第12話 ダンジョン攻略12日目

レ「ふあぁ、おはよう。」


目が覚めると、闇の壁で覆われていた。ワルキューレもいつの間にか帰ってきていたらしい。


ア「おはようなのじゃ!」


壁の上から、アヌビスが顔を出して返事をした。


レ「アヌビス、どこで寝てたんだ?」

ア「弥生と、イルナと一緒に寝たぞ!」


アヌビスがそう言うと、ワルキューレは俺が起きたのに気付いたのか、闇の壁を解除した。


ワ「おはよう、零殿。」

レ「おはよう、ワルキューレ、弥生、イルナ」

ヤ「おはようございます!」

イ「・・・おはようございます」


イルナはまだ眠そうだが、メイド服には着替えている。俺も小部屋に戻ってさっさと着替えるか。着替えた後、洗面台に行き、ひげをそって歯磨きをした。その後、軽く体操をして、ご飯を食べることにする。

今日は、アヌビス以外は全員和食にした。ワルキューレも付き合いで和食にしたが、いまさらながら、意外にも箸を使えるんだな。イルナはパラレルワールドの日本みたいなもので、もともと箸を使って

いたらしい。


ワ「それで、昨日の事だが・・・。」


ワルキューレが言うには、今後も悪魔の襲撃が予想されるため、悪魔が現れた場合には、限定的に神装の開放や、ラヴィ様分身による護衛などで対処してくれるので、安心してダンジョン攻略に励んで欲しいという事だった。


レ「じゃあ、今日は6階クリアを目指してがんばるか。」


朝食で使った食器を片付けて、歯磨きを終えると、メィルを呼び出してイルナの登録を行う。


メ「これでいいよ!」


イルナが淡く光ると、登録が終わったらしい。こんなにすぐに終わるなら、昨日のうちにやっておけばよかったな。イルナにコアを渡す。イルナはそれを砕いていき、ステータスを確認する。


イ「・・・新しいスキル、増えた。」

レ「へぇ、どんなスキルだ?」

イ「・・・呪術、魔法とは違うみたい。」


魔法の様にランクがあるわけではなく、ネクロマンサーの素質としての延長上のスキルみたいだ。


レ「どんなことが出来る?」

イ「・・・たとえば、幻痛」

レ「いたたたた! 痛い、マジで痛い!」


イルナが解除すると、痛かったのが嘘だったように無くなった。この世界に来てから、痛みを感じたのは初めてかもしれないな。


レ「ダメージは無いが、痛みだけがあるスキルか。」

イ「・・・使えそうな呪術の名前だけが、頭の中にうかぶ感じ。HPドレイン付与、幻痛、デバフ、ダメージリンク、幽体離脱、獣化、毒の霧、リッチ化・・・かな?」


自分でもよく分からないのか、断定的ではない。


レ「その辺は、実際にダンジョンで使って試してみようか。大体名前で分かりそうだが。」

ヤ「それじゃあ、準備が出来た人から出発です!」


俺達は素早さが上がったおかげか、大分移動速度が速くなった。今の俺達が地球に行ったら「何! 消えただと!」ってやれると思う。弥生は普通にスキルで消えれるが。

俺達がダンジョンに着くと、フロントに居たラヴィ様に「何かあったら呼んでください。」と言われ、俺達は6階に向かう。ガーゴイル、キメラあたりは結構出るのでサクサク倒し、たまに出るグリフォンとブラッドサキュバスは連携して倒す。

魅了を使ってきたのはカリヴィアンが憑依していたからだろうか、普通のブラッドサキュバスは血魔法を使うだけのようだ。そろそろ6階もクリアと言うところで、火で包まれた鳥が飛んできた。フェニックスか! 弥生が鑑定する。


ヒノトリ(不死)


