第15話

頭部とうぶにバルカン。

 右外腕部うがいわんぶに巨大パイルバンカーのブラストスティンガー。


 左外腕部さがいわんぶに、盾に、

 ジェネレーターとレーザーランチャーを内蔵したアームドランチャー。


 左腰部さようぶにレーザーソード。

 右腰部うようぶに大型バズーカ。

 右肩部うけんぶに大型レーザーバズーカ。

 左肩部さけんぶにパルスレーザー砲。

 両外脚部りょうがいきゃくぶにグレネードランチャーを2ずつ。

 背部はいぶ短距離誘導垂直たんきょりゆうどうすいちょくミサイルポッド。


 前回のKDナイトドール研究所襲撃戦では格闘戦しかしてなかったようですが、

 相当そうとうな重武装ですね。


 そのうえ、エンジェルシードほどではないですが、

 フェストゥングみの装甲そうこうと、Aアリーエルフィールドもあります。

 

 流石さすが新統合しんとうごうの最新鋭機…。

 ボクたちのKGナイトギアに匹敵するほどの、

 相当そうとうなハイスペック機ですね、これは…。」

 と、マカロニさんが、Gギアデッキに、

 オイラたちトロイメンカッツェメンバーと、ライさん、

 さらに、セイントフォースの面々めんめんと、レフィル君を集めて、

 前回、ちゃんとした武装を使わず戦闘していたため

 謎のベールに包まれていた、ロボの、その戦闘能力を、

 あますところなく解説してくれる!











 前回の戦闘のあと

 オイラたちに休暇きゅうかが与えられる事になったんだけど、

 ライさんや、セイントフォースの面々めんめんを、

 カルナダやコーダの戦艦に、それぞれかえして休暇きゅうかを与えるより、

 どうせ、戦闘が起これば、

 それぞれの勢力のKGナイトギアを同時展開で出撃しゅつげきさせる事が多いだろうし、

 それなら、今までの流れで、ソルファージュで、

 ライさんや、セイントフォースの面々めんめんも預かって、

 ソルファージュで、それぞれが休暇きゅうかを受けよう、という流れになって、

 せっかくだから、休暇前きゅうかまえに、

 前回の戦闘で手に入ったロボの戦力的データの解析を、

 みんなの前で、マカロニさんにしてもらって、

 ロボの性能を、みんなで知った方が、

 これからの戦闘のためになるんじゃないか?という話になり、

 今にいたる感じなんだよね。










「ふへぇ~…。」

 と、そのマカロニさんのロボの機体解説に、

 驚嘆きょうたんするしかないオイラ…。



「へぇ~!

 いじゃん! いじゃん!

 オレのロボが強ぇぇのがかってかったぜ!

 これで、オレを甚振いたぶった新統合しんとうごうやつらも、

 ボッコボコにしてやるぜ! へへへ!」

 と、喜び、意気込いきごむレフィル君!




「あんま調子に飲って、

 せっかくのKDナイトドールを壊すんじゃねぇぞ、レフィル!」

 と、ケビンさんがくぎすが、








「ヘッ!

 大丈夫! 大丈夫!

 なんたって、さっきマカロニってやつったように、

 ロボは超高性能ちょうこうせいのうなんだから、そう簡単には、やられねぇんだろ?

 それに、どうせオレは戦艦の中からロボを操縦するだけ、

 オレは危険きけんわねぇんだからこわれてもいんだよ!

 もしロボがこわれても、オレ、いたくねぇし!」

 と、すずしいかおかぶりをる動作をするレフィル君⁉



「オメェな!

 責任感ってもんがねぇのかよ、オメェは⁉」

 と、シャルさんが激高げっこうするが、



「責任感?

 そんなもんでめしえるかよ⁉


 オレはな、今までソロでTSトレジャースティーラーして稼いできたんだよ!

 だから、危険な事も多少はしてきたつもりだ!


 だから、かる。

 人間にんげん身体からだ資本しほんなワケよ!


 仕事で怪我したり、体調を崩せば、

 途端とたんめしえなくなる!


 オレは、せっかく、こんな超絶ちょうぜつつよいらしく、

 便利な機体が手に入ったんだから、

 もう、そんなうのはゴメンなんだよ!


 だから、オレはオレの好きにやるぜ!

 どうせ、このDディーコンは、もう外れねぇみてぇだし、

 オレはロボと一蓮托生いちれんたくしょうだしな!」

 と、まくてるレフィル君。










「でも、それだよね…。」

 と、ライさんが言い、




「ああ。こんな無粋ぶすいな子供に、KDナイトドールゆだねるのもと思い、

 みなの前で、公開で、コイツのDディーコンを外そうとしたが…。」

 と、マリーさんも言い、



「ホンマに、全く外れんかったからなぁ…。

 仕方しかたないから、ホンマにレフィル君に、

 ロボを預ける事になったけど、

 正直、先が思いやられる感じやしね…。」

 と、心配で、ひたいに手を当てて思い悩むミケさん…。



「まあ、ヒーローのオレがヒーローになったのと同じで、

 レフィルがロボのパイロットで決まったのも、

 きっと運命ってやつさ!」

 と、相変あいかわらずのガンツさん…。



「このバカ!

 そういう無責任な事を言うんじゃねぇよ!」

 と、怒るシャルさんと、



「バカは、おのれ尺度しゃくどなんでもはかろうとするからな…。

 全く……付き合わされる身にもなって欲しいが…。」

 と、こちらも、静かにだが、怒気を発するマリーさん。



「まあまあ、ガンツなりに、

 この事態じたい収拾しゅうしゅうしようとしての発言だと思うし。」

 と、相変あいかわらず、まとめるのが上手うまいルイリーさん。














「でもでも!

 これで、レフィル君も、うちに正式加入なんだし!

 ここは一発! レフィル君の加入記念で!

