第6話
「セリアッ‼ フェアタイディゲンの追跡、どうなっとんやッ⁉」
ミケさんが、苛立ち紛れに荒い声で聞く。
ミケさんたちの
ソルファージュから、かなり先行して逃げているフェアタイディゲンを何とか索敵し、レーダーで追える範囲ギリギリで追跡している現状なうっていうところ。
「
ミケさんへの質問へのセリアさんの答えに、
「何であの
リッドさんが疑問の声を上げる。
「あれだけの技量の自動戦闘ができる高性能
マカロニさんが自己分析の仮説を述べる。
「何にしても、うちらの
不気味な笑い声を出すミケさん。
マジ怖いっス……。
「リーダーが燃えているッ⁉」
引き気味にユリンさんが言う。
「あの~……やっぱり、あの
「あんッ⁉」
ミケさんが、ギロッ!て音が鳴りそうなくらいに、
「ヒッ⁉」
オイラ、ビビる、ビビる。
「止めとけ、ロクスリー。
ケビンさんが小声で言って来てくれる。
「まあ、メカニックの観点から言わせて頂ければ、本当はボクもロクスリー君の意見に賛成なのですけどね。でも、ミケさんがああですしね……。」
マカロニさんも小声でフォローの言葉を送ってくれる。
「まあ……仕方ないっスよね……。」
ケビンさんとマカロニさんに、オイラも小声で答える。
「リーダー、フェアタイディゲンがアルセカーナの町に到着した模様です。機体反応ロスト。町の自警団の施していると思われるジャミングでレーダーでは探知できなくなりました。どうしますか?」
セリアさんが、これからの指針をミケさんに
「当然、追い掛けて町に入って、しらみつぶしに町内を探索して、見付けてブッ
強気に
「アルセカーナって、一度、私たちが町の自警団の
ユリンさんが、大丈夫なの?と、言外にミケさんに
「だよなぁ……。
ケビンさんも続いてミケさんに聞く。
ちょッ⁉ あんな化け物みたいに強い
「マカロニが、さっき言った、町の
と、ミケさんが、意外に冷静な分析をし、述べる。
ああ、なるほど。確かに、そういう状況なら、自警団も、オイラたちを攻撃しないかもだね。
でも、あの化け物
それだけでも涙がチョチョ切れるんですけど……。
「まっ仕方ないですね。了解しましたよ、
「リーダーは、言い出したら聞かないし、仕方ないよね。こっちもOKよ。」
「メカニックとしてはムダな損害は極力避けたいのですけどね。まあ、こちらも了解ですよ。」
「ホントは、こんな野良試合なんてほっといて、
バーダック艦長が
「了解です! ソルファージュ、全速前進!」
と、
全速で死地に向かうソルファージュ。
嫌な予感がするので、ダメ
「あの~……。前の、
と、ミケさんにオイラの無力さを伝えようとするが、ビキビキッ!と音が鳴りそうなキレギレの鋭い目でミケさんが睨みつけてくる。
「……何とかするしかないんスよね……。ああ……あの化け物
てか、これ、何て罰ゲームなのッ⁉
オイラが
「まあ、あの
ケビンさんが小声でフォローの声を掛けてくれる。
「今のリーダーは何を言ってもダメだしね。まあ、機体の修理と補給は任せてよ。」
ユリンさんも小声ながら、親指を立て、にこやかに話してくれる。
「フェアタイディゲンの性能はボクらも分かっていますからね。ロクスリー君が撃墜されそうにならないようにできるだけフォローしますよ。」
マカロニさんも、優しい声を掛けてくれる。
「皆さん、感謝っス!」
嬉し涙を浮かべつつ、オイラも出来るだけの笑顔で皆さんに返す。
その時、
「ヌッ⁉ アルセカーナの町の方から、いくつか煙が上がっているぞッ⁉ 野郎、ホントにドンパチ始めやがったか⁉」
ソルファージュのモニターの先の
「とにかく町に入りましょう。推測より、実際に見て知るべきです!」
マカロニさんが
「リーダー、アルセカーナの町に入りました。」
セリアさんがアルセカーナへの到着の
「うぉッ⁉ 何か、あちこちの建物が壊されているみてーだぞッ⁉ あちこちで煙が出ているぜッ⁉」
モニターの先の、
「町の自警団のだったっぽい
ユリンさんのその言葉通り、モニターの先には、
マジですかッ⁉
これ、あの
こんな
「
マカロニさんが冷静に分析する。
「とにかく、みんなで出撃やッ‼」
「あいさ、
「OK、リーダー!」
「了解です、ミケさん!」
「分りました、ミケさん!」
「ああ……無事に生きて帰れるんだろうか……?」
ミケさんの
「町のジャミングで通常センサーは使えんけど、熱感知センサーで1機だけ他と離れとる奴が、あの
「了解だ、
「OKよ、リーダー!」
ケビンさんとユリンさんが、ミケさんの指示に応える。
「ソルファージュも、うちらと同伴やッ!!」
「了解だ、ミケ!」
バーダック艦長もミケさんに応える。
「マカロニは、ロクスリー君とトニー君を連れて別ルートから探索やッ‼」
「了解です、ミケさん!」
「マカロニ! ロクスリー君とトニー君は新人や! アイツに逢っても、まずはうち等に連絡して招集! 無理に先行して戦わんように! 逆に、うちらが先にアイツを見つけた場合は先に斬り込んどく! ロクスリー君とトニー君は、マカロニの指示を
「分りました、ミケさん!」
「了解っス、ミケさん!」
