第12話
「
と、ソルファージュの
あの
「まあ、
大丈夫。ロクスリー君は、ちょっと
全然、
と、ミケさんがオイラに応援の言葉を掛けてくれるが、
「あ…え~っと…そうだと…
と、どうしても、オイラで本当に大丈夫なの⁉と、
今までのオイラの戦いの状況から
歯切れ悪く未だにズーンと沈むオイラ…。
「大丈夫、じょぶ、ロクスリー君の腕はともかく、
シュタイガーンバオアーの
ホントに凄そうなんだし、きっと何とかなるよ!」
と、本末転倒な応援を送って来るユリンさん…。
「あ~…アハハ…そうっスよね…。
オイラの腕は、ともかく、っスよね…。」
と、
「あ~! もう、何言ってもダメだと思うな!
自信を持てっていうのが無責任かもだろうけどよぉ!
やらなきゃ行けねぇんだから仕方ねぇだろぉが!」
と、
「まあ、どうあれ、
先生の
足並みを揃えて行かなければなりませんしね。
ロクスリー君だけが戦う訳じゃないですし、
カルナダが協力してくれる分、
ロクスリー君の負担も減ると思いますよ。」
と、いつも通り、冷静沈着なマカロニさん。
「でも、それよねぇ、あの人が一緒に戦えって言うけど、
そのカルナダってとこ、本当にアテになるのかな?」
と、ユリンさんが、
「だよなぁ。
レジスタンスで、
オレら、5機持ってるし、そいつら1機だけだし、
と、ミケさんに問うケビンさん。
「まあ、カルマのおっさんが用意した相手やったら、腕は確かやろう。
ロクスリー君をシュタイガーンバオアーに乗せて、
戦闘データを取らせてる時点で、お古の、うちらの
シュタイガーンバオアーとロクスリー君のデータは取りたいみたいやし、
あのおっさんは、ロクスリー君が撃墜でもされたら困る立場なんやろうし、
ワザワザ、
自分たちがスポンサーなんがバレて、
自分たちも危ないんやろうし、何かしらの勝算が無いんやったら、
挑ませるような相手や無いやろう。
まあ、カルナダいうとこの戦力が、どの程度かは、
着いて見てのお楽しみ、言うワケや。」
と、相変わらず、
「へいへい。
ま、せいぜい、カルナダってとこが、
足引っ張らないでくれるのを期待しますよ。」
と、軽口を叩くケビンさん。
そこで……。
「リーダー、目標地点に到着しました。
と、セリアさんの通信が来る。
「ってワケや!
行くで、みんな!
出撃しても、みんな直ぐに動かず、しばらく待機するけど、
うちとケビンが先行!
ユリンとマカロニは中衛で、後方支援!
ソルファージュは
ロクスリー君はソルファージュに
と、
「了解だ、
「リーダー、了解だよ!」
「了解です、ミケさん!」
「ミケ、了解だ!」
と、各自が了解の意を
「おお!
オイラ、
ミケさん! 了解っス!」
と、
大感激のオイラ!
「いや、オマエも、待機でも
ケビン=ブロッサム! 出撃するぜ!」
「まあ、ロクスリー君の、
いつものダメっぷりは置いといてと。
ユリン=エメラルド、出撃するよ!」
「まあ、このロクスリー君のダメさが、
相手を油断させて、
ともあれ、ロイド=ノーマン! 出撃します!」
「
出撃はするけど、まずは、
カルナダが
ケビン、ユリン、マカロニ、おっさん、ロクスリー君、
今日からの戦闘は厳しいもんになるやろうけど、
ミケ=スターライト、出撃する!」
と、
「りょ…了解っス!
しゅ…周辺の警戒かぁ…。
こっちに来ないでくれると助かるんスけど…。
こ…来られたら……って考えると怖くなるから…。
と…とにかく出撃っス!
ロック=ロクスリー! シュタイガーンバオアー! 出ます!」
と、オイラも出撃し、
そこで、
「うん? どうした? 通信が乱れている?」
と、目標の
ダギナスたちとは違う、
こげ茶と黄土のカラーリングの重量級の
それに乗った、青い制服の、
静かな声音ながら、強い凛とした感じがする声の、坊主頭の人が、
ミケさんたちの仕掛けたジャマーのせいで不通になった通信の為、
オープン回線で他の
その部隊は、演習部隊という事でか、
前の、アルセカーナでの50機もの部隊の占領部隊と違って、
10機ほどの少数の部隊だった。
「ハッ! ザイル少佐!
何者かがジャマーを起動させた模様です!」
と、答える
「ふん。大方、どこかのレジスタンスか。
未だに、我ら、救い人たる
だが、その様な
我らの救いに気付く様に、教えを広めるのも、また
と、
と、そこで…。
「自分たちの
オマエたちの様なダメな奴らが、グランヴァルニアに
ティアナが
と、カルナダの
栗色の髪で、ショートのマッシュルームヘアーの、ショートマッシュ。
青のジーンズに、黒のクロース、赤のジャケットという出で立ちの人が、
オープンチャンネルでザイル少佐に対して怒りを
見た事の無い、中量級の黄色い機体を先頭に、
ゲズやジーナやガトナスやザヌスなどの
進撃して行く!
「フ…ッ。
だが、我らと
自分たちの考えの浅はかさ。
そして、グランヴァルニア様の
貴様たちも、撃墜され、捕虜になれば、
どんどん知って行く事になろう!
私は後方で
さぁ、
真の救済を行ってやるのだ!」
と、相変わらずの
カルマさんの考え通り、南から展開して来るカルナダに対抗して、
取り巻きを残し、
自身は北側で待機するザイル少佐。
「そうやって、自分は先陣を切らず、
部下に面倒な事は任すなんていう
ボクたちカルナダは、負けてやれない!
みんな! 頼むよ!
ライコノフ=エギータ!
この先制打で! コンテナミサイル!」
と、
まずは
と思ったら…ッ⁉
「な…何だ…ッ⁉
撃って来たミサイルの中から、複数の小型ミサイルが…ッ⁉」
小型のミサイルが100機以上、出て、
ザイル少佐と、その取り巻き以外の、
南側に展開した、部隊の全てに降り注ぐ…ッ!
「クッ…!」
「うわぁぁぁぁーーーッ‼」
「こ…こんな数…ッ⁉」
…だったんだけど……ッ⁉
「あ…アレ…?」
「なんだ…? 大した損傷が無いぞ…?」
と、見た目の派手さに反して、
「フッ…。
やはりレジスタンス
と、
「今のは挨拶代わりだ!
