第4話 ダンジョン攻略4日目

朝が来た、俺はいつも通り歯磨き、トイレ、髭剃りを終え、ナンプレをしていると、いつもより少し遅く扉をノックする音が聞こえた。


ヤ「おはようございます!源さん!」

レ「おはよう、弥生。それどうしたんだ?」


扉を開けると、目の下にクマを作った弥生がいた。そして、なんか全身トゲトゲだった。


ヤ「徹夜で色々と試していました!これがその成果です!」


弥生はそう言うと、トゲの一つがグニグニと動いた。


ヤ「全身に分裂体をつけ、用途に合わせて変化させます!」


どうやら、空間魔法に入れるといざというときに使えないから、常に分裂体に触れるよう腕輪やら足輪っていうのか、やら沢山付けている。


レ「とりあえず、飯食うか。」


俺は徹夜でハイになっている弥生を落ち着かせようと、部屋の中に居れ、冷蔵庫からお茶を取り出して飲ませた。一息ついて落ち着いたのか、うつらうつらとしはじめた弥生を102号室に連れていき、お昼ごろ呼びに来ると伝えて、部屋に戻った。俺は徹夜で頑張った弥生を見て俺も頑張るかと思い、ケルベロちゃんにトーストと牛乳パックを注文すると、食いながらダンジョンに向かった。


メ「今日はやけに早いね!お兄ちゃん!」


ダンジョンに行くと、メィルがいた。時計を見ると、まだ7時過ぎだった。ラヴィ様の出勤は8時からだから、メィルが代わりに居るんだろう。


レ「ああ、弥生が頑張っているみたいでな、俺も何かできないかと思って。一人でダンジョンに行ってくるわ。」

メ「そうなんだ!気を付けてね?一人でダンジョンに行くと、対処できない場合があるから!」

レ「大丈夫だよ、2階にしか行かないし。ちょっとコア集めるだけだからさ。」

メ「じゃあ、私はここにラヴィ様が来るまでは居るからね!行ってらっしゃい!」

メィルに見送られ、俺は2階でスライム狩りをすることにした。

レ「さて、俺もたまには新しいことをやってみるか。」


俺は遭遇したファイアスライムに向かって潰すイメージをした分裂体を作り出し、ファイアスライムを食わせた。ケルベロスを作り、犬ゾリならぬケルベロスゾリで機動力を上げると、さくさくとスライムを狩っていった。非常階段の方につくと、見慣れた背中が見える。


レ「あれ?弥生?もう起きたのか?」


それは弥生だった。朝の装備とは違い、最初のころに着ていた忍者服を着ている。弥生は聞こえなかったのか、そのまま奥の方へ進んでいく。俺はケルベロス達を弥生に向かって走らせて追いつくと、改めて声をかけた。


レ「弥生、もう大丈夫か?」


俺は弥生に声をかけると、弥生は振り返った。弥生は、俺の方を向くと、俺の肩に手を回して・・・、キスをしてきた。


レ「んっ!ぐっ!」


俺は混乱して弥生にされるがままになっていると、口の中に異物が入ってきた。俺はその異物をゴクリと飲み込んでしまった。状態異常:毒


レ「ぷはっ、お前、弥生じゃないな!」


俺は口を右手で拭うと、弥生の偽物から離れた。異物を吐き出そうとしたがもう遅かったようだ。俺は口に指を突っ込んで吐き出そうとしたり、逆立ちしてみたりした。零に10ダメージ。零に10ダメージ。徐々にHPが減っていく。弥生の偽物は何もせず、俺の様子を見ているようだ。毒で死ぬのを待っているのか?この階に来た時なら兎も角、今の俺ならまだ大丈夫だ。