 レフィル君と、マカロニとの、

 リアルギシアンタイムを、私に見せてくれる、

 私へのレフィル君からのファンサービスとか、

 ってもいんじゃない⁉

 どう⁉ どう⁉」

 と、こちらも相変あいかわらずの、ユリンさんに、



「テメェな! めてんのか⁉

 もうってくんなって言っただろうが…ッ⁉」

 と、れのレフィル君に、



いよ! いよぉ!

 その強気なところが、

 逆に、ガッツリ、ねこやらせれそうで!

 ユリンちゃん! も…もう…‼ たまらんですよ…ッ‼」

 と、早くも辛抱堪しんぼうたまらない様子ようすのユリンさん…⁉



 ヤバイ!

 ユリンさんの琴線きんせんに、またもやれちゃった模様もよう

 


 るぞ! アレが⁉

 3ばいあかやつ…‼

 もうなく……ちゃう…ッ‼






 ブバッ!



 ユリンさんの鼻腔びこうから、通常の3ばい以上いじょうの勢いで、

 あか本流ほんりゅうがレフィル君の顔面がんめん目掛めがけてけた!






「ぎゃぁぁぁぁーーーーッ⁉」

 昨日に引く続きの、再度さいど顔面がんめんへのユリンさんの鼻血に、

 レフィル君が、断末魔のこえげる⁉




「え~い!

 昨日の今日でも、同じ子に、何度なんども、何度なんども‼

 いい加減かげん、オマエのお花畑はなばたけのうなおらんのかッ⁉」


 スパコンと、相変あいかわらず、どこからしたのからないハリセンで、

 ユリンさんをたおすミケさん。



「はわっ⁉」

 ミケさんのハリセンの一撃いちげきで、

 あたまのぼった循環じゅんかん正常せいじょうもどったのか、

 ピタッとユリンさんのはなからの飛沫しぶきまった。



「ハッ⁉

 出してない! 出してないよ⁉

 花も恥らう純情乙女のユリンちゃんが、鼻血なんて出してないよッ⁉」


 相変あいかわらず、つくろうユリンさん。



 いや、その本流ほんりゅうは、もうすべてをかくせませんよ⁉

 もう丸分まるわかりですよ…ッ⁉
















「ああ! もう!

 コイツ嫌い! コイツ最悪…ッ‼」

 と、レフィル君がふくすそ顔面がんめんの血をぬぐいながら、

 ユリンさんへ怒髪どはつこえげる!



「やっぱ、ユリンは恐ろしいな…。」

 と、シャルさんが恐怖の表情で言い、



「あ…ああ……。」

 と、マリーさんも言葉ことばにごす…。



「ちょっと、コイツは…。

 ヒーローのオレでも……引くっていうか…。

 オレで同じ事は…するなよと言いたいっていうか……。」

 と、あのガンツさんすら歯切はぎれがわるくなる有様ありさま……。 



「あ~。あはは~。」

 と、かわいたこえげるしかできないルイリーさん。



「まあ、とにかく、ふくすそぬぐうのもあれだし。

 ボクのだけど…。」

 と、自分のハンカチをレフィル君にわたすライさん。



「お…おぅ…。」

 と、受け取り、顔面がんめんくレフィル君に、



「あ~。こればっかりは、うちが悪かった、レフィル…。」

 と、ユリンさんの痴態ちたいに、

 素直に、自分たちのみとめるケビンさん。



「まあ、ユリンの病気と思って、

 なんとか、ほこおさめてください。

 すみませんね、レフィル君…。」

 と、マカロニさんも言い、

 














 ここで…‼



「よし!

 レフィル君の顔面がんめんも、もっと綺麗に洗いたいし、


 それに、これまで、みんなが頑張って来てくれたお礼と、

 正直、レフィル君は、昨日、会ったばかりで、

 まだ戦果は、ほぼがってないけど、


 昨日、今日のレフィル君への、ユリンがらみのびもしたいし、

 今日は、せっかくの休暇きゅうかやし!


 ここは、うちも、ドカンと一発、大奮発だいふんぱつして、

 みんなに、ブリッジにがってでの昼ごはんで、

 幻のシャケ弁を、ごちそうするで!」

 あのかねうるさいミケさんが、

 まさかの大奮発だいふんぱつ発言はつげんをしてくれた…ッ⁉



「ま…マジっスか⁉ ミケさん…⁉」

 と、るオイラと、



「スゲェ! スゲェですよ! あねさん‼」

 と、大喜びのケビンさんに、



「キャァー!

 超濃密ちょうのうみつギシアンのあとに、

 さらに、幻のシャケ弁⁉

 それ、ホント、リーダー⁉

 すごい! すごいよ‼」

 と、妄想の熱狂から、

 幻のシャケ弁を食べれる熱狂にシフトするユリンさん!



「ほ…本当に…ボクら全員が…、

 ご相伴しょうばんがっていのですか⁉」

 と、おどろきのこえしかげれないマカロニさん!

















「え…? このかん、のり弁、以外もあったの⁉」

 と、おどろくライさんと、



「え…? な…なんだ…?」

 と、事態じたいについてけず、

 ポカ~ンとした表情のシャルさんと、



「確かに、このかんに来てから、

 毎食のり弁ではあったが…。」

 と、言うマリーさんと、



「あの、のり弁、スゲェうめぇけど、

 確かに、毎食じゃ飽きるし、

 たまにはシャケ弁もいよな!」

 と、幻のシャケ弁のすごさと、

 このかんの、のり弁率、ほぼ100%な酷過ひどすぎる状態じょうたいが、

 全然分ぜんぜんわかってないガンツさん。



「う~ん…。

 でも、そんなすごそうなの、

 ホントに、私たちも食べていの?」

 と、聞くルイリーさんと、



「オレ食う! オレ食う!

 このユリンって最悪女のせいで、

 こっちはひどつづけなんだから、

 ミケのように、びでわしてもらうかんな!」

 と、るレフィル君。



「OK! OK!

 とにかく、みんな、ブリッジにがるで!