これから、オマエたちは、本当の地獄を見る事になる!」
と、仲間の
ミサイルやレーザーライフルなどの援護射撃を背に、
「クッ…!
たかがレジスタンス
と、
逆に
それを、カルナダの
ザヌス隊が大型バズーカ等を撃ちつつ、
その中でガトナスたちが接近し、
さっき
両者、混戦の態を見せ始めた……んだけど…‼
「チッ…!
何だと言うのだ…!」
「向こうのミサイルは普通に飛んでくるのに、
私たちのミサイルだけ、何か、ちゃんと相手に飛ばないモノがある…⁉」
「それに、相手に飛んでも、
「何なのだ、この戦場は…⁉」
と、ミサイルの
ミサイルの
あの高出力レーザーライフルを使い始める
どうなってるのかは
お陰で、あの高出力レーザーライフルを使い始めた恐怖はあるけど、
本気を出した上で、
あの
何か、戦い慣れていらっしゃる
なんて頼もしい!
「チッ…。
レジスタンス
ガトナスに回り込まれたり、
ザヌスに
と、さっきの危険な
意外とマトモな指示を出す、ザイル少佐!
「
ガトナス隊は、もっと切り込んで!
ザヌス隊! 砲撃の手を緩めないで!」
と、叫んだかと思うと、
左肩部のレーザー砲っぽいのを発射する!
「クッ…!
パルスレーザーか…ッ⁉」
「チッ…後方のザヌスの砲撃も厄介だな…‼」
「
と、さっきの折角のザイル少佐の指示が、
だったんだけど…ッ!
「クッ…舐めるなよ、レジスタンス!」
と、
自陣に切り込んでくるガトナスのうち1機を、
レーザーライフルで
逆に近づきレーザーソードで腹部を
「くぬぅ…ッ‼」
と、ギリギリでレーザーソードを
「それで終わり程度なら、
と、小型マシンガンを
ガトナスに切り込んだダギナスの1機に
バルカンで
相手のレーザーライフルを持つ右手を切り裂き、
そのまま右回し蹴りで吹っ飛ばしつつ、
左外腕部からグレネードミサイルを放って、
ダギナスの1機を撃墜する…ッ‼
その間に、カルナダの後方支援のザヌスのミサイルとバズーカの
突っ込んだガトナスの他の、ゲズやジーナ隊の斬り込みも行われ、
その洗練されたカルナダ部隊の攻撃に、
「こ…コイツら…ッ‼」
「思った以上にヤル…ッ‼」
「だが…ッ‼」
ザイル隊も、
超高性能量産機の意地で…ッ!
「クッ…オレのガトナスの左腕が…ッ!」
「こっちも、メインカメラがやられた…ッ!」
と、目くらましの
レーザーライフルとレーザーソードを果敢に使って、
どんどんと、カルナダの戦力を削って行き、
戦場は、
「クッ…。
レジスタンス
と、ザイル少佐が
そこで…‼
「今だ!
ほとんどの部下たちは、こっちに引きつけた!
今からなら、君たちが作戦通りに
コイツらは、ザイル少佐の救出に間に合わないはずだ!
武運を祈る!」
と、
「OKや!
みんな! 行くで!
と、ミケさんが指示を出し!
『ハイ…ッ‼』
トロイメンカッツェ部隊の全員が声を合わせる!
「クッ…!
レジスタンスたちめ!
グランヴァルニア様の
トチ
と、
「クッ…交戦中のダギナス隊!
至急、私のボーデンの下に戻れ!」
どうも、ボーデンというのが、ザイル少佐の
焦りの色を見せながら、交戦中のダギナス隊に
「やらせるか!
ここで食い止めるんだ!」
と、
「オマエたちには、ここで釘付けになって
と、レーザーブレードをはためかせ、
手負いなれど熟練の腕のガトナス隊が後ろから迫り、
その後方からザヌスが砲撃を続ける!
「クッ…!」
「行くぜ相棒! アリーエルスラスター!」
と、アリーエルスラスターからの
先陣を切るケビンさんのラーゼンレーヴェ!
「チィ…ッ!」
と、ザイル少佐が、ラーゼンレ-ヴェの超加速攻撃を前に、
「このボーデンを舐めるなよ!」
左腕からレーザーシールドを展開し、
右外腕部の
防御しきれる、あのボーデンて
あの攻撃に反応できる反応速度も凄い…ッ!
ザイルさんの腕が、凄いのは分かったけど、
あの機体、重量級なだけじゃなく、
重量級の上で、強襲型だったんだ…ッ‼
「でもやなぁ…ッ!」
と、ミケさんのタイニーダンサー追い付き、
既にチャージしながら進軍していた様で、
トライバレルのチャージレーザーで、
短距離誘導水平ミサイルランチャーポッドを撃墜した上で、
トライバレルのバレットでボーデンを追撃し、
「お楽しみはこれからだぜ…ッ‼」
と、ケビンさんが
「クッ! だが…ッ!」
と、レーザーシールドの連続展開をするザイル少佐だが…!
「その隙を見逃す程、ボクは甘くないですよ?」
と、マカロニさんが
ザイル少佐のボーデンに砲撃し!
「そそ! ユリンちゃんも混ざっちゃうし!」
ユリンさんも
「セリア! ソルファージュ、敵部隊に
「了解!
ソルファージュの援護射撃までオマケで付いて来る!
「しょ…少佐…ッ!」
「わ…我々が盾に…ッ!」
と、ザイル少佐の周りの取り巻きのダギナスの方々が、
身を挺してシールド防御し、ザイル少佐のボーデンへの被弾を防ぐ代わりに、
自分たちの機体が被弾する…ッ!
「お…オマエたち…! クゥ…ッ!」
と、部下たちに指示の声も出せないザイル少佐…!
「これは楽勝になりそうだね!」
と、ユリンさんが喜び、
「相手は機体も人員も悪くねぇが、
うちの戦術勝ちって奴だな!」
と、ケビンさんも勝ち誇る!
「まあ、運が悪かったと思って、
諦めて、撃墜されて下さい。」
と、マカロニさんも宣言し、
「オマエたちも、相応の覚悟があって、
こういう状況もあるって知れて
と、バーダック艦長が言い、
「オマエらはオマエらで、
背負ってるモンがあるんかもやけど、
うちらも負けれへん
悪いけど、勝たせて
と、ミケさんのタイニーダンサーが、
ボーデンに向けて、トライバレルを構える!
でも…そこで…ッ!
「リーダー!
ソルファージュ後方、北部より、
うち1機は未確認の機体ですが、他の機体はダギナス!
