第8話
「すごぉーい、トニー君!」
「やるじゃん兄弟!」
「なんと! コレは、コレは!」
やんやの喝采が、
あれから、丸一日、ミケさんは医務室で、グッスリと休養し、しっかりと体調の回復に努め、今日の昼現在、昨日の惨状が嘘のように、すっかりと元気になってくれた。
その間、トニーさんが、本職のメカニックのマカロニさんにも劣らないような、凄い早さと精巧さで、整備と補給をし、見事に終わらせた。
「良い腕しとるねトニー君! これやったら
医務室での休養を終え、
「そんな。チームの
右手で頭を搔きつつ、まだまだと言う割には、嬉しそうな笑顔で応えるトニーさん。
「あとは、そこのダメ男くんが、ゲズ
「迂闊に触って、逆に壊したとかねぇだろうな!」
「ボクの仕事が、また増えるのも、もう覚悟済みですよ。何を壊されたやら。」
トロイメンカッツェの
「ユリン! ケビン! マカロニ!」
ミケさんが3人を
「その…ゲズ
何とか、ゲズ
「確かに、一応、壊さず整備も補給も出来ていますが、これで、また調子に乗って勝手に整備や補給を行って
「は…ハイ…。」
「チッ! このクズ野郎の顔を見るだけでムカ付くぜ! トニーのやってくれた作業も見届けたし、このクズ野郎をこれ以上見ないで済むようにオレは部屋に戻るぜ!」
1秒でも顔を見たくないと言わんばかりに
「ケビンさん…。」
うつむくオイラに…。
「ケビンは、ウチを
ミケさんが、温かい言葉を掛けてくれる。
「ハイ…。なんとか、もう同じ事が無いように気を付けます…。」
何とか言葉を
厳しい視線の嵐に
「あの…ゲズ
そう皆に声を掛けるのが精一杯なオイラ……。
ユリンさんとマカロニさんの二人は、無言のまま、
「わかった。ガンバりや、ロクスリー君! そういう小さな積み重ねを重ねれば、信頼もまた取り戻せる! 今は、皆は、ウチを
ミケさんからのこの温かい言葉に、
「は…ハイ!」
泣きこそしないが、涙が
その時!
「前方より機体反応多数! これは……スナッチャーザインの部隊の……ラフィンスカルの反応です! 前回のように部下たちだけじゃなく、今回は、
アラート音を響かせながら、セリアさんが
「
すぐさま
「まだ
拳を握って、ザインさんの撃破に気合を入れ、ミケさんが答え、
「あいさ、
ミケさんに応え返し、勢い勇んで、ケビンさんがラーゼンレーヴェで出撃する!
「ユリンちゃんも、ちょっとムシャクシャしてるとこだったから、スキッとさせてもらいに、砲撃戦に出撃しちゃうんだから!
ユリン=エメラルド! エンジェルシード! しゅっぱーーッつ!」
オイラへの怒りであろう、怒りを晴らしに行くと、勢い付き、ユリンさんが出撃して行く!
「やれやれ、メカニックとしては、仕事を増やすのは辞めて欲しいのですが、ボク個人としては、ユリンと同じで、ちょっと
マカロニさんも、オイラへの
「今回は、
トニーさんが、
「了解や! ほな、ウチから行こうか! ミケ=スターライト! タイニーダンサー! 出るで!」
トニーさんに
「オイラが出て、逆に足を引っ張る可能性もあるかもしれない…。 けど…ッ! だけど…ッ! 少しでも……皆の役に立つ様にガンバるんだ…ッ! ロック=ロクスリー! ゲズ
オイラが出ても、どうなるかは分からない…。
分からないけど……。
オイラが出なかったら……。
ここでオイラが出ずに、閉じこもって逃げたら……ッ。
何も変わらないんだ……ッ!
だから、オイラは、出撃する…ッ‼
「トニー=スミス! 出ました!」
トニーさんが、オイラの後に、
「アヴァドン!」
オイラたちより前方少し離れた場所から、ザインさんが、待っていましたと言わんばかりに、オイラ
「
トロイメンカッツェ各機に指示を出すミケさん。
「あいさ、
オイラへの
「いつもなら、ムサいザインたちをタチで、リッドやトニー君たちをネコで、ご飯3杯どころか、5杯くらい余裕のユリンちゃんなんだけど、今日のユリンちゃんは、ギシアンじゃなく、スカッとするために、徹底的に砲撃でザインたちをブッ飛ばしちゃうんだから!