レ「偽物・・だよな?操られてるとかじゃないよな?」


俺はどう見ても弥生にしか見えない上に、毒を飲ませた以外に何もしてこない相手にどうすればいいか判断がつかなかった。零に10ダメージ。


メ「8時になったからもう帰るね、お兄ちゃん。あっ、あれがドッペルスライムだよ!」


交代をわざわざ知らせに来てくれたのか、一瞬で偽弥生の正体を看破してくれた。いつも唐突に現れるメィルだが、今は助かった。


レ「じゃあ、偽物とわかったところで倒すか。」


偽物だと分かったけど、見た目が弥生なので、左手に攻撃する。俺はドッペルスライムを倒し、コアを拾うと、メィルに聞いた。零に10ダメージ。


レ「ところで、毒っていつ治るんだ?1分毎に10ダメージ受けるんだけど。」


このままだと20分もしないうちに死んでしまう。


メ「大体1時間くらいかな?大丈夫!毒じゃHP1以下にはならないから!」

レ「1時間って・・、HP600も減るのかこの毒。」

メ「普通はそんな強くないよ?皮膚に触れても1ダメージしか受けないし?もしかして飲んじゃった?」

レ「ああ、口移しされた。このままだとHP1になってしまうから一旦帰るか。」

メ「へ~、口移しされたんだー?形無しさんの見た目だから?」


メィルがニマニマとしながら言ってくる。俺だってまさかこうなるとは予想もしてなかったよ!俺はケルベロスゾリでエレベーターまで戻る。用が無くなって待機しているケルベロスを見て、メィルはこれもう要らないよね?とケルベロスを蹴り倒して行った。ストレスでも溜まっているのか?


俺は部屋に帰り風呂に入りながら、ドッペルスライムのコアを見ていた。


レ「このコアを使って分裂体を作れば、弥生の偽物が作れるのか・・。」


俺はこのまま経験値にするのはもったいない気がして、ドッペルスライムを再現してみた。再現されたドッペルスライムは普通のスライムと見た目が変わらないものだった。


レ「あー、やっぱり再現した物じゃだめか。これじゃただのスライムだ。」


俺は風呂場からスライムを追い出すと、湯船に漬かりなおした。すると、ドアをノックする音がする。


ヤ「すいません!源さん。すっかり寝てしまったようです!入ってもいいですか?」

レ「ああ、鍵は開いてるから入っててくれ。俺は今、風呂に入ってるから。すぐ上がって着替えるよ。」

ヤ「分かりました!では、部屋の中で待たせてもらいますね!」


ガチャリと扉が開く音がして、「おじゃましまーす。」と言う声がした。俺は脱衣所で着替えていて、ふとドッペルスライムが居ないことに気づいた。


レ「弥生!スライムが居るかもしれないけど、それはドッペルスライムを再現した物で攻撃はしてこないからな。」


俺はスライムと間違えて倒されないよう、弥生に声をかけた。


ヤ「あ、このスライムですね?あれ?なんか変化していくんですが・・?」

レ「ああ、もともとダンジョンで弥生の姿で出てきたやつだったんだ。」


俺は着替え終わり、弥生の待つ奥へと向かうと、無言で向かい合う弥生と、全裸の俺が居た。


ヤ「きゃぁぁぁぁ!きゃぁ!きゃぁ!」


弥生はもう叫ぶしかしていない。弥生は横を向いて指をドッペルスライムに向けると、一瞬で針の様になった指輪で貫いた。クリティカル発生。ドッペルスライムに94ダメージ。下半身を貫かれたドッペルスライムは、コアになった。


ヤ「源さぁん?これはどういうことですかぁ?」


弥生は、ドッペルスライムのコアを踏み砕くと、指輪を鞭の様に変化させて俺の首を絞めてきた。

痛みは無いけど、動けない。あれ?俺、今は毒でHP1じゃね?


メ「きゃぁ、裸のお兄ちゃん死んじゃった!」


メィルはいつから見ていたのかしらないが、顔を両手で隠して指の隙間からチラッと見ている。いやお前どっちにしろ、千里眼で顔隠しても見ようと思えば見えるだろ!