「ほな、みんな、行くでッ‼」
ミケさんの
ミケさんたちと分かれ、しばらく進むと他のところより少し大きめの建物から
「
トニーさんが、
「こ……これはッ⁉」
急に、マカロニさんが
「うぇッ!? もしかして
「メーカー品のマガジンはゴッソリ奪われているのに対して、安価なバルク品のマガジンには全くの手付かずですッ‼ どうやら奴は相当なグルメの様ですッ‼」
マカロニさんが、
「いやッ! そんなどうでもいい事で、いちいち
それを尻目に、
「……………………………………………………。」
トニーさんが、通信で、マカロニさんを無言で見つめ続ける。
「何なの、この無言の
何で、ここで無言なのよッ⁉
もっとツッコミ入れるとこなんじゃないのッ⁉
「アッ⁉ あっちの方でも
トニーさんが言いながら、そっちに進む。
「アレッ⁉ オイラのツッコミはスルーで、そっちに行っちゃうのッ⁉」
ダメ
「ああぁ……ッ⁉」
マカロニさんが、また
「今度は何なのッ⁉ 今度こそ
嫌な予感を感じつつも、一応、ツッコミを入れてみる。
「メーカー品の装甲板はゴッソリ無くなっているのに対して、安価なバルク品の装甲板は、これまた全くの手付かずですッ‼ 奴はグルメなだけではなくオシャレさんでもある様ですッ‼」
マカロニさんが声を大にして
「また、そういうとこなのッ⁉ 明らかに
何で、そんなどうでも良い所を探しているのよ、アナタはッ⁉
そして、
「……………………………………………………。」
また、通信で、トニーさんが、再度マカロニさんを無言で見つめ続ける。
「だから、この
無言の圧力、マジ怖いんですけどッ⁉
「オイ、マカロニら!
いきなり、今までの分隊通信用のパーティーチャンネルではなく、全体通信のチームチャンネルで、ミケさんが声を掛けて来る。
「何なのッ⁉ ミケさんまで何か変なボケとかやって来ているのッ⁉ てか、こっちのパーティーの人たちって本来はツッコミ属性よねッ⁉ 何で、みんな、ボケに走っていて、オイラが一人で
オイラが激情の
「うわッ⁉ 何やねん、ロクスリー君、いきなりッ⁉ いや、それよりッ‼ フェアタイディゲンをこっちで補足したから
と、ミケさんが言って、通信を切る。
「あ~、良かった。ミケさんまでボケに走っていたらどうしようと……って、全然良くないよッ‼ このまま
あの化け物
「大丈夫ですよ、ロクスリーさん。フェアタイェイゲンは
トニーさんが冷静に状況を分析し、提案して来る。
「素晴らしいアイデアですね! ボクもそのアイデアに賛成です。では、遠距離用大型レーザーキャノンを渡しますね。ハイ、どうぞ、ロクスリー君。」
マカロニさんが遠距離用大型レーザーキャノンを渡して来る。
「アレッ⁉ 二人とも、ボケ倒し続けるんじゃなかったのッ⁉ ここに来て、いきなり、いつも通りの解説サポートキャラに戻るのッ⁉ さっきまでのボケまくりから、いきなり的確なアドバイス係りに戻られて、ハッキリ言って困惑するんだけどッ⁉ 何、コレッ⁉」
困惑するオイラ。
「何を良く分からない事を言っているのですか? 早く装備して下さい。」
マカロニさんが急かして来る。
「ロクスリーさん、早くしないとまたミケさんにどやされますよ?」
トニーさんにも急かされるオイラ。
「あ……もう二人とも、ボケとか変な
もう痛いのは嫌なのッ‼
「いまいち、言っている事が分かりませんが、無理をして前線に出る必要は無いと思いますよ。カベ役には恐らくミケさんとケビンさんたちが既になってくれていると思います。ユリンさんは恐らく中衛からのサポート中でしょうね。そして、ソルファージュは後方からの支援射撃中だと思います。ですから、ボクたちは
トニーさんが、冷静に状況分析して案を述べる。
「それが
マカロニさんも、トニーさんの案に賛同する。
「おお! アウトレンジから撃つだけな上に、外しても良いんスね! それ良いっスね! その案で行きましょう!」
オイラも賛同の声を上げる。
遠距離から撃って、外してもOKなんて、最高だよねッ‼
「では、2人とも、ミケさんが送ってくれた
マカロニさんが言い、3人で、送られた
「でも、トニーさん、頭良いっスね。フェストゥングの装備を借りて、ゲズ
トニーさんに賞賛の言葉を掛けてみる。
「そんな、たまたま思い浮かんだだけですよ。そんなに
トニーさんが照れながら、鼻の頭を
「と、話は、そこまでですよ! ミケさんたちとフェアタイディゲンが見えて来ました! ここからはパーティーチャンネルではなくチームチャンネルに通信を切り替えます!」
マカロニさんが鋭く言って来る。
「了解っス、マカロニさん!」
「分りました、マカロニさん!」
了承の旨を伝える、オイラとトニーさん。
到着したのは、住宅地を抜けて、ぽっかり空いた様な広い敷地の公園。
その中の、フェアタイディゲンが身を潜めていたっぽい
フェアタイディゲンの奴、隠れていたところを、ミケさんたちに
既にフェアタイディゲンと戦っていたミケさんたちの
うがッ⁉ 各機、一番痛いところを叩かれているッ⁉
フェアタイディゲンの奴、こっちの急所を学習しているんだ!