ヤ「この鳥、倒せないんじゃないですか?」

レ「ワルキューレ、自動蘇生ってなんだ?」

ワ「見たことは無いが、おそらく死ぬと蘇生が使われるのだろう。蘇生のMPは1000だから、MP自動回復(大)で回復する前に5回倒せばいいのではないか?」

レ「いいのではないか?って無理だろ!」


アヌビスの魔法ですら数百発要るんだぞ。アヌビスのMPが切れる方が早い。俺達の攻撃力じゃ、たとえ当たったとしてもダメージが与えられないのではないか。


イ「・・・呼んでる・・・?」


イルナがふらふらとヒノトリの方へ歩いて行った。すると、ヒノトリがイルナに体当たりする。


ヤ「イルナちゃん!」


弥生が飛び出しかけるが、様子がおかしい。


イ「・・・憑依、みたい。」


イルナは、まるで火の衣をまとったようになった。そして、だんだんと火が収まると、イルナの中に吸い込まれていった。


イ「・・・この子、手伝ってくれるって。」


ヒノトリゲットだぜ! っていいのか、これ。


・・・階層ヌシが現れないところを見ると、これはズルにならないのか、こいつがヌシだったのかのどちらかだな。


レ「よし、とりあえず6階をクリアしておいて、イルナのスキルを試してみようか。」


俺はエレベーターを押してクリアすると、来た道を戻る。丁度良くグリフォンが飛んできた。


レ「HPドレイン付与は分かるから、デバフからいくか。」

イ「・・・デバフ。」


イルナがデバフを唱えると、グリフォンが紫色になった。飛んでいたグリフォンは、見る間に動きが遅くなる。


レ「弥生、ステータスはどうだ?」

ヤ「すごいです! HPとMP以外が半減しています!」

レ「半減とはすごいな、次はダメージリンクか?」

イ「・・・ダメージリンク。」


イルナがダメージリンクを唱えると、グリフォンとイルナに赤い糸がつながった。


イ「・・・何も起こらない?」

レ「おそらく、ダメージの共有だと思うが。イルナ、自分で自分を・・攻撃してもダメージ0だよな。アヌビス、イルナを軽く攻撃してみてくれ。」

ア「攻撃すればいいのか?イルナ、ほぃ。」


アヌビスは、イルナの腕を叩く。イルナに40ダメージ。グリフォンに40ダメージ。


レ「予想通りだな、これは防御力が高そうなやつに使えそうだ。」


グリフォンは、謎の攻撃に警戒しているのか、上空で旋回して近づいてこないようだ。


レ「次は、幽体離脱か?」

イ「・・・幽体離脱。」


イルナが幽体離脱を唱えると、イルナの体から、まるで漫画に出てくる幽霊のように、半分透けたイルナが出てきて空中に浮かんでいった。急に浮かんできたイルナにびっくりしたグリフォンが攻撃をしかけてきたが、すり抜けた。透過みたいなものか。しかし、ずっと透過状態なのか、イルナが殴ってもすり抜けた。


イ「・・・どうやって戻るの?」

レ「多分、自分の体に戻ればいいと思うよ。」

イ「やってみる。」


イルナはある程度自由に動けるのか、ゆっくりと自分の体に近づくと、吸い込まれた。

イ「・・・戻った。」

レ「獣化とリッチ化は何となくわかるから、毒の霧を使ってみるか。」

イ「・・・毒の霧。」


イルナが毒の霧を唱えると、部屋いっぱいに緑の霧が広がった。状態異常:猛毒になった。全員に1割ダメージ。


ワ「馬鹿者! 早く解除しろ!」


イルナは慌てて解除するが、しばらく効果が残るのか、あと2回同じダメージを受けてHPが全員3割減った。


ヤ「無差別に10%ダメージって怖いです!」

レ「ああ、まさかワルキューレまで食らうとは。」

イ「ごめんなさい。」


イルナは謝るが、スキルを試そうと言ったのは俺なので、イルナが悪いわけではない。


レ「すまない、味方まで食らう可能性を考えていなかった。」

ワ「仕方あるまい、初めてのスキルだからな。」


すでにワルキューレはHP全快したようだ。


レ「うーん、こうなると、獣化とリッチ化も予想外の事が起こりそうで怖いな。」

ワ「今度は、私もしっかりと見張るから、試してみろ。誰も居ないところで試される方が怖い。」

イ「わかった、獣化。」


イルナが獣化を唱えると、イルナの目が赤くなり、牙が生え、爪が伸び、茶色い体毛が生えてくる。身長も伸びて、180cmくらいになったんじゃないだろうか?弥生がフェリシアなら、イルナはガロンだな。