と、セリアさんから恐怖の伝達が来る…ッ⁉
「えーーーーッッ⁉
ソルファージュ後方、北部って言ったら、
今、オイラしか
と、
「な…ッ⁉」
「クッ…‼」
「ど…どうなってんのコレ…リーダー…⁉」
と、トロイメンカツェの
「まさか…。
読まれてたのか…?
この作戦が…ッ⁉」
と、この
「これは、これは、ザイル少佐!
先程は、私のブレンネンが、整備不良を起こし、
整備が終わるまで待って頂きたいと言い、
整備後に、改めての演習を、
そちら様の意気を組まず申し込み、
不快な想いをさせて申し訳ありませんでした。
こうして、マシントラブルの修理まで、
これ程の長い時間を掛けてしまったせいで、
意図せず、この
どうか、遠慮なさらず、我々を
共に、レジスタンスを破ったとなり、
我々が事態を打開した上での撃墜なれば、
勝利後には、私たちメイフェス隊の、
撃墜記録が輝く事になるでしょうが、
どうか、私を待たなかった事を思い悩まず、
気軽に、我々と組んで頂きたい。」
と、赤と黒のカラーリングの中量級っぽい
メイフェスとかいう、赤い制服で、
亜麻色の髪のショートモヒカンという、
目立つ事、この上ない髪型の人が、
つらつらと恨み深い、ネチネチした物言いをする…ッ⁉
何、この展開…ッ⁉
たまたま、メイフェスさんって人の
マシントラブルで、演習に参加できなかったから、
今、遅れて着いて、逆にオイラたちを
「フン…。
そのまま、マシントラブルで演習に参加できぬままで、
以降に、この様な実戦が無ければ、
オマエたちの方が、
だが、協力には感謝する。
今直ぐ、その母艦と、その周辺の1機だけの
と、ザイル少佐が、言ったかと思うと…!
「フッ…。
相変わらず、お
存分に、お見せしましょう!」
と、メイフェスさんという人を筆頭に、
10機ほどのダギナスが、こちらに向かって来る…ッ⁉
「ど…どど…どうしましょう…ミケさん…ッ⁉」
と、
「
と、ケビンさんも
「私とマカロニだけでも下がった方が
と、ユリンさんも、ザイル隊に砲撃しつつ聞き、
「そ…そうですよ…! ミケさん…!」
と、マカロニさんも、砲撃で追随する中、
「ロクスリー君!
そのまま、
と、ミケさんがムチャ言い出した…ッ⁉
「えーーーーッッ⁉」
ミケさんのムチャ振りに、
「な…ナニ言ってるんですか…
と、ケビンさんも、同じ反応で、
「ロクスリー君は、スペシャルっぽいって言っても、
まだシュタイガーンバオアーも
そんな中で、ロクスリー君に、単独で戦えなんて、
リーダー、それはムチャじゃない…ッ⁉」
と、ユリンさんも、
「そ…そうですよ…ミケさん…‼ それは、ムチャ過ぎですよ…‼」
と、マカロニさんも
「せっかく、カルナダが、戦力を削ってまで追い込んでくれたのに、
ここでザイル少佐を逃したら、
ザイル少佐は、うちらがきっちり撃破するんや!
それに、こういう
うちは、仲間を信じたい!
悪いけど、ロクスリー君にも、みんなにも、頑張って
と、ミケさんが、オイラにも、
「クッ…! ロクスリー! 何とかしろ!
本当にスペシャルだったオマエなら何とかできる…ッ!」
と、ケビンさんもムチャ振りして来る…⁉
「もう…リーダーは、言い出したら聞かないんだから!
ロクスリー君! もう一人で何とかするしかないよ!
こっちはこっちで頑張るから、とにかく頑張って!」
と、ユリンさんも…ッ⁉
「とにかく、完全なデータは取れてませんが、
シュタイガーンバオアーと、
ロクスリー君が
状況証拠が
後は、
と、マカロニさんまで…ッ⁉
「まあ、みんな、オマエに期待してるってこった。
と、さっきまで無口だったバーダック艦長までですか…ッ⁉
「何だ? あの機体の
と、迫りつつ、
こっちのオープンチャンネルの通信を聞いてたメイフェスさんが呟く。
それに対し、
「大尉、軍のデータベースによりますと、
この
指名手配されていた、トロイメンカッツェという
アルセカーナの自警団たちの証言から、
そのトロイメンカッツェのトップエース機は、
カラフルな色合いのカスタムされたゲズとの事。
その様な機体が、今、出撃しておらず、
他の機体は、タイニーダンサー、ラーゼンレーヴェ、
エンジェルシード、フェストゥングと、
データベースに既に存在する機体ですが、
あの、
と、何か、嫌な予感のする事を言い出してる…ッ⁉
「ほう、トロイメンカッツェのタイニーダンサー。
あのアヴァドンのミケとかいう…。
その上で、他の機体がトップエース…と。
つまり、あの
カスタムゲズに乗っていた、トップエースだという事だな?」
と、メイフェス大尉の目が光る…ッ⁉
「ハッ! 間違い
と、答える部下のダギナスの方…⁉
「よし、オマエたちは近隣で待機!
アヴァドンのミケを超えるというトップエースは、
私が、このブレンネンで一人で落とす!
さぁ、オマエたち
見せて
と、やる気マンマンのメイフェス大尉…ッ⁉
「イヤイヤイヤイヤ!
オイラなんか、ホント、
ホント、狙う価値なんて全然無いっスから!」
と、全力でイヤイヤするオイラに向けて、
「まずは小手調べだ!」
と、メイフェス大尉のブレンネンとか呼ばれた機体が、
標準型の
水平方向に飛ぶ、
「ク…ッ! よ…避けなきゃ…ッ‼」
と、とにかく回避の為に、思考を集中しなくちゃ…!
と…想ったのに…!
思った矢先に…‼
ズデン…ッ!
「何だ…コイツ…⁉」
メイフェス大尉が
豪快に
「あ…く…うぅぅ…。
だから、オイラなんかだけじゃ無理って言ってるのに…ッ‼」
と、何とか起き上がり、
「でも、でも、
ここで
だから…オイラは…ッ‼」
と、レーザーライフルを乱射するオイラのシュタイガーンバオアーだが、
「陽動の、つもりなのか⁉
何か狙いがあると言うのか…⁉」
と、明後日の方向に飛ぶ、オイラの射撃に、
逆に動揺するメイフェス大尉だったが、
「まあ
と、左外腕部の小型のマシンキャノンを掃射し、
そのシールドの中からレーザーランチャーを放つ!