 各自の部屋で食ってもええけど、

 せっかくやから、今日は、

 おっさんや、セリアや、リッドにも振舞いたいし、

 みんなで、ブリッジで、幻のシャケ弁を味わうで!」

 と、ミケさんが音頭おんどり、



『おーーーッ‼』

 と、みなさんで、一斉に、ブリッジにがった!

















「り…リーダー…ッ⁉」


「ほ…ホントなの…⁉ リーダー…⁉」


「い…いのか…⁉ ミケ…⁉」

 と、それぞれ、ガタッと、自分たちのせきからはなれ、

 ミケさんにり、聞いて来る、

 セリアさん、リッドさん、バーダック艦長!



「ええねん! ええねん!

 うちもトロイメンカッツェのリーダーや!

 ここぞという時は、奮発ふんぱつしたるんや!

 ほな、解凍して、順次じゅんじ、みんなにわたしてくで!」

 と、ミケさんが主導しゅどうで、ついに、あの、幻のシャケ弁が、

 温められ、くばられてく!






「こ…コレが…あの…幻のシャケ弁…⁉」

 包装ほうそうは、いたってシンプル!

 黄土色おうどいろのプラスチックの容器で、

 上蓋うわぶたも透明では無く、下蓋したぶたと同じ色のプラスチックのふた

 特に、これと言った特徴が無い!


 

 しかし、その飾らないシンプルさが、

 高過ぎて、中の具材が込み入り過ぎ、

 ぎゃくづらい弁当より、素朴そぼくな安心感を、

 ふたを開ける前から与えてくれる!

















「さあ、ふたを開けるぞ!」

 パカッとふたを開けると、

 まず、その中にある主役のシャケにうばわれた!

 


 素朴そぼくでありながら、

 新鮮しんせんさがつたわる、瑞々みずみずしいいろ



 そして、

 圧倒的あっとうてき光沢こうたくたたえるつや


 

 さらに、そのかおりは、極上ごくじょうてんのハープをかなで、

 ぐモノを魅了みりょうする!



 いろつやかおり、そのどれもが素晴すばらしぎる!





 さらに、弁当の大半たいはんの面積をめる、ごはんも、

 すさまじいテカリのつや


 そして、どう見ても、

 超絶的ちょうぜつてきに、ふっくらとがっている!


















「さ…サラダや……そ…惣菜そうざいまで…ッ⁉」 

 弁当の一角をになう、サラダと惣菜そうざい…。



 サラダは、レタスとトマトとキュウリの、

 ごくシンプルなサラダで、乗ってるドレッシングは、

 このシャケ弁という、和風弁当になぞらえて、

 安定の、ごまドレッシング!


 

 もちろん、そのいろ瑞々みずみずしく、

 つや光沢こうたくも、他の具材と、変わる所が無く素晴すばらしい!





 さらに、一角に、卵焼き…。

 に見せて…だし巻きだ…!



 ぐと、ダシののかなあまかおりがただよい、

 益々ますます食欲しょくよくが、そそられる!



 もちろん、これも、いろかおりも、素敵すてきぎる!

















 さらに一角に、とりのカラアゲが…って…⁉



 ち…違う⁉ 違うぞ…⁉

 この具材…とりのカラアゲとは明らかに違う…‼



 まず違うのが、ころもいろ…。

 カラアゲの、あの黒っぽい茶色ではなく、

 とてもとおるような、綺麗な薄い茶色の色をしている!



 さらに、げた感じの、

 見た目だけでも伝わる、

 かた上手じょうずさ、サクサクさが、桁違けたちがいだ!



 これ…鶏天とりてんぷらなんだ…ッ‼



 しかも、もちろん、この鶏天とりてんぷらも、

 いろつやかおり、ともに、極上ごくじょうも、極上ごくじょう仕上しあがっている!



















 具材の内容は、以上いじょう

 


 ここまで見てきた通り、

 その具材たちは素朴そぼくな内容でありながら、

 そのどれもが見ただけでちょうハイスペック‼



 ゆえに‼

「では! いざ! まいる!」

 まずは、メインのシャケにはしすすめる!



 すんなりとおはし

 シャケが、簡単に分断できる!

 なんすごやわらかさなんだ⁉


 そして、その分断されたシャケを口に入れた瞬間!

「な…なにィィィ~~~…ッ⁉」



 美味うまい! 美味過うますぎる‼

 シャケのやわらかさ、かおりも素晴すばらしいが、

 その塩梅あんばいが、あまりにも素晴すばらしぎる‼



 こ…これは…ッ⁉



 おもわず、はしが、

 まるでフルオートメイションの機械きかいなにかになったように、

 自動的に、ごはんに進む‼



「ば…バカな……ッ⁉」

 まず、そのごはんの、ふっくらとした加減かげん

 そして、のかな甘味溢あまみあふれる米の味に、したうばわれ!



「こ…こんなァ……ッ⁉」

 それらが、さっきから食べているシャケと、

 口の中でコラボする事で、

 すさまじいハーモニーが、

 激しい化学反応が起きたように広がる…ッ⁉




なんなんだ…⁉ なんなんだ…コレは…ッ⁉」

 もう、言葉が出ない…。

 あまりの美味うまさに、オイラののうは、もう、

 失神寸前しっしんすんぜんになっている…ッ‼



















 そして!

「やっぱ! うめぇ!」


「あーッ! コレコレ‼ コレなのよ‼」


「うんうん!

 相変あいかわらずの美味うまさやね!

 流石さすが、幻のシャケ弁当やで…‼」


「ボクは僥倖ぎょうこうです‼ また…! また…! これを味わえて‼」

 と、トロイメンカッツェのKGナイトギアメンバーが歓喜かんきこえげ!



「ホントだよ!

 もうボク…この子と会えないとあきらめていたんだ…。

 でも…。また…会えた…!

 ボクは…幸せ者だよ…‼」



「本当です…!

