第2話 魔降の日 ②

「グゥー!」


 お腹が空いたか! そういえば、生まれから何もためなかったよね。さらに、これほどに運動していた。空いたのは当たり前よね!


 食べ物はこと? 食べ物! カエルなの!!


 カエルの死体を見て、吐きたい! これは絶対に食べたくないよ! 私は女神よ! そして、絶対に美味しくないよ!!


「グゥー!」


 空腹の感じがもっと強くなる。このままだと、餓死かもしれない。なら、一口食べてみよう。


 カエルを見て、体は既に黒くなった。これが私の毒に決まってるよね。体はもう無理よ。自分の毒に中毒なんて、笑わせるよ!! 足はまだ緑色だった。ここはまだ毒に侵食されなかったらしい。それじゃ!


「カム!」


 ぐえいい!! 何よ!! この生臭いにおい!! 胃袋からのこの感じ!! もうダメ!!! 


 カエルの肉と苦い胆汁を吐き出していた。


 どうやら、いくらヘビになっても、味覚はまた同じだった。


「グゥー!」


 ヤバイ! あれを吐き出した後、空腹感が更なる強くなった。このままだと、本当に餓死するよ!!


 きゃっ!! 背中にじめじめした感じ、また天井の水か! 女神様が生死存亡に迫っている瀬戸際に立ているよ! まったく!!


 アレ!!天井の水より、少しだけ温度を感じていた。まさか!! 何かの生き物が流れた涎じゃないよね!!


 突然、何かに掴まれている。地面が! 地面がどんどん遠くなってきたよ!


 一体何よ! そして、どうして「サポートシステム」は何の知らせもなかったよ!


「サポートシステム」、相手の情報を確認せよ!!


【マスターの種族ランクを超える魔物について、索敵不能になります】


 嘘よね!! つまり、進化した魔物か!! なら、自分の目でこいつをみつめよう!


 そうおもったが。相手に掴まれている私が身を回ることもできず。このままに、何も知らずに死ぬか!!?


 何!? あいつがもう一本の爪で私を回していた。 


 知らずに死んだらいいのよ!!! こいつの顔を見たくない!!!


 目の前には、顔のサイズだけで、私より何十倍大きい!! 視野の関係で、顔以外にはほぼ見えなかった。それだけでも分かるよ!! 赤色の鱗に覆われている体。頭上に三本の真っ黒な角が生えている。そして、後ろにぼんやり見える赤い羽がない翼!! こいつはドラゴンだよ!!!


 なんで私だけこんなのひどい目に遭うのよ!! あいつの腕が動けた!! 顔にどんどん近づくよ!!


 ダメ!! 私をたべても、お前の食事問題を解決できないよ! 放せ!! 


 渾身の力で藻掻もがいている。しかし、ドラゴンが既に口を開いた。ドラゴンの口の中、まるで血の地獄のようだ。


 ドラゴンがその鮮紅な舌を出し、私を舌先に乗せて、口に戻ってた。


 痛い! こいつの舌の上に、無数な茨のようなとげが生えている。まるで針の山にいるようだ!! 


 もういいよ!! 早く飲み込みなさい!! 死んだら神界に戻り、あの二人していた悪事を神々の王に報告するよ!


 どうして! どうしてまだ飲み込まないの!!? あそこの牙が動けた! こっちに来る!! まさか、私を噛み砕いて食べるつもりか!!


 来ないで!!! やめろう!!


「スー!」「スー!」な声しか出ない私はどんなに抵抗しても、もうすぐ起こる惨劇が止まらない。


 やめろう!!! 目が!!! しっぽはダメ!!! 痛い!!! 


 あああああああああああ!!!


 意識がなくなった私は粉々になり、呑み込まれてしまった。


 もう何も感じない。憎しみもない。すべて無に戻る。もうすぐ神界に戻れる。もうすぐ


 …………


【スキル神の不死身LVMAX 習得しました】


 痛いいいいい!!!


 意識が戻った。何かに腐食されるようだ。確か、さっきが噛み砕かれたはず。どうして、まだ生きているのか? そして、これは!? 


 目の前の光景は二度と見たくない。


 鱗に覆われている体が酸の腐食で、鱗、肉、目、そして骨まで溶けている。一瞬だけ、もどのヘビに戻ってきていた。さらに、瞬間で溶けていた。


 自分の死を無限に味わうか!? これは一体になによ! 状態を確認!!