被弾してないのは、タイニーダンサーだけの様で、ソルファージュも、甲板が、一部損傷している!
フェアタイディゲンの方は、ミケさんにやられた胸部コックピット部分の損傷個所が、
本当にマカロニさんが予想した通り、自己修復したんだ、アイツ!
ラーゼンレーヴェやエンジェルシードにダメージを負わすくらいの超性能!
油断しているとオイラなんて、この前の様に一瞬でやられる!
オイラ、今回は、後衛から一歩も前に出ないぞ!
「ミケさん! マカロニ隊です! 到着しました! 今から、ソルファージュと連携を取って後方から支援射撃を行います! こちらからのレーザー射撃に当たらない様に注意しつつ、フェアタイディゲンを引き付けて下さい! バーダック艦長! 連携、お願いします!」
マカロニさんがテキパキと報告をする。
「おお! 了解や、マカロニ! よし、ユリン! 散開! この
ミケさんも、テキパキと指示を出す。
『了解!』
ミケさんの指示に、みんなが応える。
「セリア! 3連装大型レーザーランチャー、
「了解! 3連装大型レーザーランチャー、
ソルファージュからの艦砲射撃がフェアタイディゲンに向かって
しかし、フェアタイゲンが、スラスターを
流石に、戦艦の攻撃は回避するか!
「アウスブレンデンには実弾兵器しかありませんが!」
トニーさんが、キャノン砲を
そのキャノン砲を、相変わらず、化け物染みた反応速度で、切り払うフェアタイディゲン!
「クッ…!」
何とか回避しようとするが、数発が胴体部に着弾し、アウスブレンデンが失速する!
「トニーさん⁉ クッ…でも…オイラだって
オイラも、マカロニさんから借りたばかりの遠距離用大型レーザーキャノンを
難なく回避するフェアタイディゲン!
でも! それで、コンマでも
「フェストゥングの砲撃、舐めて貰っては困りますね。」
マカロニさんのフェストゥングの肩の大型レーザーレールキャノンが、フェアタイディゲンの
オシイ! でも、この感じなら、今回はイケルぞッ‼
「ケビン! ユリン! 同時攻撃で行くでッ!」
「あいさ、
ラーゼンレーヴェがオサフネを振りかぶる!
「ユリンちゃん! 砲撃! 行っくよ~!」
エンジェルシードが
「1機ずつやったら、
トロイメンカッツェの
しかし、ラーゼンレーヴェのオサフネに
もう、切り払うまでもなく、
そのまま、ラーゼンレーヴェが蹴りを叩き込まれ、吹き飛ばされる!
「グッ…ッ⁉ クソッ! コックピットが揺れやがるッ⁉」
「あうッ⁉ スーパー砲撃超人のユリンちゃんが、逆に砲撃を食らっちゃっているッ⁉」
そのままの流れる様な動きで、
「クッ…なんちゅぅ反応速度やッ⁉ それに、こっちの動きを学習しとる! こら、長期戦はヤバい、一気に決着付けるで! みんな、この前と同じで行く! 四方から、1、2の、3で……」
と、そこで、ミケさんが指示を言い終わる前に、オープンチャンネルで、
「その機影たちッ‼ 見忘れはせんぞッ‼ アヴァドンのミケの
と、アルセカーナの自警団とおぼしき人が、オイラたちに向けて通信して来たッ⁉
「見たら分かるやろッ⁉ 不甲斐ないオマエらに代わって、この町を
フェアタイディゲンが
「クッ……確かに、それが本当なら、我々としても渡りに船だ。だが、オマエは、アヴァドンとまで呼ばれるほど貪欲に強奪を繰り返す極悪人だ! それに、オマエたちは、既に1度、我々から
このクソ忙しい時に、勘弁して欲しいんスけど……ッ⁉
「いちいち食い下がるなぁ……。もし、うちらが本当に強奪しにこの町に来たんやったら、この
しつこく食い下がる自警団の方に、ミケさんが鋭く切り返す。
「クッ……確かに
と、自警団の方が言い、オープンチャンネルの通信を切る。
直後、センサージャマーが解除されたみたいで、センサーにフェアタイディゲンと、自警団たちの
「フンッ! 始めっからそうしとったら良いんや! よし!
ミケさんが、フェアタイディゲンにトライバレルのバレットを
「この化け物
ホッと
「よし、ほなら、さっきの続きや! この前と同じで、1、2の、3で、みんなで四方からレーザー射撃や!」
『了解!』
ミケさんの号令の下、みんなで、フェアタイディゲンの四方を囲む!