 ああ神様…またこの子と会えた事…感謝します…‼」



「まさか、このとしで、オレが、またコイツに出会えるとはな…。

 まあ…人生…捨てたもんじゃねぇってこったな…‼」

 と、艦長たち、ブリッジメンバーも、大喜びで、



「な…なんなんだ…コレ…⁉

 すごい…‼ 凄過すごすぎてのうの処理が追いつかない感じだ…‼」

 と、ライさんが、目を、とろんとさせてき、




「うめぇ! うめぇぜ‼

 メチャクチャな美味うまさじゃねぇか⁉

 コレ‼」

 と、レフィル君も舌鼓したつづみち、



「マジだ⁉ スゲェ⁉

 どうなってんの⁉ コイツ⁉」



「これは…。もはや…かみ御業みわざ領域りょういきだな…。」



「くぅ~!

 これには、ヒーローのオレでも、

 流石さすがに負けを認めるぜ!


 オレは負けた…!

 完全敗北ってやつだ…!


 今日から…オマエが……!

 しんの…しんの…ヒーローだ…‼」



「もう凄過すごすぎて…おはしが止まらない…‼

 私…もう…他のモノが食べれない身体からだになっちゃう…‼」

 と、セイントフォースの面々めんめんも、

 この幻のシャケ弁を、存分に味わっている、ご様子ようす























みなさん、味わい倒してるっスね!

 これはオイラも負けてられない…!」

 と、さけぶオイラに、



『ええ…わたしも…しょくれるなら、

 これほど料理りょうりいただきたいかぎりです!

 ですから…!

 ご推進下すいしんください……マスター…ッ‼』

 と、38さんぱち賛同さんどうしてくれる!



「ああ…! 38さんぱち…ッ!


 よし! きっと、サラダや、惣菜そうざいたちも、すご威力いりょくのはず!

 だから…オイラも…オイラだって…!


 この幻のシャケ弁を!

 パーフェクトスケールで…あじわいくしてやるっス……‼」

 と、意気込いきごみ、口内こうないに、ごはんむスピードをげたとき…ッ‼




 その悲劇は起こった…‼


























 ビィー…! ビィー…! ビィー…! ビィー…!



 この他の生きる意味より、

 なによりも大事だいじな、

 この時、この瞬間に…‼



 ソルファージュの、アラート音だと…ッ⁉








「な…なんでさ…なんでさ…クソったれぇぇぇーーーッ‼」

 と、さけぶオイラ!





「そ…そんな…⁉」



「どうしてこんな時に…⁉」

 と、セリアさんとリッドさんがかなしみのこえげ、



「神は我々を見捨てたのか…⁉

 だが…クッ…艦長として…みんなの安全は最優先…‼


 セリア! リッド!

 悪いがオレと一蓮托生いちれんたくしょうだ!

 ブリッジにいてもらう!


 パイロットメンバーたちもだ!

 敵かどうかの確認が終われば、

 オマエたちの出撃しゅつげきる…!

 みんな…まんが…オマエたちのいのちをオレにくれ…!」

 と、つらそうに言葉をまらせながらも、

 オイラたちに頼むバーダック艦長…‼

























「あぁぁぁぁーーーッ⁉」



なんで…なんでなのよ…ッ⁉

 ユリンちゃん…なにわることしてないよ…?

 ユリンちゃん…‼

 どうして神様に見捨てられちゃったの…⁉」



「ここで…。

 ここで…うちらを見捨てるんか…⁉

 あんまりやで…! あんまりやんか…‼

 神さん…‼」



「まさかの…このタイミング…。

 ああ…神よ…ひどいです…。

 何故なぜ…ボクらを…お見捨てになるのです…⁉」

 と、トロイメンカッツェのKGナイトギアメンバーがうめき、



「あんまりだよね…神様…?

 どうして…どうして…このタイミングなの…?

 アナタは…そんなにボクたちが嫌いなの…⁉」

 と、ライさんも、言葉ことばまらせ、


























「誰だか知らねぇが、ふざけるなよ!

 こうなったら徹底的てっていてきだ…!

 徹底的てっていてきに…ブチのめしてやる…ッ!」



「ああ…ここまでの怒りを感じた事は…。

 今までに…無い…!」



「オレを負かせた、コイツを、

 もっと知る機会をうばうなんて…!

 許せねぇ!

 ヒーローのオレでも…ぜってぇー許せねぇ…ッ‼」


 

「そうだね…。

 今日だけは…私も怒ったよ…。

 私も…絶対に許せない…‼」

 と、セイントフォースの面々めんめんも、

 口々くちぐちに、怨嗟えんさこえげ、



「ちくしょう…!

 ちくしょう……‼

 許さねぇ…!

 この時…この瞬間をうばったやつ…!

 誰だか知らねぇが…!

 ぜってぇ許さねぇ…ッ‼」

 と、レフィル君も、怒気を強める!





「……ククク……! フフフ…! ハァァ…! ハッハッハ…!」

 と、ミケさんが壊れ、



「セリア! 索敵さくてきはやく!

 相手あいては、どこのどいつや⁉

 かり次第しだい地獄じごくせたる…!

 地獄じごくせたるで…!」

 と、咆哮ほうこうする!






















索敵さくてきました!

 前方に非常ひじょうどう試験しけん部隊ぶたいの反応!

 前回、見られなかった、GSギアシップ

 スレイプニルという地上用戦艦と見られるモノが、

 なにか巨大な機体をんで、

 2機の一般装備ダギナスと、

 4機のヘリとともに、こちらにかってます!

 あ…あの巨体は…ヴァ…ヴァルロス…⁉」

 と、セリアさんが、驚愕きょうがくの報告をして来る⁉



非常ひじょうどう試験しけん部隊ぶたいで、ヴァルロス⁉」

 と、ケビンさんがおどろき、



「え…あの機体⁉ もうなおっちゃったの⁉」

 と、ユリンさんも、おどろきのこえげ、



なおるどころか、前回、完全自爆したのですから、

 あれは前回のヴァルロスと別物!

 いわば、2号機です!