相変わらずの謎世界が構築されるユリンさんの発言だが、謎世界を大いに構築しつつも、
「まあ、前衛や中衛を任されるよりは助かりますが…。彼と同じ戦列というのは、正直気乗りしませんね…。ですが、任されたからには、徹底的に、叩かせて
「
ダメだから何もせず逃げるなんてしてたら、何も変わらないんだ!
今のオイラは本当に最低の状態だ!
だから……だから…ッ!
ここから、全てを、積み重ねて行く…ッ‼
「ボクも、キャノン砲で!」
トニーさんも、アウスブレンデンの砲撃で、ラフィンスカルたちの前面に出ているガトナスを
「セリア! ソルファージュ! 3連装大型レーザーランチャー!
テキパキと攻撃指示をセリアさんに出すバーダック艦長!
「了解! 3連装大型レーザーランチャー!
セリアさんも、素早く攻撃を遂行する!
「ウチも前に出る! トライバレル、レーザーや!」
ケビンさんと並んで、前面に出て、トライバレルのレーザーを、ラフィンスカルの、前面に居るザヌスに、すかさず砲撃するミケさん!
「クッ…さすがはアヴァドンの部隊の弾幕ってワケだ…。」
トロイメンカッツェの弾幕に圧倒されるラフィンスカル!
「だがな! 今日は、いつもと同じだと思わない方が良いぜ、アヴァドン!」
ザインさんが、そう叫んだ直後に!
「な…なんだ⁉ アリーエルスラスターが使えねぇどころか、ラジエールエンジンそのものが止まって、
いきなり、ラジエールエンジンが止まって、ラーゼンレーヴェが動かない⁉
「な…なにコレ⁉ ユリンちゃんピンチ! ラジエールエンジンが、何かやられて、エンジェルシードが全く動かないんですけどッ⁉」
エンジェルシードも、同じく、急に止まって全く動けない⁉
「クッ…フェストゥングも同じ状態です…。」
フェストゥングも、まるで動かず⁉
「クッ…タイニーダンサーもや…。」
「まさか…コレは…ッ⁉ そんな事が…ッ⁉ ですが…ッ⁉」
自身の推理に、到底信じたくないと、慌てふためくマカロニさん!
「ウチも疑いたくは無いけど、これは、そうとしか思えん!」
疑いたくない…! 疑いたくなんてない…‼ だけど…でも…ッ‼
「流石にメカニックのマカロニや、アヴァドンには分かるか?」
ラフィンスカルの部隊にアウスブレンデンを合流させつつ⁉
「さて、ご依頼通り、
トロイメンカッツェの全
「フッ、流石に、そんな
と、満足そうな声で、喜び叫ぶザインさん!
そのザインさんの言葉に!
「ザ・パーフェクト…⁉ ザ・パーフェクトだと…ッ⁉ トニーが…ッ⁉」
そんな事が有り得るのか⁉と言わんばかりの
「な、なんスか、ザ・パーフェクトって⁉」
「シュメル=ウェイン…。どんな依頼も、依頼された通りに完璧に遂行するっちゅう、裏の世界でも有名な、ティアナで一番の何でも屋や! その依頼遂行率は、未だに100%を下回らんらしい…。それで、付いたアダナが、ザ・パーフェクト…。そやけどや、どんな依頼も受けて100%やから、ダーティーな依頼も、依頼されれば遂行する! 遂行したダーティーな依頼も、
い…依頼遂行率100%ッ⁉
それも……ダーティーな依頼込みで…ッ⁉
「と…とにかく動けるようにしないとヤバイよ!」
何とか動けるようにしないと危険過ぎると、今の危なさを皆に
「ですが、
マカロニさんでも、これらの工作を打破するのは、艦外ではッ‼ 戦闘中ではッ‼
「へへへ! じゃあ、そろそろ、アヴァドンのとこの
喜び勇みながら、ブッサルトを走らせながら!