レ「メ、メィルどういうことだ?ドッペルスライムが俺に変化したらしいぞ!」

メ「あたりまえだよ!お兄ちゃん!ドッペルスライムは最後に触れた対象に変化するんだから。ダンジョンで会ったのは、初日に形無しさんに踏まれたドッペルスライムで、再現後に触れたのはお風呂に入っているお兄ちゃんだから☆」


メィルは楽しそうにそう教えてくれると、無駄にポーズを決めた。よくあるピースサインを横にして右目にあてるやつ。


ヤ「そういえば、ダンジョンで最初に倒したドッペルスライムはコアを破壊も回収もしてなかったですね。そもそも踏んだことすら気づいていませんでしたけど。」

レ「そろそろ、首の拘束を解いてくれないか・・?実はダンジョンで毒を受けていて、何かダメージがあったら死んでしまう。」

ヤ「ご、ごめんなさい!わざとじゃないことは分かりました。もう、でも、びっくりしちゃって。」

メ「私はお兄ちゃんの体も見飽きてきたかなー?」

レ「おぃ、それは問題発言だぞ、覗(のぞ)き女神!」

ヤ「ところで、ダンジョンに行っていたんですか?」

メ「そうだ!お兄ちゃんがドッペルスライムと戦った話をしてあげようか?」

レ「いや、大した戦闘もしていないし、弥生もまだ眠いだろ?もう少し休んだらどうだ?」

メ「えっとねぇ、お兄ちゃんがキス・・。」

レ「やめろ!気にするな弥生、何でもない!」


俺はメィルの口をふさぐと、頭に拳骨を落とす。メィルに0ダメージ。


ヤ「え?キス?誰とですか?」


弥生は好奇心で目がきらきらしている。


レ「・・・。モンスターとだよ。」

メ「間違っていないけど、実は・・。」


俺は無言でメィルを蹴る。メィルに0ダメージ。

そうこうしているうちに、あっという間にお昼になったので食堂で食べることにした。


レ「今日のおすすめはオークじゃないんだな。オークであっても今日は食わないが。」

ヤ「私もオークはもういいです・・。」

メ「私はオーク肉のステーキがいいかな!」


珍しくメィルも一緒に昼を食べるようだ。オーク肉を見せるっていう嫌がらせか?

俺はさっぱりとした素麺、弥生は朝食を食べていないのでお腹は空いていたのか、山盛りの和風スパゲッティ、メィルは宣言通りオークのステーキを注文した。


レ「昼飯食い終わったらどうする?ダンジョンに行くか?」

ヤ「そうですねぇ、徹夜の成果を見せますか!」

メ「もぐもぐもぐ、ステーキおいしいです!」


メィルはステーキ5枚重ねをバクバク食っている。あの小さい体のどこに入るんだ?と思ったけど、分子分解してるんだったか。じゃあマジで単なる嫌がらせだなおい。


ヤ「問題は、幻術ですかねぇ。魔力を上げにスライムを狩りますか?」

レ「俺もそう思ってスライムのコアを集めに行ったんだけど、それだけでステータスを上げるのは時間がかかりそうだ。」


2~3日ずっとスライムを狩り続ければそれなりに上がるだろうけど、時間がかかりすぎる気がする。


メ「もぐもぐ、私もスライム狩りばっかり見てるのも暇だし、だったらイメトレしに行かない?」

レ「イメトレ?それなら寝る前にやってたりするけど、それで強くなるのか?」

メ「強くなったイメージは大事だよ!というわけで、ゲームコーナーに行こう!」


俺達はメィルに連れられてゲームコーナーに来た。遊びたいだけじゃないのか?


メ「じゃーん、これがフルダイブ型VRゲームだよ!」


カプセル型の機械にフルフェイスのヘルメット型の装置があった。某クリアするまで出られなくなるデスゲームじゃないよな?