が、オイラのシュタイガーンバオアーが
牽制のはずのマシンキャノンが、全弾、
本命のレーザーキャノンは、
回避地点を読もうとして放ったみたいで、
逆に、外れてしまう!
「くぅ……。
でも、この
ずっと、見えてはいるんだ…!
でも…オイラの思考通りに動くのがダメ過ぎて…!
くぅぅぅ……ッ!」
と、
「ほう、私の動きが見えるのか?
今のも、
本命の射撃を外したと?
フン!
では、本当なのか調べる為に体育の授業を始めよう!」
と、メイフェス大尉のブレンネンが
シュタイガーンバオアーの前に立ち、
右拳で頭部を殴り、
左拳で腹部を叩き、
右回し蹴りで、
シュタガーンバオアーを吹っ飛ばした…ッ⁉
「グゥゥ……ッ‼」
相手も
殴られただけだから何とかダメージも少ないけど、
こんなにやられっぱなしなんて……ッ⁉
「フン…。
どうやら見込み違いのクズだった様だな。
オマエたち、コイツは、どうでも
私はザイル少佐の援護に回る。
オマエたちは、この
こいつ等の、この母艦を沈めておけ。」
と、部下のダギナス部隊の
「了解です、大尉!
では、行くぞ、
と、部下のダギナス隊の方々が、シュタイガーンバオアーを囲む…ッ!
「クッ……何とか持ちこたえて…、
ソルファージュを守らないと…!」
と、レーザーライフルと
相変わらず、全然違う場所に飛びまくる…ッ⁉
「この相手…本当に
「本当に
と、
「クァァァ…ッ‼」
と、ミサイルを
機内の振動に、
『マスター!
シュタイガーンバオアー内の
マスターの
現状、マスターの思考は、機体を無駄に動かすように、
雑念が多く混じり過ぎています!
ですから、
マスターの
現状のマスターの本当に取りたかった行動を取れる様に補正する事を提案します!
その上で、
私の中と機体の中、両方に
競合し、不具合を起こす可能性がある為、
私の中に取り込む
シュタイガーンバオアー内の
と、この絶望的な時に、
長ったらしい、何か、
「何でも
と、叫ぶオイラ!
『了解です! マスター!』
と、答える
「メイフェス大尉は
これ程の
気は抜けんな…!」
と、レーザーライフルを掃射し始めるダギナス部隊の
「クッ……
と、
防ぐ位置に
数発が、胴体部に着弾し、機体が揺れる!
「
やはり…何かあるのか…ッ⁉」
と、
「とにかく、何かある相手でも
ここは
と、ダギナス隊の
再度、レーザーライフルを
「クッ…見えるのに!
見えた通りに!
本当に動かしたい通りに…動いてくれよ…ッ‼
シュタイガーンバオアー……ッッ‼
クゥッ……
と、この最悪の状況の中、
何とか自分の本当に動かしたい様に、
『
シュタイガーンバオアー内の
マスターの脳波の補正!
完了しました!』
と、
「な…何だ…ッ⁉」
ダギナス隊の方々が、こちらに
シュタイガーンバオアーの、オイラの
全弾、弾いた…ッ⁉
「え……あ…ッ⁉」
と、
今までの、オイラの動かしたい通りに動かすのに、
逆に、オイラの動かしたい動きに過敏に動き過ぎて、
本当に動かしたい通りに動かない状況から、
自身の、本当の本当にイメージする、
動かしたい通りに動かせた事に、
逆に動揺するオイラに、
『マスターの脳波は、私が補正してます。
さあ、マスター!
マスターの思うままに、動いて下さい!』
と、この動きは、
何か
こ…これは…ッ⁉
「そんな
早く片付けて、奴らの母艦を叩け!」
と、ユリンさんたちの方に向かってたメイフェス大尉が立ち止まる!
『ハッ…!』
と、答え、
「な…何かの間違いなのか…?」
「今までの動きと違うが…?」
「さっきまでは、確かに
と、
シュタイガーンバオアーに掃射するダギナス隊の
「クッ…! じゃあ…!
見えてる通りに動かすぞ、
補正っての、頼む!」
と、オイラが言い、
『イエス! マスター!』
と、
「クッ…
と、飛んできたレーザーライフルを
「見えてるオイラの、思う通りに本当に動くのなら!」
と、
一番、間近のダギナスを、バルカンで
バトルアックスで殴打し、右回し蹴りで蹴り飛ばした上で、
近寄って来る1機を、左手の
相手が、シュタイガーンバオアーを囲んでいた為、
オイラに回避された味方のライフルに当たり、
囲んで
「な…何だ…⁉ 何なんだ…ッ⁉」
と、
「な…何なのだ…アイツは…ッ⁉」
と、ザイル少佐も、
「やっぱし、オマエはスペシャルだよ、兄弟!」
と、ケビンさんが声を掛けてくれ、
「ホラホラ!
ロクスリー君とシュタイガーンバオアーは、
やっぱり相性バッチリなんだよ!」
と、ユリンさんが喜び、
「これは…。
確かに…こういう補正の仕方もありましたね…。
流石です、
と、オイラより、補正ってのをしてくれた
「何にしても、コレは助かるぜ!
ロクスリー! ソルファージュ周辺の後方の敵は頼む!
ソルファージュは、引き続き、ザイル小隊に艦砲する!」
と、バーダック艦長が言い、
「まあ、こういうパターンとは正直、思ってなかったんやけど、
さぁ、反撃の時間やで、ロクスリー君!」
と、目を輝かせて話すミケさん!
「え~い! そんな
と、明らかに動きがさっきと変わったはずのオイラの動きを見ても、
自身が
ミケさんたちの方に行くのを辞めて、
こちらに戻って来て、今まで使わなかった左肩部のパルスレーザーを照射しつつ、
「今のオイラは! 見えた通りに対処できるんだ! この程度…ッ!」
と、ミサイルを誘導して、相手のパルスレーザーの射程の中に入り、
実質的に自機に当たりそうな場所だけ、
ミサイルを、無駄に撃たれたパルスレーザーの
時間差で来たランチャーも、きっちり、
オイラのシュタイガーンバオアー!
「ミサイルを、同時に放ったパルスレーザーで、同士討ちさせるだと…ッ⁉」
と、驚きの声を上げるメイフェス大尉に、
「今の、見えた通りに動けるオイラなら!」
と、
それをレーザーライフルで撃ち抜き!