「フフフ! まずはラーゼンレーヴェから頂くぜ!」
そう叫び、ミサイルポッドを射出しつつ、ラーゼンレーヴェのコックピットのある胸部をレーザーバズーカで
「クッ…! こ…こんな事でッ‼」
コックピットを
「タイニーダンサーは最後のディナーだ! 次! エンジェルシード!」
「クッ…でも、エンジェルシードは動けなくたって、スーパー重装甲なんだから!」
例え
「例え重装甲だろうと、コックピット部分のある個所をレーザーソードで串刺しにされりゃ、パイロットは持つはず……ねぇよなぁ…ッ⁉」
そう叫び、ザインさんがエンジェルシードのコックピット部分にレーザーソードを突き刺した⁉
「きゃッ⁉ そんなッ⁉ ああああ…ッ⁉」
突き刺され、ユリンさんが、エンジェルシードのコックピットごと焼かれ蒸発して行く⁉
「次ッ! フェストゥングッ‼ いつも
喜び叫びながら、ロケットランチャーを頭部に
次に、胸部をレーザーバズーカで
「クッ…こ…こんな…ッ⁉ あああ…ミ…ミケさん…ッ⁉」
ミケさんを呼ぶ断末魔を上げ、マカロニさんが
「ケビンッ⁉ ユリンッ⁉ マカロニッ⁉」
ミケさんが皆さんを呼ぶが……皆さんはッ……も…もう…ッ⁉
ブッサルトが、こっちに向かって、オイラの前で止まる⁉
「さて、一応、この
ゲズ
「あああ…ッ⁉ せ…せめてガトリングで…ッ⁉」
何とかガトリングで少しでも反撃を!
「この
ブッサルトが、ガトリングを
「思い出した。死ぬってこんなに痛いんだ……。」
圧倒的な痛みが
皮膚が溶ける痛み。
骨が溶け落ちる痛み。
眼球が焼け
全身が痛覚の神経になった様に痛みだけを
そして、急激な
そこで
一瞬、世界が一点に集約される様な妙な感覚を覚えた。
ボヤけた視界が、徐々に
「前方より機体反応多数! これは……スナッチャーザインの部隊の……ラフィンスカルの反応です! 前回の様に、部下たちだけじゃなく、今回は
良かったッ! 出撃前の、ここならッ‼
「皆さん! 出撃しちゃダメッス!」
とにかく、出撃する前に、皆さんを
「アン⁉ 何だ、このクズ野郎! またぞろワケわかんねぇ事、言い出しやがって‼」
「
「な……なんやと…ッ⁉」
とにかく、ありのままに伝えてみたけど!
「ロクスリー君! それは流石に最低なんじゃないかな!」
「いくら自分の人気が全く無くて、トニー君の人気が高いからといって、トニー君の人気を落とす為に、そういう
「テメェ! 人の人気が
ケビンさんとユリンさんとマカロニさんが、オイラがトニーさんの人気が
「いや、本当なんですって!
とにかく!
今、出撃させちゃダメだし、全機、細工を
そして、シュメルを捕まえといて
「ロクスリーさん。ボクは、シュメルなんて人じゃないですよ。それに、ロクスリーさんのゲズ
シュメルがウソを
こ…こんなッ⁉ もし、ミケさんが、シュメルのウソを信じたら…ッ⁉
「ゲズ
「ミケさん⁉」
「
「リーダー⁉」
「ミケさん⁉」
「ミケさん⁉」
シュメルや皆どころか、オイラも
「こういうロクスリー君の
「あ…ありがとうッス! ミケさん‼」
良かった。何とか、ミケさんは、オイラの事、信じてくれた…。
「けどやッ! 信じられるけどやッ‼ ウチは……トニー君も信じたい…ッ‼」
「え…ッ!?」
シュ…シュメルの事も…信じる…ッ⁉
「やから、ゲズ
「ありがとうございます! ミケさん!」
喜びの笑顔をミケさんに向けるシュメル!
「けどやッ! 最悪、トニー君がシュメル=ウェインである可能性も、ウチは考えはするッ‼ やから、もしもの時は、ソルファージュで、後ろから
「え…ッ⁉」
喜びの笑顔から一転、その笑顔を凍り付かせ、
「でもやッ! 今日まで一緒に過ごしたトニー君との日々が、全て演技やったとは思いたくない…ッ! やから…‼ 頼むで……トニー君…ッ‼」
一心にシュメルを見つめ、共に過ごした日々が本物で有る事を願うミケさん!