 この短期間での作成とは…!

 プロフェッサー=キョクトウ…。

 やはり…あの人は…ッ‼」

 と、おどろきながらも、なにかをさとったようなマカロニさん‼



「ヴァルロスより、暗号通信、来ました!

 我がライバル、マカロニとやらの仲間たち!

 今日こそは、この非常ひじょうどう試験しけん部隊ぶたいのリーダー、

 プロフェッサー=キョクトウの吾輩わがはいが、

 この新たに制作しなおしたヴァルロスで、

 オマエたちをケチョンケチョンにしてやるので!

 恐怖に身震みぶるいしながらも、やられに来るがいのであ~る!」

 との事です!



「前回の仕返しに来たか…。

 クッ…相変あいかわらず…頭はパーやけど、

 ヴァルロスを、こんな短期間で、

 新たに作りなおす腕…。

 それに…前回の判断能力…。

 アイツはあなどれん…‼」

 と、さけぶミケさん!


























なに? どういうやつらなの?」

 と、ライさんが聞き、



非常ひじょうどう試験しけん部隊ぶたいとか、ヴァルロスとかって、

 オマエら、みんな、おどろいてるけど、

 アイツら、そんなヤベェやつらなのか?」 

 と、シャルさんが、ハテナという感じで聞いて来て、



「軽く説明すると、

 新統合しんとうごうの機体開発のために、

 自分たちで試験機を開発して、

 その開発した機体の運用試験をするための、

 独自権限を持たされた独立部隊で、

 リーダーのプロフェッサー=キョクトウってやつは、

 普段は、頭はパーっぽいダメなやつに見せかけて、

 その判断力は、相当そうとうヤバい!

 さらに、すさまじいメカニックのうでや!


 それに、あのヴァルロスってのは、

 前回にうちらが1号機を追い込んで、

 完全自爆させたのに、

 1週間と経たん今日で、

 キョクトウが新たにつくなおしたみたいや!

 

 さらに、あのヴァルロスは、

 過去の時代で名をせた機体の複製で、

 CGチャリオットギアでありながら、ジェネラルギアの種別を与えられた宇宙用機体で、

 あの巨体で、オールレンジ攻撃を搭載した超性能機ちょうせいのうき


 前回は、アイツの普段の頭がパーやから、

 地上適正や、空中適性が付けられてなくて、

 なんとかなったけど、

 今回は、もう、その点はなおってると思った方が、ええ!


 さらに、部下のダギナスは、

 キョクトウのこだわりで、

 キョクトウが1人で、ヴァルロスで、

 うちらを殲滅せんめつしたいみたいで、

 記録係装備ばっかしやったし、

 今回もみたいやけど、

 その操縦テクは、歴戦れきせん強者つわものって感じや!


 つまり、総合そうごうして、相当そうとうあなどれん相手あいてやけど!

 やるで! みんな!

 Gギアデッキに移動いどうして、各機かっき出撃しゅつげきや!」

 と、ミケさんが説明せつめいうえで、まくてる!


























『ハイ!』

 と、みんなが答え、



け! ロボ!

 今日の…今日の食い物のうらみだけは…!

 絶対にらすとしめしてやれ!

 出撃しゅつげきだ!」

 と、レフィル君だけは、

 ソルファージュのブリッジでロボにめいかわせつつ、



各機かっき出撃しゅつげきしたら、

 まずは、ソルファージュ近辺きんぺんで、

 みんな、いったん待機!

 相手の様子ようすを見る!


 相手は強敵やけど…今日のうらみだけは…、

 深い事を、教えたるんやで‼


 くで! みんな!

 ミケ=スターライト! タイニーダンサー!

 出るで!」

 と、ミケさんが出撃しゅつげきしながら号令ごうれい戦地せんちかい、



『ハイ』

 と、ほかのオイラたちKGナイトギアパイロットメンバーも、そうじて出撃しゅつげきしてく!































 次々と、ソルファージュ周辺しゅうへんに展開するオイラたちの部隊!



し、し!

 出て来たであ~るな!

 この、吾輩わがはいの力で、

 今回こそ、空戦能力をたヴァルロスなら、

 オマエたちなど、物の数ではないと、

 上層部にも、しめしてやるのであ~る‼」

 と、キョクトウさんが意気込いきごむが、



「し…しかし…推佐すいさ…。」



「ほ…本当に…これでよろしいので…?」

 と、相変あいかわらず、記録係にされてるっぽく、

 あの歴戦れきせんの2名のダギナスのパイロットさんたちが、

 また、勿体もったいないことに、一般装備ダギナスで出ながら、

 なにか、不安そうに、キョクトウさんに聞く、






















 それもそのはず…!

「え…えぇぇーーーッ⁉」



「な…なんだ…⁉」



「な…なにあれ…⁉」



「まさかとは思いましたが…。

 よもや…こんな…⁉」



「こ…これは…ヒーローのオレでも…流石さすがに…予想外だぜ…⁉」



「な…なにかの作戦なの…⁉」

 と、オイラたちが、口々くちぐちおどろきのこえげる!



 だって…! だって…⁉

「いや! それ!

 4機のヘリコプターかられたロープで、

 ヴァルロスを、空中くうちゅうってるだけやん…⁉」

 と、するどいツッコミを入れるミケさん!



「っスよね…?

 アレ…ヘリのロープでってるだけっスよね…?」

 と、おどろきのあまり、いちいち聞き返してしまうオイラ!

























「やっぱ、だよなぁ…。」

 と、シャルさんが言い、



なにかのねらいがってなのか…?

 しかし…せん…。」

 と、オイラたちと同じ、

 ハテナマークをかべるマリーさん。



いのであ~る!

 いのであ~る…‼

 これで、空戦能力をた、

 この吾輩わがはいのヴァルロスは、無敵となったのであ~る!」

 と、大仰おおぎょうに手を広げ、話すキョクトウさん……だったが…⁉























 ズキュゥーン‼



 マカロニさんのフェストゥングの大型レーザーレールキャノンが、

 この、かなりの距離がはなれた戦域の中で、

 4機のヘリからの一本のロープを冷静に射貫いぬく!