メ「無双系のゲームで戦闘感覚を養おうよ!」


メィルは無理やり俺達をゲーム機に座らせると、ゲームを開始した。

ゲームに入るにあたっていろいろと設定しなければならない。身長や見た目は結構いじれるみたいだ。まあ、俺は面倒だからデフォルトでいいや。設定を終了して空中に浮かぶスタートのボタンを押す。すると、光のゲートが現れた。ゲートを潜ると、荒廃した都市だった。


レ「へぇ、滅亡都市って感じか?」

ヤ「リアルですねぇ。体も思った通りに動きます!」


見た目は、俺は自衛隊の隊員Aと言う感じの格好で、弥生は迷彩服にゴーグル、茶色のブーツ、腰の左右にサブマシンガンを1丁ずつ下げ、腰のポーチに銃弾、腰の後ろに手榴弾を2個つけている。そして、メィルの見た目はと言うと・・。


メ「私は虐殺天使メィル様です!」


メィルはヴァルキリープロファイルに出てくる主人公の格好をしていた。青を基調とした鎧に、いつもよりでかい羽、身長も170cmくらいになっていて、スタイルも良くなっている。いじりすぎて体の感覚ずれるんじゃないか?

そうこうしているうちに、ゲームが始まったのか、瓦礫の間、廃墟のビルの扉、破壊された車の後ろなどからゾンビが近寄ってきた。


レ「バイオハザード系じゃねーか!?確かに、ゾンビには無双するけど思ってたのと違う!」


俺は戦国系だと思っていたが、デフォルトが自衛隊服な時点で防衛ゲーム系か・・。


ヤ「突っ込みいれている間に近づいてきてますよ!」


半分腐ったようなゾンビやら、ドーベルマンのゾンビ犬、北斗の拳に出てくるような巨大な肥満体ゾンビ等、バリエーションは豊かだ。


弥生はサブマシンガン(スコーピオン)を構えると、ゾンビに向かって突撃した。スライディングでゾンビの横を抜けると、先頭のゾンビの後頭部に一発、次のデブっちょいゾンビには足払いで態勢を崩した後にゾンビの袖を引っ張り倒した後、顔面に連射、攻撃してきた女ゾンビの大振りのひっかきをバク宙して回避したあと2丁とも前に構えると連射し、打ち尽くしたサブマシンガンにポーチから弾を補充していた。


ドーベルマンの噛みつきを左のサブマシンガンで受けると、右手のサブマシンガンで頭部を撃ち抜く。


レ「すげぇ、まるでアクション映画を見ているようだ。」


弥生は側宙、前宙を駆使し、どんどん敵を倒して行く。ゾンビの攻撃を銃で受け、

相手の膝を左足で蹴飛ばし、銃で殴りつけるなど近接もいけるようだ。

メ「よーし、私も負けないよ!」

メィルは翼で空中に浮かぶ。

メ「必殺!ニーヴェルン・・。」

レ「それはダメだろ!」

メ「仕方ないなぁ、お兄ちゃんは。じゃあ、ウィング・レイン!」


メィルは羽を銃弾のように飛ばしてゾンビを撃退していった。こっちのほうが無双系ゲームみたいだ。ちなみに俺は普通に中距離で車の影からAK47でタップ撃ちしていた。集まってきたやつは普通に手榴弾で対応した。


ステージが進むにつれてゾンビの動きが良くなっていく。ゾンビというよりアンドロイドじゃないか?というキャラまで出てきた。メィルはいつの間にか持ち出した弓で眉間を貫き、弥生はアクロバティックな動きで倒し、俺は普通にタップ撃ちしていた。


メ「ボスが来たよ!」


ボスはガシャドクロみたいな巨大な骸骨だった。え?ここでホラー?


レ「くっ、骨の隙間が多すぎて当たらん!」

ヤ「一番当てやすい頭蓋骨を狙います!」

メ「それだと、手でガードされるから、足場から崩すよ!」


俺達は連携して、弥生が足元を手榴弾で崩し、メィルが槍で手のガードを崩し、俺がタップ撃ちで骸骨の眉間を撃ち抜いた。骸骨が倒れると、you winと出て現実世界に戻された。