「クッ……ッ! ボクは…ッ‼ …ッ…………分かりました……ッ。……トニー=スミス……。アウスブレンデン……。何とか…ラフィンスカルを……。足止め…して来ます…ッ‼」
「ロクスリー君も、頼むでッ! 最悪の場合、君一人で、ソルファージュを守る事になるかもしれへん…。 でもや…ッ‼ もし、ロクスリー君一人で戦う様な事になっても、何とかガンバって耐え切って欲しい…ッ‼ 頼むで…ッ‼ ロクスリー君…ッ‼」
願いを込めた眼差しで、ミケさんが、オイラを送り出すッ‼
「は…ハイッス! ミケさん‼ どうなるか分かんないッスけど……。ロック=ロクスリーッ‼ ゲズ
そのまま出撃し、ザインさんたちの前に立ち塞がる!
怖い…ッ‼ 逃げたい…ッ‼
こんな数の……こんな凄い人たち……オイラが相手にできるワケ…ッ⁉
しかも……いつシュメルが本性を現して……後ろから撃って来るか…ッ⁉
周りは、シュメル
味方は、ソルファージュのみ…ッ!
だけど……だけど……。
たった一握り……。
たった一握りで良い…ッ!
オイラに……こんなオイラにでも…ッ!
逃げも隠れもするし…嘘だって…いくらでも
たった……たった一握りだけで良い……オイラにでも……勇気があるなら…ッ!
ここで使わなくて……どこで使うって言うんだ…ッ‼
だから………だから…オイラは…ッ‼
「来い! ザイン! オイラが相手になってやるッス!」
大型バズーカを右腰から取り! ザインさんのブッサルトに向けて構える!
ほんの……ちっぽけだけど……
「テメェは、お呼びじゃねぇんだよ、
イラ付いた声で、ザインさんがミケさんの登場を求み叫ぶッ‼
「ミケさんたちは、オマエらの相手をしている暇が無いそうッス! オマエらなんか…ッ! オイラだけで十分ッス…ッ‼」
叫び、大型バズーカを
「フンッ!
「了解だッ! ボスッ!」
「へへへッ! さぁ、どういう風に、このアホウを
舌なめずりをしながら、ラフィンスカルのメンバーさんたちが、こちらとの間合いを
「来る! でも! オイラで…! オイラでもッ‼ ここで! 足止めするんだ‼」
じりじり間合いを詰めて来るラフィンスカルたちに向けてッ!
「チッ! 抵抗すんな
先頭のジーナが、こちらの弾丸を回避しつつ、レーザーライフルを
「クゥ…ッ‼ だけど…ッ‼」
胸部に少し被弾しつつ、何とか
だけどッ‼
オイラが下手過ぎて、バズーカは明後日の方向に飛ぶ…ッ⁉
「どこ狙ってやがるんだよ…ッ⁉ クズが…ッ‼」
「この程度で……オレたちラフィンスカルに歯向かいやがって…ッ‼」
歯向かって来たのが余りに下手過ぎる
この
だけど…ッ‼ ここで…ッ‼ アリーエルホバー起動…ッ‼
「チッ…ッ⁉ ゲズがアリーエルホバー付きッ⁉」
ダッシュしながら、レーザーガトリング
「クソが…ッ‼」
「
「くぅ…ッ⁉ アンカーまで…ッ⁉
何とか、一番前のジーナだけは止めたッ‼
ラフィンスカルの部隊に、できる限りの反撃はした!
けど!
「もう許さねぇッ‼」
「クズは、クズらしく…ッ‼ 大人しく、やられろってんだ…ッ‼」
いつの間にかラフィンスカルのメンバーのジーナたちが四方を囲んでいて、レーザーライフルの十字砲火をしてくる…ッ⁉
オイラの
「オマケだッ‼」
「食らえよッ‼
み…ミサイルが……来る…ッ⁉
クッ…だけど…ッ‼
間に合わなくても……何とか
「アァァァ……ッ⁉」
ボロボロに被弾しながらも、何とか2、3発のミサイルをバルカンで
その絶望的な激戦の最中!