「あんですと…ッ⁉」

 と、4本のロープの一本を切っただけで、

 ヴァルロスがあまりにも巨体過ぎて、

 体制を崩し、スレイプニルに、

 不安定に不時着してしまう⁉

 


『す…推佐すいさァァァ…ッ‼』

 と、ダギナスのパイロットさんたちがなげなか



「例え、なにかの特殊な判断がったとしても、

 大型レーザーレールキャノンなら、

 超長距離ちょうちょうきょりから射貫いぬけ、こちらへの被害がおさえれると思い、

 ちましたが…。

 アナタという人は…!

 本当に救いようが無いですね、普段のアナタは!

 ヘリコプターで無理矢理にヴァールを空に飛ばす頭があるなら、

 ヴァール自身にローターを付けて、

 自力飛行できるようにすればかったでしょうが!」

 と、まくてるマカロニさん!
































「え…なに…コイツ…?

 強敵…なんじゃなかったのか…?」

 と、ソルファージュから、みんなに通信するレフィル君に、



「いやぁ…普段は…こう…頭パーなんやわぁ…。」

 と、ミケさんが歯切はぎわるい、



「まあ…いざって時は…い判断するやつだと思ってたんだが…。」

 と、しぶかおのケビンさんと、



「あ~。あはは…。

 これは…なんていうか…ひどいよね…?」

 と、かわいたわらいのユリンさん!



 その中で、

「クッ…! だが…!

 今日は、ヴァルロスの足にできるスレイプニルがるのであ~る!

 このスレイプニルをヴァルロスの足に使えば、

 ヴァルロスの長距離砲で、近寄ちかよてき殲滅せんめつであ~る!


 吾輩わがはいは、オマエたちを、このヴァルロスで倒す事で、

 上層部の評価をて、部下のみなさんたちに、

 もっとらしをさせてやりたいのであ~る!」

 と、キョクトウさんがえる!



「おお! 推佐すいさ!」


流石さすがです! 推佐すいさ!」

 と、キョクトウさんをたたえるダギナスのパイロットさんたちだったが…。





























 ズキューン‼



 またもや、

 マカロニさんのフェストゥングの、

 大型レーザーレールキャノンがき、

 今度こんどは、ヴァルロスの胴体部どうたいぶ着弾ちゃくだんし、

 相変あいかわらず堅牢けんろう装甲そうこうながらも、

 少なからぬダメージを与える!



「本当にバカですね、アナタは!

 GSギアシップにヴァルロスを乗せても、

 そんな状態じょうたいではヴァルロスの武器の射線軸しゃせんじくが固定されるのですから、

 縦横無尽じゅうおうむじんに動くボクらをとらえられるワケがないですし!

 そもそもに、このフェストゥングの大型レーザーレールキャノンより、

 ヴァルロスは射程が短いのですから、一方的に攻撃されるでしょうが!」

 と、まくてるマカロニさん!



「な…⁉

 吾輩わがはいがヴァルロスとスレイプニルの体制たいせいなおまえに、

 そんな超長距離ちょうちょうきょりから一方的にヴァルロスを砲撃してくるなど…⁉

 なんという鬼畜外道きちくげどう悪魔デビル野郎やろうなのか…⁉」

 と、驚愕きょうがくこえげるキョクトウさん!



『す…推佐すいさァァァァーーッ⁉』

 と、ダギナスのパイロットさんたちがなげなか



なんとでもっていただいて、結構けっこう

 こちらには…今日きょうというには…、

 ぬぐえぬうらみがあるのです‼」

 と、幻のシャケ弁を完食出来かんしょくできなかったうらみにれ、

 キョクトウさんをにらみつけるマカロニさん!



 それに対して、

「こ…こうなれば…ヴァルロスを乗せて…、

 スレイプニルで撤退てったいであ~る!

 きますよ! スレイプニルのみなさん…!」

 と、スレイプニルの乗組員にめいじる、キョクトウさん!





















 そこでさらに…‼





 ズキューン‼




 今度こんどは、スレイプニルの船首せんしゅ着弾ちゃくだんする、

 大型レーザーレールキャノン‼



「なぁ…ッ⁉」

 と、さらおどろくキョクトウさん!



「今、撤退てったいする…と言いましたね?

 オールレンジ攻撃があるはずのヴァルロスを使いながら!

 

 オールレンジ攻撃のあるヴァルロスを使うなら、

 そのオールレンジ攻撃で、

 遠距離から、ボクらをねらてばいだけのこと…。


 なのに、それを使おうともせず、

 いきなりげの一手いってえらぶということは、

 そのヴァルロスも、前回のヴァルロスと同じで、

 なにかの理由で、オールレンジ攻撃が使えないはず!


 もしやとおもい、この一手いってで、そちらの状態じょうたいを、

 たしかめさせていただきました。」

 と、その驚愕きょうがくのロジックを、淡々たんたんべるマカロニさん!






















『す…推佐すいさァァァァーッ⁉』

 と、ダギナスのパイロットたちがさらあわてるなか



「クッ…。

 前回の出撃しゅつげきで、

 潤沢じゅんたくもらった資金しきんで、

 完全再現したヴァルロスを使ったのに、

 オマエたちに負けたせいで、

 上層部から、予算を削られ、

 オールレンジ攻撃が付けれなかった事が、

 ここまで響くとは…!


 空戦能力をたヴァルロスの長距離砲でなら、

 オマエたちをケチョンケチョンにできるはずが…!


 吾輩わがはいの…うっかりミスで…、

 ヘリのロープでヴァルロスを、

 空中くうちゅうるすだけにしてしまったせいで…!」

 と、わざわざ説明してくれる、

 律儀りちぎなキョクトウさん!



「いや! そこ!

 うっかりミスのレベル、あきらかにえてるっしょ⁉」

 と、思わずツッコんでしまうオイラ!