「いくで、みんな! 1、2の、3ッ‼」
最初に飛んだソルファージュの3連装大型レーザーランチャーを、フェアタイディゲンが、スラスターを
次弾で飛んだアウスブレンデンのキャノン砲を切り払う!
コンマの差で、最初に来た、タイニーダンサーのレーザーを切り払って
レーザーをミサイルで
でも、流石の
マカロニさんのフェストゥングの大型レーザーレールキャノンの一撃を、最後のあがきで頭部バルカンで
フェアタイディゲンの頭部に着弾し、頭部が破裂するッ!
「フランメ! 二刀流や!」
タイニーダンサーがトライバレルを
ミケさんのタイニーダンサー、まだ奥の手みたいなのを隠してたのッ⁉
でも、レーザー刃を出さず構えるって事は、あのフランメって短剣たち、短剣型のレーザーセイバーなんだッ‼
しかも、このタイミングで、
「必殺! 剣の舞や!」
タイニーダンサーが、空中で、短剣の
効果範囲はレーザーブレードより短いけど、それが逆に、小回りが利く様で、タイニーダンサーの機動性と相まって、斬る時の振り抜きが、めちゃ素早いッ‼
その上、レーザーの出力は、トライバレルのレーザーソード以上あるんじゃないのッ⁉
「二刀流で、2倍返しや!」
「そらそらぁーッ‼」
今度は回転方向を反対に変えて、左腰に
「これが…ッ!」
フェアタイディゲンを真正面に
「ホンマの…ッ!」
そこから右手を逆手のまま、8時の方角から2時の方角……左下から右上に、斬り上げ!
同時に、左手も逆手のままで、3時の方角から9時の方角……右中央から左中央に、斬るッ!
剣の舞のフランメの連撃で、フェアタイディゲンの
「ドヤ顔や…ッ‼」
最後に、上方から、逆手のまま両手で、下方に
そして、その
既にボロボロだったフェアタイディゲンの胴体部が、
これで決まりだッ‼
「やった! やったでッ‼ やったったでッ‼ これでアイツのせいでお
歓喜の声を上げるミケさん。
しかし、そこで、ミケさんのタイニーダンサーにバズーカとミサイルが降り注ぐッ⁉
虚を付かれた為、
うがっ! 何なのよ、一体ッ⁉
「な……何やッ⁉」
そりゃそうだよ! オイラも
「ちょっ……フェアタイディゲンを倒したのに、どこから攻撃が来たのッ⁉」
「やはり
アルセカーナの自警団の方たちが言いつつ、
「えっ、何でッ⁉ オイラたち、あの人たちの代わりにフェアタイディゲンを倒して、この町を救った、いわば英雄よッ⁉ それが何で攻撃されているのッ⁉」
「うちにも分からんぞッ⁉」
ミケさんも、謎の
「でも、何か、凄く敵意を向けられているわよねッ⁉」
ユリンさんも、
「クッ……一体どうなってやがんるだッ⁉」
いつも
「
と、アルセカーナの自警団の団長とおぼしき方が言って来る。
「うあっちゃー……。」
ケビンさんが、
「何で、そんなピンポイントなとこ見ているのッ⁉」
マジで、何でよッ⁉
オイラの叫びを無視して、
「きっと、さっきの赤い
と、自警団の団長と思われる人物が捲くし立てる!
「強烈な勘違いだけど、私たち、叩けばホコリの出てくるとこだし、確かに、この町も前に1回強奪しに来たものね。リーダー、これどうするの?」
「えーい、しゃーない! 売られたケンカは買う主義や! こうなったらコイツらの誤解をホンマにしたる! コイツら
ヤケクソ気味に、ミケさんが
「ちょッ⁉ あの
余りの無謀な
「ロクスリー君、ちなみに言っとくけど、前にウチらがコイツらから
ミケさんが、あえて敵味方オープン通信のオープンチャンネルで、残酷にも告げる。
「うぇッ⁉」
「ロクスリー君ってリバOKっぽいから、もし彼らに負けて捕まりでもしたら、人気者になりそうだね!」
と、ユリンがニコニコ笑顔で、凄く楽しそうに言って来る。
「ちょッ⁉ マジそんなの勘弁なんだけどッ⁉」
そんな
そのやり取りを見ていたアルセカーナの自警団の団員たちが、オープンチャンネルで、次々に赤らめた顔を見せるッ⁉
それが、引き金になった。
「何を……」
ゲズ
「顔を赤らめて……」
さっきフッ飛ばしたジーナの横に居たガトナスをスタンアンカーでスタンさせる!
「やがんだ、テメェらッ⁉」
スタンさせたガトナスの
「そら、こうなったら、もちろん、ブッ
叫びながら、同じザヌスに向かって追撃でマカロニさんから借りた遠距離用大型レーザーキャノンを撃って撃墜する!
そして、距離を取ってマカロニさんのフェストゥングとトニーさんのアウスブレンデン、ユリンさんのエンジェルシードとバーダック艦長たちのソルファージュたちから援護防御を取って貰える位置までライドブレードを稼動させ火花を散らしながら移動する!