「こ…これは⁉ 本当にフェストゥングのラジエールエンジンに細工がされていますッ⁉」
よし…ッ‼ マカロニさんがシュメルの細工を発見してくれた…ッ‼
「な…何だとッ⁉」
「そ…そんなッ⁉」
大きく
「ほ…本当だったの⁉」
まさか、本当にあり得るなんてと
「そ…そんな事って…⁉」
到底信じられないと言わんばかりの
「クッ…ホンマやったか…。」
信じたくは無かったが、本当だったかと、
「じゃ…じゃあ……トニー君は本当に…ッ⁉」
シュメル=ウェインじゃないか、と、
そこで……。
「頃合いか…。」
ア…アウスブレンデンが…ッ⁉
ソルファージュに向けて……発砲した…ッ⁉
被弾しながらも、
「
セリアさんに、シュメルへの攻撃指示を出すバーダック艦長!
「了解! 3連装大型レーザーランチャー
セリアさんの的確な砲撃に被弾した……様に見えたアウスブレンデン…の装甲が…ッ⁉ ぱ……パージした…ッ⁉
中から、手足の無い飛行機型の
父さんの持っていたみたいな……
「ほ…
装甲をパージして、アウスブレンデンの中から現れた
「どうした、ザ・パーフェクト? 依頼遂行率100%じゃなくなったんじゃないか?」
にやけた声で、シュメルを、からかう様に声を掛けるザインさん!
「イレギュラーが居たんですよッ‼ …………クライアント…ッ‼ トロイメンカッツェの
依頼遂行率100%を下回らされたのが、よほど悔しいらしく、オイラに並々ならぬ敵意を向け、ザインさんに、オイラを
「仕方ねぇな、シュメル=ウェイン! その
再度、にやけた声で、シュメルに声を掛けるザインさん!
「OK…ッ! クライアント…ッ‼」
オイラを
「クッ…! シュメル…ッ‼ アンタは…ッ‼」
とにかく、皆が出撃できる様になるまで、シュメルだけでもオイラだけで足止めしないと!
「でも……ッ! オイラが…ッ‼ オイラがァ…ッ‼」
まず、ミサイルをラフィンスカル
次に、大型バズーカをシュメルに向けて連射…ッ‼
「まだ、こっちにも
「このクズが…ッ⁉」
ラフィンスカルたちには、
けど…ッ‼
「この程度で……ッ! この程度だというのに……ッ! オレの…オレの経歴を…ッッ‼」
大型バズーカは、シュメルに、ことごとく、回避されるッ⁉
そして、オイラを見据え!
「ロクスリー! オレが
ここまでのオイラへの疑問を一気に
「分かんないッスよ…ッ! 1回死んで……ッ! 何が
とにかく、体験した事を、そのまま伝えながら、
「き……キサマァ…ッ‼ ムチャクチャな話で、オレを混乱させて、オレを愚弄する気か…ッ⁉」
お…オイラの
「クッ…! 良いだろう…ッ! この
そう叫んだかと思うと、グラオザームリヒターと呼ばれた
「しゅ……シュメル…ッ‼ グッ……ァァァ…ッ⁉」
アサルトレーザーライフルを何とか
ダメだ⁉ オイラの腕じゃ
頭部がヤラレて、メインカメラが…ッ⁉
「オレのクライアントから今回受けた依頼は、トロイメンカッツェの全パイロットと
素早い動きで間近まで飛んで来て、
「クッ……ウゥゥ…ッ⁉」
何とか両手を地面について、こちらも素早く起き上がり距離を取るッ‼
「全パイロットと
きょ……距離を取ったら……ッ⁉ ミサイルポッドを…
「アァ…ッ⁉ こ…こんな…ッ⁉」
「そんなイレギュラーな
ミサイルポッドを
「こ…こんな…ッ⁉ アァ…ッ⁉」
あ…アサルトレーザーライフルで……ッ⁉
ミサイルを
み……右腕が…ヤラれる…ッ⁉
「他の今までの仕事でも、どんな依頼だろうと、オレは何であろうと、完璧にこなして来たッ! だから、オレは、今まで、ザ・パーフェクトの名を欲しいままにして来たッ‼」