「ミサイルを
「食らえよ…ッ‼」
と、
「ここからだぞ…ッ!」
頭部のメインカメラがやられ、
動きの鈍ったブレンネンの左右の腕部を、
レーザーライフルで狙い撃ち、次々に無力化して行く!
「クッ…それでも…ッ‼」
と、最後の意地とばかりに、
「今のオイラは! こういう事だって……出来る…ッ‼」
と、ブレンネンの前面に位置していたオイラのシュタイガーンバオアーが、
ブレンネンの頭部の
そのせいで、
その、ほぼ全弾が腹部に集中して当たり、
ブレンネンの腹部がむき出しになる…ッ!
「そ…そんな…事が……ッ⁉」
と、
「このまま投降しろ!
オイラの思い通りに動くから!
逆に、手加減が効かないかもしれないぞ!」
と、レーザーライフルをチャージしながら、
メイフェス大尉に勧告するが、
「クッ……! 私が…!
と、振り返り、シュタイガーンバオアーに右前蹴りを放つブレンネン!
「この…! 分からず屋が! だったら!」
と、回避しつつ、バルカンで、
「コイツが本命だ!」
と、ブレンネンの腹部の中にレーザーライフルを突っ込み!
これが…! ゼロ距離射撃どころかの…!
「マイナス距離射撃だ…ッ‼」
あのザ・パーフェクトのシュメルも
チャージレーザーでのマイナス距離射撃で、
銃撃した反動でブレンネンの中でライフルが破損しつつも、
ブレンネンの腹部を貫く、オイラのシュタイガーンバオアー…ッ!
「私は……
いつから私は……敵のトップエースと戦っていたんだ……ッ⁉
クッ……ブレンネン……マルム=メイフェス……脱出する……ッ‼」
と、自身の驚きを感じさせる捨てゼリフを残して、
ブレンネンの胸部脱出ポッドでメイフェス大尉が脱出する!
それを見て、
「あの機体を
クッ……だが、レジスタンスと
正規の部隊たる我が隊に、そうそう敵うモノではないと教えてやる……ッ‼」
と意気込むザイル少佐。
だが、メイフェス大尉のブレンネンの撃墜に、
メイフェス小隊の残りの部下たちは…!
「メイフェス隊長を撃墜する様な化け物に、
私たちが勝てるワケがないじゃないか…ッ‼
に……逃げるぞ…ッ‼」
と、逃走する。
「バカな…ッ⁉ ここに来て敵前の逃亡など……ッ‼」
と、
だが、ここで!
「みんな、そろそろ
これが
たった1部隊を叩くための戦闘に、これ以上の
陽動は十分にやった! あとは
と、
「
と、ミケさんが、
「まあ、うちにはスペシャルな兄弟も
と、ケビンさんが指を突き立て、
「そそ!
ユリンちゃんたちも
と、ユリンさんがウィンクし、
「後は、我々、トロイメンカッツェに任せて下さい!」
と、マカロニさんも答え、
「まあ、色々あったが、ここまでくりゃ何とかなるだろ!
キッチリ任されたぜ!」
と、バーダック艦長も言う。
「ありがとう!
と、
「クッ……!
だが、レジスタンスが
と、ザイル少佐が叫び!
タイニーダンサーに向けて、背部垂直ミサイルを発射し、
右肩部のロケットランチャーを発射しつつ、
レーザーライフルも同時発射!
「残念ながら、
と、
ロケットランチャーに向かわせ相殺し、
ミサイルを、ギリギリの位置で
「クッ…! だが、ここは!
ここは何とか! 少佐を守るぞ!」
と、カルナダと交戦していた、
ザイルさんの部下のダギナス隊の
ミケさんたちの所に何とか駆け付け、
「その程度がどうしたよ…‼
オレの相棒のチャージレーザーなら…‼」
と、ケビンさんのラーゼンレーヴェの、
撃たれたミサイルのほとんどが無力化され!
「
と、タイニーダンサーが、トライバレルをチャージし、
「了解です、
ラーゼンレーヴェも、再びレーザーをチャージし、
『
いつもの、あの、合体攻撃が放たれる…ッ‼
「アアッ…‼」
「レジスタンスとの交戦での損傷個所に…ッ‼」
「クゥ……ッ‼」
と、カルナダとの交戦での損傷個所に、
「だが! そっちの青い機体は
そろそろ、補給が持つまい! 活路は、そこにある!」
と、目ざとく話すザイル少佐だったが、
「は~い、ここでユリンちゃんの
エンジェルシードが、
ラーゼンレーヴェに補給の
また暴れちゃって、ケビン!」
と、いつの間にか、エンジェルシードが、
ラーゼンレーヴェの横に並び、
例の、ラジエールコンデンサーと
ラーゼンレーヴェに、素早く補給を済ます!
「な…ッ⁉」
と、絶句するザイル少佐と、
「
「あんなの反則だ…!」
と、口々に叫ぶダギナス隊の
「助かったぜ、ユリン!
よし、相棒! また暴れるぜ!」
と、ケビンさんのラーゼンレーヴェが、また爆ぜ、
次々と、ダギナス部隊の
「クッ…! 演習と、レジスタンス戦で、逆に、こちらの補給物資が…!」
「ここまでの
と、ダギナス部隊の
演習と、カルナダとの混戦の後で、補給物資が足りない
これはチャンス…ッ‼
「
うちは頭を
と、飛空状態から、地上に降りるタイニーダンサー!
「了解です!
「おッ任せ~~ッ!」
「了解です、ミケさん!」
「
「了解です、リーダー! 艦長!」
と、トロイメンカッツェ
ダギナス隊の
その中で…!
「ほんなら、そろそろトドメや!」
タイニーダンサーが、トライバレルを
「フランメ! 二刀流や!」
タイニーダンサーの
短剣の
左右で1本ずつ出し、両手に1本ずつ握る。
「必殺! 剣の舞や!」
タイニーダンサーが、短剣の
空を飛びつつ、機体の両腰の位置に
時計で言う2時の方角より突撃し、反時計回りに回りつつ、
下方8時の方角に右手で横周りに斬る!
「ほうらッ!」
フランメを両腰に
踊る
「そらそらぁーッ‼」
今度は回転方向を反対に変えて、
左腰に
時計回りに回りつつ左下から右上に斬り!
「これが…ッ!」
右手のフランメを腰に
右手をボーデンの
ボーデンを真正面に
そこから左手のフランメも腰に
「ホンマの…ッ!」
そこから右手を逆手のまま、左下から右上に、斬り上げ!
同時に、左手も逆手のままで、右中央から左中央に、斬るッ!
