【オンライン】347話:繋がったイベント③
話し合いの結果で、別に敵対の意思は無いと思うという事で付いていく事にした。
非戦闘員がこちらには三人で、此処が相手のテリトリー内であるならば、こちらが勝つのはまぁ無理だろうって事で大人しく付いて行くしかないんだけどね。
「この奥は少し危ないんじゃ? こちらには戦えない者が三人も居るんでござるよ」
『はは、安心しなよ。このまま真っすぐ行けば確かに荒っぽい奴等が多いがね。アタシが居るし、何よりも今じゃあ従順なしもべさね。何度も力の差ってヤツを解らせてやれば、大人しくなるんだぞ、こいつ等には生まれ変わりって概念が無いからね』
「いったい何回倒したのよ」
ケリアさんが呆れながらバシアさん見ている。
『さぁねぇ、数えてない四ケタくらいは戦ったと思うけど』
アンデットの骨達に戦わないという刷り込みをするまで、ずっと叩き潰してたんだろう。
完璧に洞窟内の主として君臨している感じだ。
骨さん達が道を譲り、灯りを灯して道案内を始めている。中には隅によって震えながら敬礼をしている骸骨まで居るんだから、相当数同じ子達を磨り潰してきたようだ。
「此処は行き止まりではござらんか? 採掘場所にもなっている場所の筈なんだな」
『そうだね、周りの壁なんかは普通さ、上と下に細工がしてあってね。コイツを使わないと起動しない仕掛けってもんがしてあんのさ』
「ふム、そうだな。この場所ゼンタイにはミョウな魔力陣がツクられている」
パニアが興味深そうに話し始めて、胸元のタリスマンがキョロキョロと辺りを見回す。
〈わかるの?〉
「凄くない⁉ パニアんっては何時の間にそんな技術を身に付けて」
「ふフ、ダテに師匠達にオシエを請うてはイナイ、これくらいはミヤブレなくてはな」
パニアさんや、キミはいったい何を目指しているのかなって聞きたいけど、まぁ今は置いておこう。それよりも、魔力の陣が掛かれているって事は転移系の装置なのだろう。
〈ば……ん~……シア姉って呼んで良い? パニアとちょっと被ってて〉
『あぁ良いよ。アンタみたいな可愛らしい妹が出来るんなら大歓迎さね。街の連中も姐さん呼び出しね、そっちの方がなじみ深い。それじゃあ皆でアタシに近付いてくれるかい、一人でこんな所に残りたくはないだろう』
シア姉に言われて、皆が一斉に彼女を中心にして固まる。
「それが、此処で使うのに必要なモノなの?」
シュネーがシア姉の手に持っているモノを興味津々と言った感じで見つめている。
『あぁ、コイツがカギになってるからね、それじゃあ準備は良いかい、行くよ』
珠の形状をしていたモノをシア姉が両手で捻ると、勾玉の形に変形してく。
強い光が包み込んだと思ったら、転移特有の浮遊感と足元が不安定な感じがして、すぐに地面に着地した感覚が伝わってくる。
『さぁ着いたよ。此処がアタシが今住んでいる場所さ。どうだい綺麗だろう』
洞窟内だから日差し何てモノは無い。それなのにこの場所は明るく照らされている。洞窟内部の壁には照明代わりになる、優しく灯りが灯っている石が幾つも存在している。
「コレはまた、凄いでござるな」
「これは……言葉もないわね」
ガウとケリアさんはぽかんと口を開いて、天井を見上げている。
「きれ~、すっごく幻想的?」
「街並みも、普通に人が住む感じのモノなのね。どっちかっていうとマンション街みたい」
「ショッピングとかも出来るのかな」
スズメちゃん達は女の子らしい事を考えているみたいだ、確かに幽霊ばかりなんだから買い物なんてする場所はあるのだろうか、気になる所ではある。
「魔物も普通に居るのね」
「此処もグランスコートみたいに、モンスターと一緒に生活をしてるんじゃないか?」
〈ニンフィ、ちょっと壁際によってさ光ってる石が見てみたいんだけど〉
「ボクもみた~い」
ニンフィに少しだけ高く飛んでもらって、光っている石を間近で観察する。
ただの石と言うよりは、クリスタルに近いモノらしい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます