【オンライン】323話:繋がる道と神社




「アルジよ……流石にナニを言っているか、自分にはリカイがデキない」


〈そんなに難しいかな……〉


「ベアリングだって無いんだぞ、ゴムも無しにモノレールが作れるかって。そもそも、パニアの力を使ったとしても、長い距離を動かすのは流石に無理だろう」


「確かにゴーレム遠隔操作だけどね。基本的に半分は自己判断で動いてるんだよ」


 そういえば、そうだった。


「それに、アルジの話をモトに作るとなると……耐久力にフアンがアル」


〈そっか、レール部分が岩だと壊れちゃう?〉


 僕が付け足す様に言うと、パニアが頷く様にピカッと光る。


「キョリもそうだが、サカ道を制御しながらハシるとなると、岩のゴーレムではムリがキかないだろう。テツを扱えるようにナレば……ハナシはベツだとはオモうが……」


〈今は岩だけしか扱えないんだけ?〉


「いや、ドウも扱えるようにはなっているが……あまりツカいどころがナイだけ」


 それじゃあパニアを強化……進化かな とにかく、強くしてあげれば鉄も使えるようになるんだろう。ならば、すぐにでもつよくしてあげないとね。


 ジッとタリスマンのパニアを見つめながら、しばらく考えるが、どうやって強くするのかが僕にはサッパリ分からなかった。


「はぁ、パニアの強化がしたいんなら、カミルさんに聞くか、イーゴさん辺りにでも話を聞きに行けば、何かしらのヒントが貰えるんじゃないか?」


 流石はティフォだな、僕が言う前に欲しいと問いを答えてくれる。


「スノー、あんなにチラチラと見てれば誰だって分かるってば」


 シュネーがジト目でみながら、呆れたため息交じりに言う。

 自分では気付いていなかったけれど、そこまでチラ見してたんだろうか。


〈そ、そんなに見てないよね?〉


「いいや、めちゃくちゃチラチラ見てたぞ。あれだけ俺の方を見ていて気付いてないって、どんだけ考える事に集中してたんだよ。もう癖になってるだろう」


 そう言われると、確かにそうかもしれない。今後はちょっと注意しとかないとね。

 ちょっと恥ずかしくなって俯いてしまう。


〈パニアは強くなりたい?〉


「ふむ、なれるならばネガったりだ。テツを使えるようになれば、カツヤクの場が増える」


 ニンフィも強くなるのかな。

 あんな感じで飛ぶのとスピードが速い子だけど、強くなるとどうなるんだろう。綿菓子みたいな雲の体だったけど、あの可愛い見た目が変わっちゃうのかな。それはそれで、ちょっとショックなんだけど。


〈というかさ、何時の間に銅を使えるの様になってたの?〉


「鬼達との戦いがオワリ、お祭りのジュンビとやらを手伝っているトキだったと思う」

「あの時はかなりゴーレム達に助けて貰ったからな」


「建築ラッシュで、殆どのゴーレムを出して貰ってたもんね。それで能力値が上昇したのかもよ。殆どの仮設テントやら出店の屋台はパニアのゴーレム達の力を借りたからね」


 やっぱり使ってる能力によっても成長の度合いは変わってくるのかな。

 ウサギさん達も畑仕事が得意なのと、手先の器用な罠作りに長けたヤツと別れている。


〈とにかく話を聞きに行ってくるから、それまでは道作りに集中してもらって良いかな。その後になって頼みたい事が多くあるからさ〉


「ショウチした」


 イベントのせいもあって、未だに中央都市への道だって完成してないんだ。


 あと少しという所まで来ているので、一気に仕上げてしまえば行商人達の行き来も増えるだろうし、お金の周りも改善してくるだろう。


 それに、エーコーさんの森とも繋いでもらわないといけないからね。


 こっちの方が重要度が高い。

 鳥居を作る道だって作らないといけないんだから、千本鳥居を作る為にもね。


〈なんか、いなり寿司が無所に食べたくなってきたよ〉


「それはスノーが、ずっとお稲荷さんの事を考えているからだと思うよ」

「まったくだな」


 なんか二人が物凄く呆れた視線を送って来るが、きっと気のせいだろう。




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