『キョクトウさんの、うっかりは、

 あまりにも異常過いじょうすぎると判断はんだんします…。』

 と、38さんぱちも、驚愕きょうがくかくせない…。























「ほな!

 今日きょうのメインイベントとこうか?


 そのヴァルロスと、戦艦!

 鹵獲ろかくさせてもらう!

 ダギナスたちも、同上どうじょうや!


 撃墜げきついしたろう思って出撃しゅつげきしてたけど、

 ジェネラルギアも、戦艦も、全機含ぜんきふくめて鹵獲ろかくされる事で、

 オマエたちに、さら新統合しんとうごうの上層部からの信頼を無くさせて、

 職を失わせたる!


 アヴァドンのミケの名が、

 伊達だて酔狂すいきょうけられたアダナやこと

 オマエらに、キッチリ教えたる!


 戦艦ごと、マカロニに撃墜げきついされたくなかったら、

 今すぐ、全機、投降とうこうし!」

 と、ミケさんが言い、

 マカロニさんのフェストゥングも、

 再度さいど、大型レーザーレールキャノンをかまえをる!























 それに対し、

「クッ…!

 スレイプニルのみなさん!

 ダギナスのみなさん!

 吾輩わがはいかなら状況じょうきょう打破だはするので、

 ここは、吾輩わがはいめいき、

 みなさんのいのちしい!


 悪いが、ここは、ダギナス部隊、

 スレイプニルともに、

 神風特攻かみかぜとっこう‼」

 と、無茶苦茶むちゃくちゃことを言い出すキョクトウさん…⁉

 だが…⁉



「それが推佐すいさめいであれば!」


「ええ、推佐すいさねがうなら!」


我々われわれは、推佐すいさけます!」

 と、何故なぜか、そんな無茶むちゃめいなかでも、

 士気しきたかい、非常ひじょうどう試験しけん部隊ぶたいみなさん…⁉



くぞ! みなのモノ!」

 と、キョクトウさんがめいくだし、



『オー!』

 と、ダギナス2機を両サイドに、

 スレイプニルが、ヴァルロスを乗せたまま、

 本当ほんとう突貫とっかんしてる…ッ⁉



























「マジで…⁉」


本気ほんきかよ…⁉」


正気しょうき沙汰さたとはおもえん…。」

 と、オイラたちがおののなか



ちますか⁉ ミケさん⁉」

 と、マカロニさんが聞き、



突貫とっかんなんかしてても、

 相手は、あの数で、うちらは、この数!

 戦力は、うちらが圧倒的や!


 ここは全機でむかって、

 全機で、威嚇射撃いかくしゃげきや!


 フェストゥングの大型レーザーレールキャノンは威力がデカい!

 できるだけ、相手あいてへの損傷そんしょうおさえて、

 かってるアイツらを全機、囲んで鹵獲ろかくするで!」

 と、ミケさんがめいじ、



『ハイ!』

 と、答えるオイラたち!
























くであ~る!

 くであ~る…!

 くのであ~る…‼」

 と、せまる、スレイプニル!



「全機、威嚇射撃いかくしゃげき!」

 と、ミケさんの号令ごうれいもと

 KGナイトギア部隊と、ロボの威嚇射撃いかくしゃげきおこなわれるが…⁉




「よし! ここであ~る!」

 と、キョクトウさんが、いきなりヴァルロスをりる…ッ⁉





















「ま…まさか…ッ⁉」



「こ…これって…ッ⁉」



「またやりやがるのか…ッ⁉」

 と、トロイメンカッツェメンバーが戦々恐々せんせんきょうきょうとするなか




 ドカーン! ボカーン! バカーン!




 また、ヴァルロスが、トロイメンカッツェメンバーたちに、

 その巨体をオートパイロットでブツけて来ながら…、

 自爆して来た…ッ⁉



「ちょ…⁉ マジで…ッ⁉」

 と、うめくオイラや、



「マジかよ…⁉」



「こ…コレ…二度目にどめなんだよ…⁉」



「な…なんて威力だ…⁉」



「空を飛んでたスザクですら、

 装甲そうこう中破ちゅうはした…⁉」



「おい! ロボの装甲そうこうなんかやられてねぇか⁉

 ロボは、装甲そうこうは、かたいんじゃなかったのかよ⁉」



「ゲンブですら、小破しょうはだぜ…‼」



「クッ…!

 まさか…ソルファージュの眼前がんぜんせまるまで突貫とっかんしてての、

 ヴァルロスの、再度さいど自爆じばくやなんて!」

 と、驚愕きょうがくみなさん!


























CAPASカパース! フルドライブ!』

 と、げる38さんぱち…⁉



 シュタイガーンバオアーも、フルドライブ発動状態はつどうじょうたいまで、

 装甲そうこうをやられた…ッ⁉




「クッ…でも…フルドライブになった、

 シュタイガーンバオアーなら…!

 戦艦の足止めくらい!

 だから…相手の戦艦を鹵獲ろかくしてやって…!」

 と、意気込いきごみ、スレイプニルに走るオイラだった…が…ッ⁉



「今であ~る!」

 と、スレイプニルの甲板かんぱんるキョクトウさんがめいじたかと思うと、

 スレイプニルの両サイドのダギナスが、

 シュタイガーンバオアーに牽制射撃けんせいしゃげきをしつつ、スレイプニルに帰投きとう

 さらに、スレイプニルが、

 こちらにミサイルのあめらしながら、急速後退きゅそくこうたいしてく…ッ⁉



「オイラは、今、『もっと見える』んだぞ…ッ⁉」

 と、突然の攻撃にも、『もっと見える』ために、

 ダギナスのライフルはPBLHピブレハなんなくふせぎ、

 ミサイルも、レーザーバトルアックスで、なんなくはらうが、

 その動作で、動作遅れが発生し、スレイプニルを見逃してしまう…⁉



「クッ…そんな……す……ッ⁉」

 と、さけぶオイラだったが、あとまつり…。



 CAPASカパースのフルドライブでの、『もっと見える』状態じょうたいで、

 いままで、この状態じょうたいときは、

 全ての全てが見えるような感覚だったとは言え、

 それは本当は、

 戦闘時の1秒先くらいの未来が見えるような感じなだけで、

 一戦闘いちせんとうレベルでの戦いを未来予測するだけで、

 戦術せんじゅつレベルの戦いを未来予測するモノではなく、

 全ての未来が見えるワケではない…。

 それを…思い知らされた…。




























「アレやね…。あの早い動作…。

 アイツ…暗号通信で…事前じぜんに味方に…、

 さっきの動きをする事をめいじてて、

 アイツらは、演技してたって事やね…。」

 と、疲弊ひへいした表情ひょうじょうのミケさん…。



「テメェ! ふざけんなよ⁉

 アヴァドンのミケの名を、

 知らしめるんじゃなかったのかよ⁉

 オマエの命令のせいで、

 オレのロボが傷付きずついちまっただろうが⁉」

 と、理不尽りふじんに、怒り心頭のレフィル君だが、



「いや、アレは仕方しかたねぇぜ!

 このヒーローのオレでも予測できねぇ動きだったし!」

 と、相変あいかわらずのべんなりに、仲裁ちゅうさいはいるガンツさんと、



「バカは、ともかく、

 本当に、アレは仕方しかたない。


 まさか、あそこで、ああ来るとは、

 私にも予想が出来できなかった、

 オマエも、それが出来できなかったから、

 素直にミケの指示にしたがったのだろう?


 ならば、アレは、あの相手あいてが、

 オマエや我々われわれより、一枚上手いちまいうわてだったということだ。

 もうぎたこと仕方しかたないとあきらめろ。」

 と、相変あいかわらずのクールビューティーなマリーさんと、



「ま、ガンツはバカで、

 マリーの言い方は、ちょっとキツかったが、

 ホント、仕方しかたなかったって。

 マリーじゃないけど、ここはあきらめようぜ?」

 と、シャルさんがさとし、



「そうだよ。

 あのダメな、ヘリのロープの一件いっけんあとに、

 あの動きなんて、誰も予想できないよ!」

 と、ルイリーさんもさとしてくる。




「チッ!

 ハイハイ!

 かった、かった!

 じゃあ、ロボの修理、きっちりしろよ、

 マカロニってやつ!」

 と、キレながらに言うレフィル君。

























「でも、ホント、バカな人なのに、

 突発的な判断能力だけは怖いよね、あの人!」

 と、ユリンさんが言い、



「だなぁ、あの判断能力は、正直、

 てきまわすと、厄介やっかいだよなぁ…。」

 と、言葉ことばにごすケビンさんと、



「判断能力だけでなく、

 メカニック能力も、ぐんいています。

 この短期間でのヴァルロスの作成…。

 例え、オールレンジ攻撃を付けなかったからにしろ、

 異常だと判断しますね…。」

 と、マカロニさんが、身震みぶるいする。



「まあ、とにかく、ソルファージュに戻ろう。

 被害が大きすぎるよ…。」

 と、ライさんも、こえかす気味ぎみになっている…。



「やね。

 今回は、うちの判断ミスもあったかもやけど、

 相手が一枚上いちまいうえやった…。

 相手をあなどった事…みんな…ごめんやで…。

 ほな、とにかく、ブリッジに戻るで!」

 と、ミケさんがびつつ言い、



『ハイ!』

 と、みんなが答えた!




























 そして…。

ひど被害状況ひがいじょうきょうですね…。」

 と、ブリッジにがってたオイラたちに、

 セリアさんが言い、



「ソルファージュも、装甲そうこうの一部が損傷そんしょうしちゃったよ…。」

 と、リッドさん…。



「そのうえで、KGナイトギア部隊とロボは、

 全機が小破以上しょうはいじょうで、ほぼ全機が中破ちゅうは…か…。

 いたい戦闘だったな…。」

 と、バーダック艦長…。





「まあ! とにかくや!

 可哀かわいそうやけど、

 今後こんごに、敵がまた攻めて来た時の事を考えて、

 マカロニには、いったん、めしつづきはあとにしてもらって、

 フル稼働でKGナイトギアたちとロボとソルファージュを修復してもらう!

 ゴメンな…マカロニ…。」

 と、マカロニさんに頭を下げるミケさん。



「いえ、これがボクの仕事ですからね。

 それに、メカニック作業は大好きですしね。

 ただ…幻のシャケ弁の続きが遅れるのは…。

 正直…あのキョクトウさんに…怒りがきますね…。」

 と、怒気をはらむマカロニさんが、



「決めました!

 あの人が、ボクを、勝手にライバルと思うようになったように、

 ボクも、あの人を、ライバルとさだめようと思います!

 それに、きっと、あの人は…。」

 と、けるも、



「いえ、それはいですね…。

 とにかく、修復作業!

 まかされましたよ!」

 と言って、ほこおさめて、Gギアデッキにかってくれる。



「マカロニ…。」

 それを、可哀かわいそうに見送みおくるミケさん…。

































 ああ、天国の父さん、母さん、

 せっかくの幻のシャケ弁を味わえる…この日に…。

 オイラたち…けながらも…。

 内容的に…ほぼ黒星くろぼしいたです…。


 オイラも、幻のシャケ弁を味わう続きが遅れたせいで、

 幻のシャケ弁の味が落ちたのがくやしいですが…。


 あのキョクトウさんは、本当に強敵です…。


 マカロニさんが、怒りに燃え、

 キョクトウさんをライバル認定し返しましたが、


 つぎあいまみえるときは、このシャケ弁のり…。

 オイラも…必ず…返します…!


 天国の父さん、母さん、

 そちらで…見守っていて下さい…ッ‼

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G.B.S(グレーター・ビースト・サーガ) 皆木 亮 @minakiryou

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