剣の舞のフランメの連撃で、
ボーデンの
大ダメージに悲鳴を上げる
「ドヤ顔や…ッ‼」
最後に、上方から、逆手のまま両手で、
下方に
そして、その
ドヤッ!と言わんばかりに、決まったという顔をする‼
「こ…こんな…ッ⁉ こんなァァァーーー……ッ‼」
と、胸部脱出ポッドが発動し、脱出するザイル少佐!
その激戦の後に、
「クッ……!
ワザと
と、
「
だが、この経験を積んだ私が、
次も、同じ手に甘んじると思うなよ!
ここは
遠からずオマエたちは
後悔する事になるだろう…ッ!
ザイル少佐も捨て台詞を残し、
残った部下の方々と一緒に、それぞれ、去って行く。
「おお、おお、
と、メイフェス大尉とザイル少佐の捨て台詞に、
大いに喜ぶケビンさん。
「やったね! トロイメンカツェ! 大勝利~~ッ!」
と、ユリンさんも大はしゃぎ。
「まあ、ミケさんの本来の想定では、
ピンチになって、シュタイガーンバオアーの
ロクスリー君が大パワーアップし、敵を
……という計算だったみたいですが、
いやはや、
と、
「まあ、予想外のパワーアップの仕方だったが、
想定した方より、こっちの方が、
と、バーダック艦長もホクホク顔だ。
「ホンマに、
この方法は、うちもホンマ、想定外やったで!」
と、ミケさんも大いに喜ぶ。
『ありがとうございます、
あの動きが、マスターの真に動かしたかった動きです!
マスターの真の強さを
私は、とても嬉しいです!』
と、感動の言葉を口にする
「何か、戦闘中で、ちゃんと聞けず、
いまいち、今でも原理が
シュタイガーンバオアーを、
いつでも
本当に、ありがとうな、
と、
『マスター…。
マスターの真の活躍、これからも、期待しております!』
と、例の3Dアバターを出し、アバターが、ぺこりとお辞儀をする。
「うんうん!
期待するで、ロクスリー君!」
と、オイラの活躍を
「まあ、何にしても、大仕事の後だ、
まずは、全員、艦内に
と、バーダック艦長が告げ、
『ハイ…ッ!』
オイラたちは、ソルファージュのブリッジに上がった……。
「
と、ニコニコ顔のリッドさんと、
「いま、
と、コーヒーサーバーを稼働させるセリアさん。
「さっすがセリア! 気が利くじゃん!」
と、大喜びのケビンさんと、
「まあ、激戦だったが、
仕事の後の一杯を
と、バーダック艦長も喜びの声を上げ、
「まあ、うちは、いつも通り、
ホットミルクでな、セリア!」
と、セリアさんに
「おうおう、
相変わらず、うちのオシメ
大人の味が
と、
「ムキー!
うちが何が苦手でも、
アンタに迷惑かけてへんやろうがと、
いつも言っとるやろが!」
と、こちらも
「あ~。平常運転に戻ったなぁって思うっスね、このやり取り。」
と、
「まあ、リーダーたちがいつも通りで安心するのは
今日の一件で、ロクスリー君には、
もれなく
と、ウィンクするユリンさん…ッ⁉
「ちょ…ッ⁉」
思わず
「まあ、今日で、大パワーアップした兄弟なら、
ちょちょいのちょいで撃墜だよな…ッ⁉」
と、ケビンさんが無責任な事を言い、
「まだ、詳しい検査はしていないので、
本当のところは、まだ、把握できていませんが、
今日の
ロクスリー君の恒常的なパワーアップが図られた様子ですし、
本当に、ロクスリー君は、
ボクらのトップエースと言える存在になった…。
と、考えられますしね。」
と、メガネをクイっと指で上げるマカロニさん。
「いや、何か、パワーアップはしたみたいっスけど、
それほど、オイラの秘めてた力とかいうのも、
そんなに
オイラには
と、歯切れの悪いオイラに、
『大丈夫です!
今日のマスターは、前マスターにも負けぬ活躍でした!
マスターの
と、珍しく
強い口調でオイラを
「凄いよ! ロクスリー君!
あの伝説の
君のお父さん並みの強さになったって、
と、こちらも珍しく、普段無口なリッドさんが声をあげ喜び、
「ロクスリー君の、お父さんの、
発掘の英雄、リィト=ロクスリーさんは、
それは凄い操縦テクニックだったらしいし、
その、お父さんと同じくらいなんて、
ホント、凄い事だよ、ロクスリー君!」
と、セリアさんも、
「え…いや…その…う~ん…。
父さんが、どれ程、凄かったかは、
実は、オイラ、あんまし知らないんスけど、
とにかく、オイラ、まだ、
あんまし過大評価はしないでやって下さいっス…。
でも、とにかく、できるだけ頑張るので、
と、物心付いた時には、
超絶的な操縦テクだったってのにも疑問だし、
オイラが、パワーアップしたっぽくても、
主戦力扱いとかされたら、死地に追いやられそうで、
ホント、怖いけど、
と、オイラが
「あ…リーダー。艦長。
カルナダの
こちらに、向かっており、着艦許可を願って来てます。」
と、セリアさんが、コーヒーを淹れる手を止めて、
ミケさんたちに報告する。
「来たか。
だな……ミケ?」
と、艦長が、ミケさんに
「ああ、色々、これからの準備もあるやろうしな。」
と、着艦許可を出すミケさん。
「ユリン。
と、ユリンさんにミケさんが指示を出す。
「OK~! まっかされたよぉ~~!」
と、
ユリンさんが、
「リーダー。艦長。
カルナダの旗艦空母
と、カルナダの通信が来た事を告げるセリアさん。
そして、ソルファージュのブリッジの通信モニターに、
カルナダのリーダーと思わしき、中年っぽい男性が映し出される。
茶色のパンツに、白のクロースという出で立ちで、黒髪の五分刈り。
ドスが効いた見た目をしており、
一見するとステロタイプなヤクザそのものという感じ。
「
今日は、ご苦労だった。」
と、レジスタンスのリーダーらしく、
「君たちのお陰で、今日の作戦は成功した。
だが、それもこれも、
うちの息子の、ライコノフ=エギータ。
通称、ライの働きがあっての事だが、
と、何やら、雲行きが怪しくなって来た…ッ⁉
「もう、うちの息子のライは、
操縦テクニックは抜群で、
その上で、優しく素直な子で、
父である私に、いつも尽くしてくれる!