イ「ぐるぁぁあ!」


イルナはグリフォンに飛び掛かると、蹴りを放つグリフォンに1200ダメージ。


レ「弥生の変化と違って、攻撃力が上がっているな。」


グリフォンは驚いたのか、逃げて行った。


レ「敵が居なくなったけど、リッチ化も試すか?」

イ「・・・リッチ化。」


イルナがリッチ化を唱えると、イルナの目が窪み、肌の色が茶色くなり、枯れたようになっていく。


ヤ「見た目が怖いです!」

ア「まるで、ミイラなのじゃ。」

ヤ「あ、鑑定したら、魔力が10倍になっています。MP、HPの自動回復に、透過なんかもついてます。」

レ「見た目を気にしなければ、強力なスキルだな。」


イルナが呼吸するたびに、コホーッと言う音と、白い息が漏れる。いや、マジで怖いなこれ。イルナが俺達に近づくたびに皆1歩下がる。


イ「・・・なんで逃げるの?」

ヤ「いえ、なんとなく・・・。」

レ「率直に、怖い。」

ア「我は包帯でも巻き付ければ大丈夫じゃと思う。」


イルナは、そんな感想にションボリしたのか、リッチ化を解いた。


イ「魔法無いし、魔力あがっても意味ない。」

レ「まあ、検証は終わったから、用途はこれから考えよう。とりあえず、飯を食ったらグリフォンを楽に狩れるぐらい、ステータスを上げようか。」


俺達はエレベーターを使って戻り、食堂へ行く。今日は各々好きなものを食べよう。俺は何となくたこ焼きを、弥生は素麺を、イルナは焼きそばで、アヌビスはハンバーグを食べた。ワルキューレは紅茶を優雅に飲んでいる。食べ終わった後、食器を片付けてエレベーターに向かう。


イ「・・・私、スキルの練習に5階に行って一人で狩りしていい?」

レ「一人で大丈夫か?」

メ「じゃあ、私がついていくよ!」


いつの間に着ていたのか、メィルが現れた。


レ「じゃあ、頼んだ。」


そうして、イルナとメィルは5階に、俺と弥生とアヌビスで6階で狩りをすることになった。

迫りくるガーゴイルの群れや、キメラ、グリフォンなどを次々と撃破していった。アヌビスと弥生が。


ヤ「源さんも戦ってください!」

レ「いや、俺って空中の敵には無力なんだよ。代わりに頑張れ、アヌビス!」


ふと、俺はキメラのコアとグリフォンのコアを取り出して、復元してみた。すると、グリフォンの首を中心に、左にヤギ、右にライオンのキメラが出来た。


レ「見てくれ弥生! 新しいモンスターの創造だ!」


俺は調子に乗って新しいキメラの背中に乗って戦おうとしたが、普通に振り落とされた。しかも、俺のMPが少ないせいか、キメラ以上グリフォン以下の強さらしく、グリフォン相手に魔法ダメージを与えられないようだった。ガーゴイル相手には物理ダメージを与えられない中途半端さだ。


ヤ「もういいです、私とアヌビスちゃんでやります。」

弥生は衝撃波で隙を作り、どんどんクリティカルで敵を倒し、アヌビスは魔法で撃墜していった。俺達はコアを使ってステータスを上げる。増えたMPでアヌビスの分裂体も作り直した。


復元したアヌビスは、14歳くらいの姿になり中学生くらいに見える。弥生が計ると、身長156cm、Cカップらしい。ステータスも元の8分の1となっていた。また、新たに転移魔法が増えた。武器、防具の性能も良くなっていた。


