【オンライン】346話:繋がったイベント②




『よう、待ってたよ』


 霊体のお姉さんが、何故か知らないけど僕等を出迎えてくれた。


 初めて彼女を見た人達が少し驚いたり、悲鳴を上げたり、興味深そうに見たりと反応は様々だったけど、既に会っている僕達は皆で驚いた顔をしていた。


〈やぁって、何をしてるんですか?〉

『なにって……待ってたんさアンタ等をね。良い所に案内しようと思ってさ』


 ニシシと笑いながら、彼女の真後ろにある洞窟を親指で指差している。


〈彼女ってイベントキャラじゃあないの?〉


「分からんでござるよ」

「アレでてっきり終わってるもんだと思ったんだがな……何の続きだろう?」

「ちょっと、お知り合いなの?」


〈知り合いって言うか……ハロウィンのイベントで助けた人の一人です〉


「成仏をしたもんだと、思ったんだけどな」


『ははは、ちゃんと成仏したつもりだったんだけどね~。この鉱山に坑道があるんだけどね、そこにあるモノのせいで、上手く成仏が出来ずにこのザマさ。ただ、ウチの旦那も丁度坑道にある街に居てね。まぁ別に楽しく暮らせるんなら問題ないだろう。老いる事もないしね、若々しく愛しの旦那と二度目のスローライフってやつさ』


 あっけらかんと話しているけれど、話しの内容は色々と問題だらけだ。


「いま、街って言った?」

「ガウ先輩……ここに来る前に、もう探索済みで知らない場所なんて無いって」


 双子ちゃん達からの冷たい視線を浴びている。

 ケリアさんもガウも、全く知らない情報でうろたえている様子だ。


「ここに、街があるの? だって鉱山なんでしょう?」


 スズメちゃんが疑いの視線を向ける。


『アタシも驚いたさ、まぁ普通の街じゃあ無いけどね。住んでるのはアタシみたいな霊体の連中だからね。言うならファンダズマって感じかね』


 なにが条件だったかは分からないけど、ゴーストタウンに招待されてしまった。


〈僕等が行っても大丈夫なんですか?〉


『あぁ、問題ないよ。むしろ連れてきてほしいってお願いされたからね。そうだ、アタシの事はバシアとでも呼んでくれ良いよ。第二の人生だからね、前回の名前は天に送ったからね』


「呼ばれたって事は、偉い人なのよね?」

 ケリアさんが少し警戒しながら、バシアさんに聞く。


「大物さん?」

 ムーンちゃんもケリアさんと同じく、警戒した様子で僕にくっ付いてくる。


「それはそれで、ちょっと怖いんだけど」

 サクラちゃんの方は、ただ怖いから僕とムーンちゃんに挟まっていたいっぽい。


「生贄なら兄ぃにしてよね、私達は嫌よ」

「スズメ……最近は兄に冷たくないか?」

「ティー君、寂しいなら私が慰めてあげるよ」


『前の子達じゃないけど、まぁ問題ないだろう。おチビちゃんが一番重要だからね』


 意味深に微笑みながら僕を見て来た。

 スズメちゃんとムーンちゃんがすぐに、僕を守る感じで間に入って来た。


『はは、良いナイトが居るねぇ、安心しなよ。ウチの旦那がファンダズマの首領なんさ。アンタはこの近くを最近盛り上げてくれているグランスコートって所の頭なんだろう』


 どこで知ったのかは気になるけど、こちらの事は大分調べているらしい。




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