本当に素晴らしい子なんだよ!」
と、何か変なスイッチが入っちゃった様子で、
息子の自慢話を、
「あ…は…ハイ。
それは…凄いですね…。」
と、
思わずと言った感じで、
「そうだろう! そうだろう!
そもそも、ライは、私にとって、神が与えてくれた宝でな!
髪のセットも、
その上で、優しく、
と、
「あ…え…え~っと…。
そ…その…凄いですね…。」
と、リッドさんが、
話がエンドレスで続きそうな所で、
「辞めろ、リッド!
このオッサンの様子だと、
付き合っていたら、日が暮れても息子自慢が続くっての…ッ!
適当に
と、ケビンさんが割って入って話を止めてくれる!
ナイス! ケビンさん!
「カルナダの。
息子の自慢話は、もう
カルナダの戦力的なデータを教えて貰えんか?
済まんが頼むぜ。」
と、バーダック艦長も、話を元に戻そうとしてくれる!
そこに、ユリンさんが、
このモニターの人に、ライと呼ばれてたっぽい人を連れて来る。
「あ~。また父さんが、やっちゃったみたいで、
済まないね、
と、頭を下げ、
「っと、父さんから聞いてるだろうけど、まずは自分の自己紹介からだよね。
ボクは、カルナダの主力、
カルナダの
以後、よろしく。」
と、言葉を繋いでから、
「そして、いま、この艦のモニターに映っているのが、
ボクの父で、カルナダのリーダーの、ドルチェ=エギータ。
これからも
カルナダは、トロイメンカッツェと友好的な関係を築ける事を約束する。」
と、リーダーと言われた
と言われる方が、
綺麗に言葉を
「ふへぇ~~……ッ!」
と、
「
よろしくな、ライって奴と、ドルチェっておっさんも!」
と、ケビンさんが声を掛け、
「うん! うん!
本当に、
でも、なんだろうなぁ~?
見た目も、性格も、
ちょ~っと、アダム君とアダム君のヘブンを
何か、しっくり来ない感じなのよね…。」
と、こんなに
何か、ユリンさんの
「ねぇ。彼女は何を言ってるんだい?」
と、不意のユリンさんのダメ反応に、
首を傾げて、オイラたちに
「あ~。
まあ、正直、分からない方が
ライさんが、毒牙に掛からないのは確定したっぽいので、
安心してくれれば
と、オイラが声を
「でも、ドルチェさんは、アッチ系で、
もう、その
総受けっぽいロクスリー君とのコラボで、
アダム君とアダム君のヘブンが、
超、グロースしまくりよ…ッ‼
もうヤバイ…ッ! ヤバイよ…ッ‼ 激ヤバ…ッ‼」
と、何か、ユリンさんの脳内で、ドルチェさんと、オイラで、
あっちの世界を構築してる
で…出るのか…⁉ また…アレが…‼
3倍のアレ…‼ 今にも出ちゃう…ッ⁉
ブバ…ッ‼
「え…ッ⁉ えぇ……ッ⁉」
ハイ、ユリンさんの真正面に
例の、あの
「ええい‼
オマエは、ホンマ!
毎度、毎度、
と、またも、どこから出したのか
ユリンさんの後頭部を強打するミケさん…ッ‼
「はわっ⁉」
ミケさんのハリセンの一撃で、頭に上った血の循環が正常に戻ったのか、
ピタッとユリンさんの鼻からの
「ハッ⁉ 出してない! 出してないよ⁉
花も恥らう純情乙女のユリンちゃんが、鼻血なんて出してないよッ⁉」
だから、何で、アナタは、それで鼻血を隠せてると思えるの…ッ⁉
「ゴメンね、ライ君。
ユリンの、いつもの発作でね。
でも、ライ君は、ユリンの好みから外れてるみたいだから、
これからは、そんなに被害には
と、タオルを渡しながら、
嬉しい様な、逆の意味で、何か引っかかる様な、
「まあ、ダメな奴だが、
こんなでも
悪いが、うちの病人も大目に見てやってくれ…。」
と、ライさんにお願いをするバーダック艦長。
「いや…その……ま…まあ…。
そっちの艦長が…そう言うんだったら…。」
と、歯切れの悪いライさんに、
「まあ、まあ、ライ。世には、多くの人がいる。
色んなマイノリティーも
これも
そっちでやって行ってくれ!」
と、ドルチェさんが、ライさんに進言する…。
ドルチェさん、親バカ過ぎだけど、流石は、カルナダのリーダー!
ドルチェさんの大きく広い心の片鱗が見えた気がする。
んだけど…ッ!
何か、今、変な話、無かった…ッ⁉
「ライに、そっちでやってくれ、っていうのは、
ライと
うちらの戦力にしろって事…やな…?」
と、ドルチェさんに問うミケさんに、
「そうだ。
まずは、
私は、カルナダのリーダー、ドルチェ=エギータ。
我々、カルナダには、
そして、我々カルナダの詳細データどころか、
私の名前すら話さず、ライの話に
ライの話になると、つい熱が
と、頭を下げるドルチェさん。
「過ぎた事だ。
次からは気を付けてくれればそれで
で、
と、ドルチェさんの謝罪を受け止め、
カルナダの戦力データの話に移行させるバーダック艦長。
「うむ。
カルナダには、現在、20機の
うちで戦ってくれる熟練の兵の為に、ガトナスとザヌスが多めだが、
新兵も
そして、
ライが
と、ドルチェさんが答え、
「それらの話で、多少の事は
主力となる
そして、ゲズやジーナの部隊はともかく、
ガトナス隊やザヌス隊の
歴戦のツワモノたち……だが…。
主戦力となる
と、バーダック艦長が、
ここまでのデータからの
「ご
以降、こちらの指示があるまで、
複数の
これからの作戦は、何かと
と、説明の言葉を告げるドルチェさん。
「これからの作戦?