レ「よし、狩りはこれくらいにしてフロントに戻ろうか。」


フロントに戻ると、誰も居なかった。まあ、メィルはイルナと一緒に居るから待つとするか。

しばらくして、イルナとメィルが戻ってきた。


レ「どうだった?」

イ「・・・強くなった。それに・・・、憑依。」


イルナがそう言うと、イルナの目が蛇のように黄色になり、瞳孔が細くなった。


イ「・・・ワルキューレ様、魔法で攻撃してみて。」

ワ「・・・いいのか? まあ、使えというなら使ってやろう。光の球。」


蘇生もあるから、ダメージを与える事にはそんなに気兼ねも無く、ワルキューレは光魔法を使った。光の球はイルナに当たるが、弾け飛ぶ。魔法無効、イルナに0ダメージ。俺達は何かあるとは思ったが、まさか魔力が10万もあるワルキューレの光魔法を無効化するとは思わず、びっくりした。ワルキューレは、俺達以上に無効化されたことに驚いた顔をしている。


ワ「ほぅ、いったい何があった? ダンジョンには魔法を無効化するモンスターは居ないはずだが?」

物理無効は居るのに、魔法無効は居ないのか。ステータスの割り振りは、実は魔法使いルートが正解だったのか? まあ、アヌビスが居るから今はいいか。


イ「・・・おいで、ネクロマンシー。」


イルナがネクロマンシーを唱えると、蛇の様な物が出てきた。


ヨ「俺はヨルムンガンドって言うんだ。よろしくな! こう見えても、精霊なんだぜ。」

ワ「古の精霊か、どこでみつけたんだ?」

イ「・・・5階で出てきた。」


イルナも詳しくは知らないみたいで、ヨルムンガンドの方を見る。


ヨ「魔界で消滅の危機になったんで、近くに居たウサギの魔物に精霊として繋がりを持ったら、ここに繋がったんだぜ。」

レ「ウサギの魔物って、もしかしてラヴィ様かな?」

ワ「魔界に行くようなウサギなんてラヴィ様しかおるまい。」

ヤ「危険は無いんですか?」

イ「契約、した。」


契約によって憑依してもイルナの意思が優先されるらしい。まあ、危険が無いなら単純に戦力の増加だな。


ワ「スキルをダメージ軽減から無効にするには、途方もない時間がかかる。そんな貴重なスキルを得たなんて運がいいな。」


スペクターが物理無効を持っているが、これはダンジョンモンスターという設定によるものだろう。


レ「積もる話はホテルに帰ってからしよう。」


俺達はホテルに戻ると、飯を食う事にした。


ア「我はホットケーキ!」


アヌビスはお決まりのようにホットケーキを食べ、俺と弥生はしょうゆラーメン、イルナは牛丼、ワルキューレは白パンを食べた。白パンは食パンの耳を取った中心だけの部分の事だ。


レ「アヌビスも結構大きくなったな。」


美少女コンテストに出ればきっと優勝できるだろう。まあ、見た目は人間じゃないが。


ア「ふふん、どうじゃ? 我と一緒に寝たくなったか?」

ヤ「エロはダメです! アヌビスちゃんは私たちと寝るんです!」


そう言って弥生はアヌビスの腕を取ると、アヌビスを着替えさせる為に俺達の小部屋に寄った後、話し合いの為に自分の部屋へ連れて行った。

俺達は順に風呂に入って、はみがきをして、たまには遊ぼうとアヌビスが言うので、トランプで遊んでから寝た。ポーカーやババ抜きみたいなものは、イルナの世界でもあったようで、ほとんど説明なしで遊べたので楽しかった。