「スゴイ……ロクスリーさん……。」
「ヒュー! やるじゃねぇか兄弟!」
ケビンさんが口笛を吹きつつ
「いつも
バーダック艦長も、
「火事場のバカ力というモノかもですね。よっぽど嫌だったのでしょうね、アレ。」
マカロニさんが中指でメガネをクイッと上げながら冷静に言う。
「でも、ムサ苦しい自警団の人たちに無理やりホルモンされるロクスリー君ってシュチエーションも、
と、鼻血をボトボトと
「ネェーよッ‼ 怖ぇーよッ‼ それだけは絶対にゴメン
マジ、そんなの、勘弁ッ‼
「ハッ⁉ 出してない! 出してないよ⁉ 花も恥じらう純情乙女のユリンちゃんが、鼻血なんて出してないよッ⁉」
だから、何でアナタは、それで鼻血がバレてないと思えるのッ⁉
「えーい! 辞めんか、ユリン! でも、ようやったでロクスリー君! これで、自警団たちは浮き足立ったで!」
と、ユリンさんを
「クッ……。ちょっとタイプだからオープンチャンネルのモニター越しの姿に気を取られたが、もう手加減はせんぞ!」
自警団の団長さんっぽい人が、ちょっと頬を赤く染めながら言って来る。
「何、ツンデレっぽくなってんのッ⁉ そういうの、マジ辞めてッ‼」
フェアタイディゲンに
この自警団たちからは、ドス黒い
「とにかく見た目がゲズだからというところでも油断したが、逆に、今ので、そっちがエースと見た! となれば、外張りから埋めるべきだ! みんな! 他の
と、自警団の団長さんが
『了解です、団長!』
と、それに応える団員の方々。
「ええい! 相手はやる気マンマンや! なら! こっちは、相手を
と、ミケさんが
その言葉が、開戦の合図となった!
「いくぞ、
自警団の
さっきの自警団の団長の言葉通り、オイラを無視して、ミケさんたちの
「クッ…
いつもなら、アリーエルスラスターの超加速で難なく回避するラーゼンレーヴェだが、
「空を飛べると言っても、オレたちザヌス隊のガトリングの
「クッ……さっきの不意の一撃で、左手を損傷したから、
「そこの
エンジェルシードとフェストゥングに向かって、ゲズとジーナがバズーカとレーザーライフルを
「クッ……こんなに近づかれたら……ッ⁉」
「マズいですね……。」
フェアタイディゲンと戦っているところを、背後から自警団に
「クッ……ユリンちゃん、近接格闘戦だけは苦手なのに……ッ‼」
エンジェルシードが、
ユリンさんの叫びの通り、ユリンさん、格闘戦は
そのユリンさんのエンジェルシードに、反撃とばかりに、
「喰らえ!
ガトナスが蹴りを繰り出し、エンジェルシードがよろけたところに、スタンアンカーを振るって来る!
そのスタンアンカーを、ユリンさんが、レーザーソードで何とか切り払う!
「チッ! だが、これで!」
アレ⁉ ユリンさん、切り払いは、メチャ上手いぞッ⁉
そのままの勢いで、エンジェルシードがレーザーソードを振るうが、何故か、あさっての方向に
この人、格闘兵装で防御するのはメチャ上手いけど、攻撃するのは
「クッ……ユリンちゃん、大ピンチ! 誰か、ヘルプ~ッ‼」
ユリンさんが、涙目で、救援コールを送ってくる。
「ボクもショートレンジは得意ではないのですがッ!」
マカロニさんのフェストゥングが、ショートレンジ用の
いつものフェストゥングの砲撃から比べれば、一見、ショボい攻撃に見えるけど、軽装甲のガトナスにとっては脅威の攻撃!
「クッ……ッ! 弾幕が厚いッ⁉」
胸部装甲を撃ち抜かれ、たまらず後方に下がるガトナス!
「ユリンさん! マカロニさん! 援護します!」
トニーさんのアウスブレンデンが、中空からグレネードランチャーを
「オイラだって、
ガトナスの他に
「みんな、ナイス! アリガトね! そこのガトナス! よくもボコってくれたわね! ユリンちゃんから距離を取るなんて、叩いてくれって言っている様なモノよ! その位置は、ユリンちゃんの
ユリンさんの叫びに呼応して、エンジェルシードの
「グッ……足をやられた!」
「足をやられた格闘戦機体くらい、オイラでも!」
オイラの遠距離用大型レーザーキャノンの一撃が、ガトナスの胴体部を貫く!
「クソッ! だ…脱出するッ!」
ガトナスの人が脱出ポッドで逃げる!
「スーパー砲撃超人ユリンちゃん! 本領発揮! 砲撃開始~!」
ユリンさんの
これは行けるぞ!
「ケビン! 長期戦は、損傷している、うちらやと不利や! アレ行くで、アレ!」
「了解だ、
『
2機揃ってローリングしながら、チャージした偏向レーザーを自警団たちに向かって撃つ!
タイニーダンサーたちを
「クッ……何て威力のパルスレーザーだッ⁉」
隊長機の角突きのザヌスが吠える!
最初はフェアタイディゲン戦の損傷で苦戦したけど、これなら行ける!
このまま畳み掛ければッ!