急接近して来て、レーザーソードを振るおうとするグラオザームリヒターに、残った左腕のガトリングで
……けど……ッ⁉ こ…これすら……見切られた…ッ⁉
「あァァ…ッ⁉ ひ…左腕まで…ッ⁉」
左腕まで、レーザーソードで切り落とされてダルマにされた…ッ⁉
「なのに…ッ! ……なのに…ッ‼ ……このクズが…ッ! ……キサマのせいで……オレの完璧な経歴は汚された…ッ‼」
何とか背部ミサイルで
「アァ…ッ⁉ う…動けない…ッ⁉」
両手の無いダルマ状態の為に、起き上がれない…ッ⁉
「だから…ッ! ロック=ロクスリー…ッ‼ このクズが…ッ‼ ……このグラオザームリヒターの…ッ‼ ……アクセラレートレーザーキャノンで…ッ‼」
グラオザームリヒターが、背部から右肩に、アクセラレートレーザーキャノンと呼ばれたキャノン砲をジョイントさせッ‼
「キサマの存在を…ッ‼ オレが…この手で完璧に抹殺してやる…ッ‼」
地面に転がって倒れているゲズ
「
必殺の一撃を…
「う…動いてくれ…ッ‼ 動いてくれ…ッ‼ ゲズ
ゲズ
そこで……オイラの意識は……。
『マスター…ッ! マスター…ッ‼ 脱出ポッド、起動しましたッ‼ 何とか、ミケさんたちに回収して
必死にロクスリーに呼び掛ける
脱出ポッドは起動したが、ポッドの中にまでダメージが及んでおり、破壊された機体の破片が腹部に刺さり、大きな深い傷となり、意識を失い倒れるロクスリー‼
そこで、ソルファージュから4機の
「ロ…ロクスリー君…ッ⁉」
通信モニターに映る、破片が腹部に刺さった重傷のロクスリーを見て、ユリンが
「アァァ…ッ⁉」
ミケが
『ミケさん…ッ! 皆さん…ッ! マスターを…ッ‼ どうかマスターを救って下さい…ッ‼ どうか…ッ‼ どうか…ッ‼ お願いします…ッ‼』
必死に、切実に、ロクスリーの救助を
「分かりました…ッ! 急ぎ、ポッドを回収し、ロクスリー君をソルファージュの医務室に…ッ‼」
「クッ…トニー…ッ! いや…シュメル…ッ! テメェ…ッ‼」
信じたくない、しかし、信じざるを得ない現実に、ケビンの怒りの炎が、瞳の中に熱く
「チッ…!
そう叫びつつ、ザインが右指を大きく鳴らす!
「OK! クライアント!」
そうシュメルが叫ぶと同時に、ソルファージュで、警報が多数発生…ッ⁉
「クッ…! どうした…セリア…ッ!?」
すかさず、バーダックがセリアに
「ソルファージュ、メインエンジン、非常用エンジン、共に停止…ッ! シュメルにソルファージュ内も細工された様で、艦内で爆発多数…ッ! 各所で火災発生ッ‼」
「何やと…ッ⁉」
ミケも、
「と…とにかく! セリアは、
早急に指示を出すバーダック‼
「了解! 艦内各所、
急ぎながらも冷静に務め、各所の消火を行うセリア‼
「メインエンジンが停止したから、とにかく何とか不時着したよ! でも、非常用エンジンまでも停止しているから、まず、今の状態だと、ソルファージュを飛ばすのは無理だよ‼」
急ぎ、
「クッ……ここまでソルファージュが動けんようにされたら…ッ‼」
そのミケに対し、
「アヴァドン…ッ! ここは
そうザインが叫び、シュメルと共に、ザインたちラフィンスカルが、
「テメェら! 待ちやがれ‼」
叫び、
「あかん! ケビン‼」
そのケビンを、急ぎ呼びとめるミケ!
「でも、
ミケに対してでも、食い下がって、シュメルたちを追おうと
だが、
「ダメです、ケビン…ッ!」
急ぎ、マカロニが叫ぶ!