ヤ「ふぅ、すっきりしました!」

メ「楽しかったね!」

レ「いや、イメトレっていうか普通に遊んだだけじゃね?」


こうして4日目はほぼ何もしないまま過ぎていったのであった。

俺達はビジネスホテルに戻ると、ケルベロちゃんにゲーム機とテレビを取り寄せてもらい、一緒に遊んだ。懐かしのストリートファイターⅡとボンバーマンだ。晩飯は、俺は軽く焼き鳥とビールを飲み、弥生はグラタンとシフォンケーキを食べ、夜が更けたころに弥生たちと別れて寝た。



閑話 5日目の朝


俺達はダンジョン3階に向かった。


レ「準備はいいか?」

ヤ「はい!ばっちりです!アイテムボックス内にもめいっぱい予備弾丸を入れました!」


弥生は、腰に2丁のサブマシンガン(スコーピオン)を下げ、粉塵防止のゴーグルと、雰囲気だけの迷彩服を着ている。廊下のダンジョンで迷彩服は逆に目立ちすぎるだろう。俺は拳銃(デザートイーグル)を構えると、前回オーク達が居た辺りまで進んだ。


ハ「また来たのか人間、今度は逃がさないぜ?」

オ「俺達も馬鹿じゃないんでね、逃亡対策はしてあるぜ?」

オ「この場所は巻物無効空間にさせてもらったわ。」

ハ「さらに、出てきなみんな!」


ハイオークが指をパチンと鳴らすと、通路の奥や隠し壁の中からぞろぞろとオークやハイオーク、オークマジシャンが数十体現れた。


ハ「さあ、やっちまえ!」


ハイオークが声を上げると、「うぉぉ!」と沢山のオーク達が向かってくる。


レ「こっちも準備万端なんだよ!これでも食らえ!」


俺は閃光手榴弾を先頭のオークの前に投げると、後ろを向いた。数秒後、あたりに強い光があふれる。


オ「ぎゃぁぁ!目が!」

ハ「目くらましか!くっ、猪口才(ちょこざい)な!」


オーク達は目に手を当てて右往左往している。


レ「今だ!弥生!」

ヤ「はい!まずは手榴弾です!」


弥生はアイテムボックスから手榴弾を3個取り出すと、一気にピンを抜いた。右往左往しているオーク達の真ん中に投げると、数秒後に爆発した。さらに恐慌状態になったオーク達に追撃をする。


ヤ「ヒャハッ、豚どもが!死ねーー!」


弥生がサブマシンガンを撃ちっぱなしにして弾をばら撒き、弾が切れるとアイテムボックスから予備の弾薬を取り出してすぐリロードし、またばら撒き始める。俺は撃ち漏らしたオーク達にデザートイーグルで止めをさしていく。オーク達の声が少なくなり、床に数百発の薬莢が散らばる中、弥生は繰り返し撃ち続けた。声が全く聞こえなくなったころ、撃つのをやめて、硝煙の煙が晴れるのを待つ。煙が晴れると、数十体いたオーク達は全滅していた。


ヤ「まだ殺り足りねぇ、ヒャッハー!」


弥生はサブマシンガン(スコーピオン)を放り投げると、アイテムボックスから火炎放射器を取り出し、ダンジョンの通路に居たオーク達を焼き殺して行く。エレベーターの前にはオークキングとみられる3m程のオークが居た。弥生は「ヒャッハー!」と叫んで火炎放射器をオークキングに投げつけると、オークキングは持っていたハンドアックスではじいた。


ヤ「これでも食らえ!」


弥生はアイテムボックスからRPG-7を取り出すと、オークキングに向かってぶっ放す。オークキングはハンドアックスを盾にしようと構えたが、一瞬で炎に包まれると、断末魔を残して消滅した。

こうして3階層は弥生の活躍であっさりとクリアした。


レ「っていう夢を見たんだけど、実際どうだ?」

ヤ「えぇ、銃なんて構造が難しすぎて作れませんよ!それに私はヒャッハーなんて言いません!」

レ「じゃあ、ケルベロちゃんに取り寄せてもらうか?」

メ「ダメに決まってるよお兄ちゃん!ずるはダメでーす!」


こうして騒がしく5日目の朝は始まった。

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