そこで、
「リーダー、3時の方角から、未知の機体反応多数! こちらに向かって来ます! 数、およそ、50!」
セリアさんが無茶苦茶な報告をして来たッ⁉
「ご…50ッ⁉ なに、その大部隊ッ⁉」
余りの無茶な数の報告に
「未知の反応が50やとッ⁉ 1部隊で、それだけの数を揃えられる部隊っちゅうのは、今のティアナやと1つだけや! クッ……厄介な奴らが来おった……。」
ミケさんには、何が着たのか、想像が付く模様。
と、そこで、3時の方角から、続々と
その中の先頭に居た
「アルセカーナの自警団の皆様!
と、言い出したッ⁉
「な…何スか、この人たち⁉」
「新ティアナ統合軍……。15年前の戦争を起こしたティアナ統合軍の流れを
ミケさんが苦しげに言って来る。
今のティアナでの最大勢力って、そんなヤバい相手なのッ⁉
ちょッ⁉ マジ勘弁なんだけどッ⁉
「クッ……、我々、自警団に、オマエたちの軍門に下れと言うのか⁉」
「そうではありません。これは、あくまでも、アナタ方が
なッ…⁉ 何言ってんの、この人たちッ⁉
「その、寄り添うという行為をしなかった場合は?」
「それは、アナタたちが決める事です。
「何、言っているの、この人たち⁉ 口だけ上手いけど、
何なんだ、コイツらッ⁉ マジで無茶苦茶だッ⁉ 横暴過ぎるッ⁉
「クッ……では、我々自警団が、そなたらに寄り添うという選択をした場合、このアルセカーナは助けてくれるのかッ⁉ 何か他の条件もあるのかッ⁉」
「条件というより、協力要請事項です。アルセカーナの
「何度も尋ねるが、貴殿らに寄り添わなければ、
と、自警団の団長さんっぽい人が聞くが、
「それは、アナタ方が決める事と述べた通りです。仮に、ここで、
「無茶苦茶過ぎる! ミケさんの名の通りを利用して不安を
思わず、叫んでしまうオイラ。
だって、マジで無茶苦茶なんだもん!
コイツら、あのスナッチャーザインよりも、よっぽど
「少年…。それは違いますよ?
と、
その清々しさが、逆に毒づいて感じられて、本当に気持ち悪い…ッ‼
コイツらからは、ダメ人間なオイラでも、
「クッ…分った。
自警団の団長さんが、
「了解ました。この場は、
そう
「クッ…!
ラーゼンレーヴェが、
「グッ…! モロに食らってもうとる…ッ⁉」
中空を飛ぶタイニーダンサーも、
「ケビン⁉ リーダー⁉ クッ……いま、ユリンちゃんが助けるからねッ!」
ユリンさんが、
その攻撃で、ダギナスの先頭の数機が、
「味方陣営への被害を確認! 応戦します!」
ダギナスの反撃のレーザーライフルの一撃が、エンジェルシードを
「キャッ!?」
ユリンさんが、胴体部への攻撃を、右手で庇う!
しかし、無敵装甲のはずのエンジェルシードの右腕が被弾により、大きく
あのエンジェルシードの装甲を、あんなに損傷させるなんてッ⁉
あのレーザーライフル、トライバレル並みの出力なのかッ⁉
「食らえ!
ダギナスたちが、エンジェルシードに追撃のレーザーライフルを
その攻撃を、
「ユリン!」
フェストクングが肩代わりし、レーザーを相殺する!
「マカロニ! サンキュ…」
ユリンさんが、感謝の言葉を掛けようとした、その刹那!
「レーザーを相殺できてもなぁッ!」
ダギナスが、
「あぅッ⁉」
「クッ…こう実弾で来られては…ッ⁉」
レーザーなら無敵なフェストゥングも、実弾の雨あられで身動きが取れないッ⁉
タイニーダンサーが、ラーゼンレーヴェが、エンジェルシードが、フェストゥングが、ダギナスたちのガトリングの十字砲火で、少しずつ、だけど、確実にダメージを蓄積していくッ⁉
「クッ……このままみんながやられるのを黙って見ているだけなんて嫌だ! だったら、オイラが! オイラだってッ‼」
手近のエンジェルシードとフェストゥングにガトリングを
ミサイルもバズーカも、ことごとく回避されるが、これでエンジェルシードたちへの攻撃が止んだだろ! だったら!
「ユリンさん! マカロニさん! 距離を取って砲撃を! ここはオイラが
と、指示を言い終わる前に。
「はしゃぐな! このカラフルゲズ
オイラの攻撃をいなしたダギナスの部隊が、あの超出力のレーザーライフルをゲズ
「思い出した。死ぬってこんなに痛いんだ……。」
圧倒的な痛みが
皮膚が溶ける痛み。
骨が溶け落ちる痛み。
眼球が焼け
全身が痛覚の神経になった様に痛みだけを
そして、急激な
そこで
一瞬、世界が一点に集約される様な妙な感覚を覚えた。
ボヤけた視界が、徐々に
「ええい! 相手はやる気マンマンや! なら! こっちは、相手を完膚なきまで潰すだけや! みんな、売られたケンカは買うで‼」
と、ミケさんが
ここからなのッ⁉
メチャクチャ、前に戻っているんだけどッ⁉
でも、ここに戻ったって事は……
「ミケさん! ここに、
「何やてッ⁉」
オイラの突然の叫びに、目を丸くするミケさん。
「奴らが来たら、フェアタイディゲン戦で疲弊したオイラたちじゃ絶対に勝てないっス! 自警団たちとも、殲滅を目標に戦っている時間的な余裕が無いです!