「何だよ…ッ⁉」
イラ付きながら、返すケビンに、
「まず、早くロクスリー君を助けないと、ポッドにまでダメージが及んでいて、最悪、彼の命の危険も有るんです…ッ‼」
切実に、ロクスリーの容体を、ケビンにマカロニが
「じゃあ、そんなクズ野郎を、そんなに助けたきゃ、オマエが助けりゃ良いだろうが‼ オレはザインやシュメルたちを追うぜ‼」
「ダメだって、ケビン! ソルファージュが、火災いっぱい、損傷いっぱいで、早く私たちで何とかしないと、私たちのお
必死に、ユリンが、ロクスリーの状態だけでなく、ソルファージュの現状を何とかケビンに伝えようとする。
「クッ…! スプリンクラーだけじゃ、艦内の全部の消火は無理か…! チッ…! ケビン=ブロッサム!
無人のスプリンクラーだけでは、艦内の細かい消火作業は無理ッ!
スプリンクラーでの消火だけで消えない所は、人力で消火器などで消すしかない!
流石のケビンでも、ソルファージュが火の海で帰る所が無いというのは、何としてでも、
「ケビンも…やっと分かってくれた……けど…ッ! ヤバイって…コレ…ッ! ヤバ過ぎるって…!」
ケビンを説けたのは良かったものの、ロクスリーとソルファージュのダブルの
「ロクスリー君と、
ロクスリーと
「ユリン=エメラルド…ッ! 御飯10杯の、超絶カワイイ、ネコに…! 御飯10杯の、超絶カッコイイ、タチが…! ギシアンする直前って聞いた時の様な、スゴイ急ぎで…! スゴイ勢いで…! こっちも、ソルファージュに、
相変わらず、発言の深い意味は謎だが、ユリンもソルファージュに、急ぎ、
「クッ…! ロクスリー君…ッ! …クッ…ウゥゥ……ッ! …シュメル……ッ! …やけど…ッ! やけど…とにかく…ッ! ソルファージュを何とかせんと…ッ! ミケ=スターライト!
ロクスリーの
ミケが
各所では、火の手が上がっており、それを消すために、セリアが動かしてくれたのであろう、天井からのスプリンクラーや、バーダック、リッド、ケビン、ユリン、マカロニの使う、消火器での、
「救急室付近の消火は済みました! 他の消火は、やっておきます! ですから! セリア! ロクスリー君を‼」
「分かりました!
皆に、消火を任せ、
『セリアさん! どうか! 何としても! マスターを救って下さい‼』
何としてでもロクスリーを助けてくれと、切実に
「分かりました、
「頼むで、セリア! ソルファージュは、ウチらに任せ! やから、ロクスリー君を…‼」
周囲を
「ハイ! リーダー! ソルファージュの消火の方は、お任せします! ですから、ロクスリー君の
ミケの頼みを聞き、ソルファージュはミケたちに任せ、ロクスリーを何とか救い切ると誓うセリア!
「
ケビンが急ぎ、ミケの前に駆けつけ、ブリッジの無事と、
「良し! ほな、
「リーダー!
ユリンが、投げ返す様に、
だが……。
「ミケ! メインエンジン! 非常用エンジン! どちらも、大分、ヤバイくらいに損傷しているぞッ⁉」
バーダックが、ソルファージュの各エンジンの損傷を報告!
「クッ…。とにかく! エンジンとかの、各部の重要箇所は、消火できたんか⁉」
損傷は分かったから、火災の消火自体は、できたのかと、バーダックに聞くミケ!
「とりあえず、火災だけは、何とか消したが……エンジン系は…もう大分ヤバイな…。とりあえず、メインエンジン、非常用エンジン、共に停止だ! ソルファージュは航行不能! どうする、ミケ⁉」
とにかく、消火自体は出来たのは報告したが、エンジン停止によるソルファージュの航行不能も報告するバーダック。
「とにかく、非常用エンジンを修理や! メインエンジンは、
対応の指示をミケがマカロニに伝えるが。
「自己判断で、指示を聞く前に、非常用エンジンから、できる限りで修理して行ったのですが、ポートティリアで
既に修理は
「クッ…。メインエンジンどころか、非常用エンジンすら損傷…。
エンジン系の修理が、部品が足りなくて出来ない以上、このままでは、どうあっても後手に回る事をミケに問うバーダック!
「
ソルファージュのエンジン系が、各部、絶望的な中、ロクスリーの
この防衛で…ッ!
ラフィンスカルを…ッ!
ザインも…ッ!
ザ・パーフェクトも…ッ!
逆に全て滅ぼし尽くす気で…ッ!
防衛しきる…ッッ‼
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