閑話 イルナとメィル



メ「5階に着きました!」


メィルはイルナと一緒に5階に来た。


イ「連れてきてくれてありがとう。」

メ「どういたしまして!それで、どうやって狩るの?イルナちゃんって攻撃力低いよね?」

イ「・・・獣化か、憑依か、ネクロマンシーを使って戦う。」


イルナはまず獣化を試した。獣化はMPを攻撃力に変換する。

歩いてきたマミーにさっそく蹴りを放つ。さらに、正拳突きの様にマミーの胸を打つ。マミーはコアになった。


イ「・・・こんな感じ。」

メ「へぇ、結構強いんだね!」


メィルが褒めると、イルナは「そうでもない。」と言って獣化を解いた。長時間は変身していられないらしい。


イ「・・・次は、憑依。おいで、ヒノトリ。」


イルナが呼ぶと、どこからともなくヒノトリが現れてイルナに重なる。


イルナ(ヒノトリ)


そして、再びマミーが3体現れたので、魔法を使う。


イ「・・・白炎。」


イルナが火魔法を唱えると、真っ白な炎がマミー達に降りかかる。白い炎は消えることなくマミーを燃やし続け、3体ともあっさりとコアになった。


メ「もしかして、お兄ちゃん達よりも強くない?」

イ「・・・でも、これはヒノトリの力だから・・・。」

メ「それを操れるのはイルナちゃんの実力だと思うけどなぁ。」

イ「・・・ありがと。」


そうして、狩りを続けていると、辺りの雰囲気が変わった。


メ「この気配は、ヌシ? でも、ここのヌシはヴァンパイアのはずだし・・・。」

ヨ「よぅ、お二人さん、俺の姿が見えるか?」


声のした方を見ると、うっすらと蛇の姿が見える。


イ「・・・誰?」

ヨ「俺の名前はヨルムンガンドって言うんだ。」

メ「うーん、どっかで聞いたことがある名前の様な気がするけど・・・忘れちゃった!」

イ「・・・。」

ヨ「さっきから見ていたんだが、あんたネクロマンサーだろ?俺にも憑依させてくれよ。このままだと消えちまいそうだ。」


イルナは、憑依に良い思いが無いので、ためらう。


イ「・・・なんで憑依したいの?」

ヨ「魔界で無駄に殺されてしまってな。俺はまだ生きていたいんだ。そしたら、お前の力になるからよ。」

イ「・・・憑依したら主導権とる?」

ヨ「心配なら、契約をしてやるよ。契約は絶対だ。」

イ「・・・私の力になる事、逆らわないとこが必須条件。」

ヨ「それでいい。ただ、復讐の機会があれば、考慮してくれると嬉しい。」

イ「・・・契約はここに成った。おいで、ヨルムンガンド。」


イルナがそう言うと、ヨルムンガンドはうれしそうにイルナに吸い込まれる。


イルナ(ヨルムンガンド)


イルナはメィルにステータスを伝えた。


メ「強い、イルナちゃん強いよ! もぅ女神並みだよ!」


実際、今のメィルを10倍したくらいの強さだった。すると、ヴァンパイアが現れた。


メ「あ、ヌシだ。」


メィルが指を指す。すると、ヴァンパイアが血魔法のHPドレインやMPドレインを使ってきたが、魔法無効のイルナには効かなかった。


イ「・・・この憑依も、私の意思で動かせる。」


アヌビスの時は、契約を結んでいないためアヌビスの意思がメインだったが、契約を結んだヨルムンガンドにはイルナの意思が優先される。イルナはヴァンパイアの魔法を無効にしつつ、パンチを当てる。イルナはヴァンパイアをあと3回ボコるとヴァンパイアはコアになった。


イ「ふぅ、憑依は疲れる。」


イルナは憑依を解いて休む。すると、黒騎士が近づいてきた。


イ「・・・疲れたから、ダメージリンク。」


イルナは黒騎士とリンクすると、黒騎士にされるがまま殴られる。黒騎士と仲良くダメージを食らい続け、黒騎士のHPが0になってコアになった。


イ「・・・1対1ならこれが楽。」

メ「便利ねー、私もスキルが欲しくなってきちゃった。」

イ「・・・HP回復する。」


イルナはHPドレイン付与を自分にかけると、毒の霧をまき散らしながら探索し続けた。メィルに毒ダメージ。


メ「私が居ることを忘れないでよね!」


イルナは手に入れたコアを使ってステータスを上げた。

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