ化した。


イルナ(リッチ) スキル:火魔法(8)、MP自動回復(中)


今まで魔法が無かったために魔力10倍のリッチ化は無意味だったが、融合によって魔法を使えるようになった。ヒノトリでも魔法は使えるが、憑依中はリッチ化する事ができない。


イ「・・・青炎(せいえん)」


イルナの手から青い炎の玉が発生し、シンジュに当たる。木の本能からか、ダメージ以上に火を警戒するようにシンジュは離れた。そして、その隙にアヌビスも根っこから抜け出したようだ。さらに、距離を取れないようにイルナは追加で魔法を唱える。


イ「火の壁!」


周りを囲むように火の壁が生まれる。シンジュは逃げ道がないかどうかキョロキョロと見渡している。


シ「おのれ! 私に無礼を働くとは! 神罰を食らえ!」


シンジュは逃げ道が無いと悟ると、スキルに無いくせに腕を枝の様に伸ばしてきた。元々持っている能力の様だ。イルナが回避できずに攻撃を受けた。


ア「隙ありなのじゃ! 闇の球!」


アヌビスはシンジュの上から闇の球を落とす。シンジュはダメージを受けてよろけた。


ヤ「あぁっ、シンジュのHPが全部回復しました!」


時間をかけすぎたせいか、HP自動回復(大)の効果で全ダメージが回復したようだ。でも、1分以内に総HPの半分以上のダメージを与えるとか、弥生の攻撃力じゃないと無理だろ。その弥生も物理無効で手も足も出ないのに。


イ「・・・何かないの?」


イルナは俺に問いかける。何かと言われても、何か・・・そうだ、重ねて融合させたらどうだろうか。


レ「ヒノトリ、イルナと融合してもいいか?」


ヒノトリはコアではないため、融合するには本人の意思が必要となる。ヒノトリはしゃべれないが、コクリと頷いたので、了承と取る。


レ「ヒノトリ、融合!」


俺はヒノトリの背中に手を乗せると、イルナに融合させた。


イルナ(ヒノトリ) リッチ化、スキル:火魔法(10)、MP自動回復(特大)、飛行、自動蘇生


イ「くぅ、反発が・・。」


憑依できないリッチ化に無理やり融合させたためか、イルナの負担が大きいようだ。


イ「神には神を・・火の神、アグニ!」


融合によって火魔法が10になったイルナは、神の炎を唱える。ヒノトリの様な炎がシンジュに当たる。それと同時にイルナのリッチ化と融合が解けた。


シ「私の体が! 火が!」


シンジュは火から逃れようと暴れるが、火は消える様子は無い。


シ「再生しない! なぜだ!」


継続的に炎のダメージを受け続け、シンジュはさらに暴れる。


イ「・・・その火は、敵を滅ぼすまで消えない炎。」


火が消えるようにシンジュも消滅した。シンジュそのものはモンスターではなかったようで、コアは残らなかった。残念だ。シンジュがの消滅を見届けると、イルナは気絶した。俺はイルナを連れて退避する。


ヤ「ここからは、私の番ですね!」


こちらが片付いたので、弥生はジャイアントトレントに向く。ジャイアントトレントは動けないので、逃げようが無いが、気持ち的には逃げていると思う。


ヤ「投擲武器操作! 投擲武器複製!」


弥生の投げた手裏剣は数十本に増え、そのうちの5本が当たった段階でジャイアントトレントはコアになった。


レ「随分あっさりとジャイアントトレントを倒したな。」

ヤ「動かない敵には攻撃あて放題ですし、最初の攻撃でダメージが入ることは分かっていましたしね!」

レ「で、ケルベロちゃん。これで9階クリアか?」

ケ「いいや、そいつはクリア目標じゃないただのモンスターだ。」

レ「倒し損かよ!?」

ケ「損ってことは無いだろ? 実際にコアは手に入っているわけだし。単に無駄に強敵と戦っただけだな。」


ケルベロちゃんはやれやれと首を振った。ジャイアントトレントがクリア目標じゃないとすれば、どんだけ強い敵が出てくるんだよ……。そういえば、ここはドラゴンの星って言ってたな。だったら目標はドラゴンに決まってるじゃん、盲点だったな。