【ナクラログ864年、魔降の月31日、22:59:59、リグナクス地下大迷宮B9 名前:なし 種族:へび 性別:メス レベル:2 種族ランク:1 種族レベル:2 HP:12 SP:3 攻撃力:5 精神力:3 防御力:4 魔法防御力:3 素早い:5 状態:やけど】


【スキル:毒の牙LV2、毒煙どくえんLV1、暗視LV2、女神化LVMAX、神の不死身LVMAX】


 神の不死身は何よ!! そして、HPが12と0の間に変わり続けている!! まずはそのスキルを確認!!!


【スキル神の不死身:神の魂を受ける器が死の際に、無限に生き返れる。習得条件:神として一度死ぬこと】


 嘘よね!? つまり、これからの100年に、無限に死と生き返るがせめぎ合う。


 もう、噛み砕かれた痛みも、やけどの痛みも、何も感じない。


 どうして、私はこんなに落ち着いているの? 神であったためなの? 


 イヤ! 違うよ! 神界には、たくさん友達がいるよ。たとえ問題児として私も、一緒に笑っている友達がいる。 


 だから、いくらどのようなひどい目に遭ったでも。常に冷静さに保たれる。


 そうよ。痛みを感じない。憎しみも感じない。このまま寝て、100年を経って、神界に戻る。


 …………


【隠す状態「精神支配」の解除条件「1分間以内に666回以上死ぬこと」達成します。「精神支配」を解除します】


「精神支配」って、なんのこと。そんなことを憶えなかったよ。


 あ、痛い!? 頭に何かが一気に流れ込まれるようだ! こ、これは!!


「ミルリアナ様!また叱られたよ!毎日毎日ゲームのことを……」


「あぁ。そうよ!ミルリアナ様は神の自覚がないの?他人に迷惑を掛けないでくれ……」


 何よ! これは! 前にアレクス様に叱られた時。私を慰める二人じゃないの? どうして記憶と違ったの!?


「これは神に食べさせるものか!?」


「なによ! その目! みんながお前のこと嫌いよ! 早くどこに死なさいよ!」


 これは! 転生課の皆さんだ! どうして私作ったケーキを踏み潰すのよ! みんなが楽しんで食べたはずだった!!


 …………


「ミルリアナよ! 君のような問題児はこの神界の恥だ! 今すぐ君の考えを直す。怖くないよ! 脳神経をもう一度組み合わせだけよ!!!」


「やめてください! その剣で何を! レイグセルク様!! そんなことだけ!! そんなことだけ!! お願い!! やめて!!! もうネットゲームのこともう二度と触れないよ!」


「まだわからんのか? 君は我々との異なり! 古代神の末裔として君が我々に対する脅威だ! 自らの血を憎みなさい!!」


 これは、忘れさせられた記憶だった。あの日、神界の王・レイグセルク様が私の脳を改造していた。どんなに哀願しても助けなかった。あの非神道的な改造を!!


 アハハ!!! アハハハ!!! 


 もう全部思い出した。どんなひどい目に遭うこと。心に傷つけられたこと。今までのすべて、精神支配で偽の記憶であった。はっきり裏切られていたよね!! 


 ウフフ! 感謝するよ! 私をヘビの姿に変わる! 


 思いがけないでしょう! あんなキモイ死に方で支配を解除できるなんて!


 後悔しろ!! お前ら残った時間は10日間しかないよ! 


 この100年の中に、必ずお前らを虐殺する力を手に入るよう!!


 ちなみに、古代神の末裔のことは何? チッ! せっかくいい気分なのに。こんなことはどうでもいいよ!!


 どんな理由でも、裏切られたことは事実だったよ!! もうきめるよ!! 敵は神界にいるすべての神だ!!! これだけもう十分だ!!


 殺す! 殺す! お前ら神々を虐殺しろ!! 


 あぁぁ~ 忘れちゃったね。神は不死身だよね! ならば、私のように、無限に死を味わおう!! 


 ウフフ! ハハハ! アハハハハ!!!


 痛い!!! そして、もう一度強酸による溶けられている自分の体を見ていた。


 もう、ダメ!! 胃袋から胸に、更なる喉まで、このキモイな感じ!!!


 苦い胆汁を吐き出してしまった。


 ウフフ!! いいよ!! いいんだ!! これが支配から解放していた感じか!? 


 いいよ!! この感覚、絶対に忘れないよ!! いつの日に、お前ら神々をこれより数百倍で返すよ!! この私、イヤ、我の手で、まとめて殺す!!! ウフフ!!


 楽しんで待ってくれよ!!!

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