このオイラの発言を聞いて、
「また、ロクスリー君の
全幅の信頼を寄せてくれるミケさん!
しかし、
「ちょッ⁉ ソルファージュ! セリア! レーダーで、それ、
ユリンさんが、ソルファージュのセリアさんに矢継ぎ早に聞く!
「いえ、ソルファージュのレーダーでも、まだ、
セリアさんが、冷静に状況を報告してくる。
「ちょッ! リーダー! ソルファージュのレーダーでも捉えれてないのに、信じるのッ⁉ こんな混戦中に逃走なんて、後ろから狙い撃たれるだけじゃないッ⁉」
ユリンさんが、非難の声を上げるが!
『ユリンさん。マスターは、普段は弱腰で、逃げも隠れもしますし、ウソもよく
「
その
「
ユリンさんが
「そういう事や! ユリン! ロクスリー君の指示に従い! これはリーダー命令や! こうなった時のロクスリー君の
ミケさんが、ダメ押しで、リーダー特権の強制命令を発動する。
「もう! 言い出したら聞かないんだから、リーダーは! 仕方ない! ロクスリー君、私たちの初動の指示は⁉」
オイラを全面的に信じたかはともかく、なるようになっちゃえ、という感じで、ユリンさんが聞いて来る。
「自警団の
そこまでのオイラの指示を聞いて、ユリンさんどころか、ケビンさんも、マカロニさんも、ポカンとした顔で、モニター越しのオイラを見る。
「ど…どうして、ユリンちゃんが近接格闘戦、
「しかも、何で、格闘兵器での斬り払いは上手いって、詳細まで知ってんだよ⁉」
ケビンさんも、目が点と言った感じで、
「これは…ミケさんの判断…あながち間違いじゃないかも知れませんね。実に興味深い。」
マカロニさんが、中指で、メガネをクイッと上げつつ、真実、興味深そうに言って来る。
「とにかく、皆さん、お願いします!」
「OKや、ロクスリー君! みんなも頼むで!」
「分かったぜ、兄弟!
「ボクも、ロクスリーさんの指示に従います!」
「どうなっているのか分かんないけど、こうなったら、ユリンちゃん、やっちゃうんだから!」
「こちらも、OKです。ミケさんの認めるロクスリー君の能力の
みんなが
「何をゴチャゴチャ言ってやがる!」
自警団のうち、エンジェルシードの近くのガトナスが、レーザーソードを構えて爆ぜた!
「ユリンさん!」
「了解だよ!」
エンジェルシードが、
「トニーさん! オイラと一緒に!」
「了解です!」
ガトナスを先頭に、エンジェルシードとフェストゥングに向かってきた自警団の
「クッ…弾幕が厚い!」
そこに!
「その距離は、ユリンちゃんの
エンジェルシ-ドの
「グアッ⁉ 頭部をやられた⁉」
「ボクも忘れられては困りますね!」
フェストゥングの大型レーザーレールキャノンの砲撃が、後方に下がった
「ケビン! こっちも行くで!」
「あいさ!
ラーゼンレーヴェとタイニーダンサーが、トライバレルを構え、背中合わせになり、
『
2機揃ってローリングしながら、チャージした偏向レーザーを自警団たちに向かって撃つ!
タイニーダンサーたちに接近していたザヌス部隊やゲズやジーナ部隊が、見る見る被弾して行く!
「グ…ッ!? 何て威力のパルスレーザーなんだッ⁉」
「よし、
「了解だ!
ミケさんとケビンさんが、後衛のオイラたちに合流!
「バーダック艦長! お願いっス!」
「任せとけ! セリア! 3連装大型レーザーランチャー!
「了解! 3連装大型レーザーランチャー!
ソルファージュの艦砲射撃が、自警団たちを
ガンスリンガーパレ-ドで被弾していた自警団たちが、
「よし、
『了解!』
全員で、ソルファージュに乗り込む!
みんながソルファージュの甲板に上ったところで、
「ユリンちゃん、ダメ押し!
エンジェルシードが、
「グ……ッ!?
自警団団長が、恨みがましい声を出すが、もう遅い!
ソルファージュの全速のダッシュで、見る見るアルセカーナの町が遠くなって行く。
その時、
「リーダー! 3時の方角に、未知の機体反応多数! その数……50ッ⁉ ロクスリー君の言っていた、
「凄い…ロクスリーさんの言った通りになりましたね!」
「マジかよッ⁉ ロクスリー、オマエ、エスパーか何かかッ⁉」
「ほ…ホントになるなんて⁉ ユリンちゃんビックリッ⁉」
「ボクがカスタマイズしたとはいえ、ゲズ
口々に
「いや、そういう話は、後で良いんで! リッドさん! 全速で逃げて下さい!」
「了解、ロクスリー君! ソルファージュ、全速前進!」
ソルファージュが、一際大きな振動を起こす程に加速する!