レ「弥生、ドラゴンを探しに行くぞ!」

ヤ「急にどうしたんですか? ドラゴンならさっき倒したじゃないですか。」

レ「違う! おそらく、クリア目標がドラゴンだ。」


俺はチラリとケルベロちゃんを見るが、俺の発言によって表情を変えるようなマヌケな事はしてなかった。ただ、俺は気づいた。ケルベロちゃんの尻尾が微妙にフリフリと揺れたことに! 指摘すると藪蛇になりそうだから、自己満足で終えておこう。


ジャイアントトレントが消えて何もない平地になったしまったので、俺はジャイアントトレントを復元する。モンスターとしてじゃなくて、置物としてな!


レ「よし、木の上から探そう。よし、弥生、登るぞ!」

ヤ「えっ? アヌビスちゃんや融合して飛行したらダメなんですか?」


……駄目じゃない、駄目じゃないんだけど……それを先に言ってくれ。ジャイアントトレントを復元しただけMPを損した。まあ、そのうち回復するんだけど。


レ「きっ、気分的に登りたい気分なんだよ。天気もいいし、高いところからのんびりと眺めたいんだ!」


俺は頑張って誤魔化す。しかし、その誤魔化しに気づいているようで、「仕方ないですね。」と弥生も登ってくれることになった。

しかし、アヌビスは普通に飛行するし、イルナはまだ起きないからケルベロちゃんに預けていく。

でこぼこの皮の隙間に足をかけて登っていく。仮に落ちたとしても俺の防御力ならきっと0ダメージだと信じて登る。下を向いちゃだめだ、すでに50mくらい登っている気がするからな。


ヤ「源さん、まだですか?」


随分上の方から弥生の声がする。くっ、忍者の格好をしているだけあって登るのが早いな! アヌビスもすでに頂上についているようだ。しかし、ここで飛行を使ってしまっては負けた気がする。よし、高速登り!


レ「あっ……。」


俺の右手は空を切った。1秒ほどの浮遊感を感じた後、俺は仕方なくガーゴイルと融合し、飛行した。

ア「やっと来たのじゃ。」

ヤ「結局飛行を使ったんですね。」

レ「……うん。」


俺のテンションだだ下がりで頂上に一番近い木の枝で足を抱えて座る。


ケ「そんなことをしている暇は無いだろ?」


ケルベロちゃんはあっさりとイルナごと転移してきた。くっ、過程を大事にしないやつらめ!

俺は仕方なくあたりを見渡す。すると、ドラゴニュートの洞窟とは比べ物にならないほどの洞窟が湖の側に見えた。すると、隣に弥生も来る。


ヤ「あれ、目立ちますね。とりあえず行ってみますか?」

レ「そうだな。まさか、単なるデカいドラゴニュートの住処ってわけじゃないだろうし。行ってみるか。」


アヌビスはそのまま飛行で下り、弥生は風呂敷のようなもので減速しながら下りた。俺はどうするか迷った結果、スペクターと融合して飛び降りた。物理無効、零に0ダメージ。ダメージは無いが、多少地面にめり込んでしまった。結果的に弥生より早く地面についてしまった。


ヤ「そこどいてください!」


お約束通り、弥生が俺の上に着陸した。物理無効、零に0ダメージ。あれ? 物理無効使ってなかったら俺、弥生に殺されていたんじゃ……。俺は不安がぬぐえなかったので、しばらくスペクターと融合していたが、何故か腹痛が起きたので融合を解除した。


ジャイアントトレントを再び弥生の攻撃によってコアにすると、上から見えた洞窟に向かうことにした。イルナは時間がかかりそうだと言う事で、ケルベロちゃんが治した。やっぱりなんだかんだでケルベロちゃんはイルナに優しいよな……。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る