やっぱし、
でも、ザイル隊ってのの撃破で今回の作戦を終了したから、
これでリンガル邨の人々の治療は何とかなるんだろうし、
後は、死なねぇ程度に頑張りますかね!」
と、やんわりとカルマさんとの約束の話に、
「先生は、この作戦を行うに当たって、『まず』と前置きしました。
ですから、恐らく、今日の作戦を終わらせただけでは、
リンガル邨の人々の治療は行われないでしょうね。」
と、マカロニさんが、メガネを指で上げながら、
ご
それに対して、
「だな…。」
「そうやろうね…。」
と、艦長もミケさんも、肯定の言葉を話す…ッ⁉
「カルマの予想通りか。
アヴァドンのミケは、今回の件も想定しているだろう、
との話は聞かされていた。」
と、ドルチェさんが告げてから、
「カルマさんから、ボクたちカルナダに、
既に、次の作戦は通達されているんだ。」
と、話し出す、ライさん…ッ⁉
「また、野郎の
「もう、あの人は、これだから…‼」
と、ケビンさんとユリンさんが、
口々に、カルマさんへの不満を
「OKや、早よ、
と、ミケさんが先を促す。
「
まずは、この地図を見て貰いたい。」
と、ドルチェさんが言い、
「この地図のポイントに、
君たちと、ライの
と、
「セリア、地図の場所の
と、セリアさんにミケさんが
「特に特別な場所というデータは、
ソルファージュの
ごく平凡な平地の様です。」
と、セリアさんが返す…ッ⁉
「相変わらず、ワケの分かんない指令だし、あの人…ッ‼」
「ホント! あの野郎は…ッ‼」
と、
「で、どういう事なんや?
と、直球勝負で問うミケさん。
「実はな。その地点は、
と、ドルチェさんが告げる…ッ⁉
『えぇぇぇーーーッ⁉』
と、普段、
ミケさんとバーダック艦長以外の
「
あの野郎、ホント、何考えてやがんだ……ッ⁉」
と、
それに対して、
「この
うちの
そこに今日と同じで
我々カルナダの他の
4機の
つまり、10機もの
反攻行動に出る事になる。
そして、
今日の敗戦の結果から
しかしそうなれば、
明らかに
そうすれば、
その地点に集結する事になるのだから、
他の地点は手薄に成らざるを得ない。
そして、その間に、
我々カルナダとコーダの別動
別地点の
つまり、次の作戦の目的は補給部隊の
現状で
と、ドルチェさんが、トンデモな説明を一気に告げる…ッ‼
「ちょ…ッ⁉
よ…陽動って言ったって…⁉
10機もの
そう言っても、たった10機だけなんスよ…⁉
それ、ほぼ死刑宣告じゃないんスか…⁉
だ…だだ…⁉ 大丈夫なんスか、ミケさん…ッ⁉」
と、
「あのカルマの、おっさんが建てた作戦なんやったら、
勝算は、ちゃんとあるんやろう。
そのコーダいうレジスタンスの4機の
パイロットは
機体も、相当な
OK! 了解した!
ただ、次のその作戦時に、
目標の補給部隊をレジスタンスの
作戦成功の迅速な暗号通信の送信を、
必ず
うちらの
エンジェルシード1機だけでは、
うちらの機体を補給しまくろうと、
流石に厳しいやろうからな!」
とドルチェさんに注文を
「こちらも了解した。
暗号通信は、
と、了承の意を告げるドルチェさん。
「つ……次の作戦…。
生きて……帰れるんだろうか…ッ⁉」
と、ガクブルのオイラに、
「こうなれば、そのコーダっていうレジスタンスの、
4機の
と、ユリンさんが答え、
「まあ、先生のメガネに
戦力的には期待できると思いますよ。」
と、カルマさんの判断を支持するマカロニさん。
そこで、
「でも、コーダってとこの、
その4機の
今回、うちに来た、ライの
と、ケビンさんがオイラたちが忘れていた、本質の話をし出す!
「う~ん……。
何か、さっきの戦闘だと、
先制で放ったコンテナミサイルは、
攻撃範囲が広くて凄かったけど、
威力が…ちょっと…無かったかなぁって…。」
と、歯切れの悪いリッドさん。
「だよねぇ。
他の装備も、見た感じ、地味で、
機体本体の性能も、
地味だったよね…?」
と、ユリンさんも言葉を
それらの言葉に対して、
「地味じゃない…ッ‼
君たちの
ボクの
どんな場面でも確実に
万能の
と、ライさんが
「じゃあ、何か、特殊な装備でも付いてないのか?
オレたちのトロイメンカッツェの
特殊装備たちみたいにさぁ…?」
と、ケビンさんが、そこで問う。
「
ボクの
広範囲バレットジャマーという装置が付いていて、
敵からの誘導ミサイル攻撃を40%の確立で逸らし、
実体弾の炸裂を40%の確立で阻害する事ができるんだよ…!
ただし、
敵の誘導ミサイルや実態弾は効果範囲外だけどね…!」
と胸を張って誇らしげに言うライさん。
……だったんだけど…。
「何だか、
と、ユリンさんに指摘されるライさん…。
それに、
「地味じゃないッ!!
とライさんが、ちょっとキレ気味に答えるが、
「40%とか
せめて50%くらいは言えよ…!」
と、ケビンさんにまでツッコミを入れられる始末のライさん!
「40%って言えば凄いんだぞ…ッ⁉
考えてもみてよ…ッ⁉
野球とかでも3割バッターとかどれほど凄いか分かるだろ…ッ⁉
3回に1回以上防げるって凄いんだぞ…ッ‼」
と、
その上で、
「まあ、そこは確かにそうですけど、
自機から300メートル以内の味方にしか効果が無くて、
しかも自機から300メートル以内の敵から放たれた、
誘導ミサイルは無効化できないというのは、
と、冷静にマカロニさんに分析されるライさん!
その
「た……確かにそうだけど!」
と、言葉を
……だったんだけど…。
「
オレたちの様な縁の下の力持ちが
それに、
ライ、オマエもトップエースパイロットだ。
それはオレが
だから、他の奴が何と言おうとオレとオマエが、
それを
と、ドルチェさんがライさんに
ドルチェさん、
最初は、ただの息子自慢だけの人かと思って引いちゃったけど、
ちゃんとレジスタンスのリーダーなんだなと感心するオイラ。
それは、トロイメンカッツェの
「まあ、地味だったけど、
確かに、ザイル隊を追い詰めてくれたのは、
ライの
と、ユリンさんが、方向転換の言葉を掛け、
「まあ、装備してた武器も、確かに
さっき話を聞いた装置も、無いよりかはある方が
と、ケビンさんも、再評価の言葉を口にし、
「君たち……。」
と、お二方の、優しくなった言葉に、感じ入るライさん!
「まあ、
派手に喧嘩しようってとこに呼ばれた奴だ!
コーダってとこの4機の
戦力として換算して
と、バーダック艦長がまとめの言葉を告げ、
「ってワケや!
ライには、次の作戦では、うちらの指揮下に入って
と、
それに頷く、オイラたち……。
天国の父さん、母さん、
ムチャは怖いし、永遠と抜けられないデッドループに、
陥れられない事を願うばかりですが、
ライさんの
新たな戦力が加わってくれるのですから、
オイラも……何とか…
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