「
セリアさんがホッとした声で、報告して来る。
「た…助かった……。」
緊張の糸が解け、脱力するオイラ。
そのオイラに向かって、
「すげぇ! すげぇよ、兄弟!」
「ロクスリー君、どうしてこうなるって分ったのッ⁉」
「とても興味深いですね。」
皆さんが、
「えと……説明が難しいんスけど……」
と、オイラがしどろもどろになっていると。
「ロクスリー君、前も、説明が難しいって悩んどったけど、うちの見立てやと、ロクスリー君には、危険が
と、ミケさんが、締めくくる。
「
「いつも、逃げ腰なイメージだったけど、こんな特技があったんだね!」
「凄いです、ロクスリーさん!」
「非常に興味深い。
皆さんが、やんやの
「う~ん……そういうのとは違う気がするんスけど、もうそれで良いっスよ。」
とりあえず、説明は
『マスター。私は、マスターを信じていましたよ。ユリンさんや、皆さんも、今回のことで、マスターが、ここぞという時には、ウソを言わない方だと、
「
中空に浮かぶ
すると、本当に触れたワケでもないけど、
「うんうん。ロクスリー君と
ミケさんが、ニッコリ笑顔で、そう言ってから、
「でも、まあ、ロクスリー君の特技も見られたし、
と、言い出した。
そのミケさんの一言で、全員、ブリッジに移動。
「おっ! 来たな、ロクスリー!」
「ロクスリー君、凄かったよ!」
「ソルファージュの
ブリッジに着くと、バーダック艦長たちにも、ヤンヤの
何か、こんなに
「まあ、その話は、また後で。とりあえず、セリア、飲みモン頼む。今日は疲れたでぇ~。」
ミケさんが、ブリッジのリビングスペースのイスに座って、机につっぷして、グデ~っとなる。
「は~い。みんなも、コーヒーなんてどう? ホッと
セリアさんのその言葉を聞き、
「じゃあ、オレ、ブルーマウンテンな、セリア!」
「ユリンちゃん、モカ!」
「ボクはエメラルドマウンテンをお願いします。」
「セリア、オレにはグアテマラ、エスプレッソで頼むわ。」
「セリアちゃん、ボク、キリマンジャロで。」
「ぼ…ボクは、何でも良いです。」
次々に皆さんが、セリアさんに注文を頼む。
「あ、じゃあ、オイラ、スマトラで。」
オイラも、お願いしてみる。
「はぁ~い。みんな、順番ねぇ~。あ、これ、リーダーに。」
セリアさんが、1つのカップを手近に居たトニーさんに渡す。
「これは……? ホットミル…ク…? ……にしては、ぬるいですね?」
「ミケはコーヒーが苦手なんだ。その上、
バーダック艦長が、ヤレヤレという感じで、大げさに
「ほっとき! うちが、何が苦手でも、アンタに迷惑掛けてへんやろうが!」
「ハッ、こんな事で、カッカ来るなんて、やっぱりお子様だな。これからは姫さんじゃなく、オシメ様と呼んでやろうか?」
「ムキー! おっさん、いっぺん、そのヒゲ引っぺがして、特徴の無いのっぺりした顔にしたろうかッ⁉」
「まあまあ、リーダー。艦長。せっかくセリアちゃんが入れてくれた飲み物が冷えちゃうよ?」
ヒートアップしたお二人を、リッドさんが、いなしてくれる。
「むっ…コホン。オレが
「ま…まぁ、ぬる目が好きやけど、冷めるんはあかんな。」
お二人が、
リッドさん、スゲー!
普段、影薄いけど、ここぞっていう時に、
「はい、ロクスリー君。スマトラだよ。」
セリアさんが、コーヒーを渡してくれる。
「あ、はい。……うん? いま、ふと思ったんスけど、あの……アルセカーナの町に
ふと、嫌な予感に、背中が寒くなる。
「
ミケさんが、あっけらかんと言う。
だけど、それってッ⁉
「うがッ……ッ⁉ 最ッ悪ッ‼ 一部隊で50機ッ‼ しかも、ソルファージュの
叫ぶオイラ!
ちょッ!? マジ勘弁‼
「いまさら、何、言っているのよ、ロクスリー君? ロクスリー君には、『ロクスリー君が、私たちトロイメンカッツェのエースパイロットだ』っていう情報が流れて、
ユリンさんが、嬉々として、ニッコリ笑顔で告げるッ⁉
「うがッ‼ 最ッ悪ッ過ぎて気が遠くなるッ‼」
涙で前が見えませんッ‼
「まあ、今日ので、兄弟はヤレば出来るって分かったし、何とかなんだろ?」
ケビンさんも、ニコニコ笑顔だッ‼
「
バーダック艦長も、人ごとだと思ってッ‼
「まあ、
…ミケさんが
ああ、天国の父さん、母さん。
オイラは、今日、故郷の人たちから指名手配された人から、ティアナで
全く嬉しくありません。
涙が出ちゃいます。
これからオイラ……本当に……どうなっちゃうの…ッ⁉
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