【オンライン】322話:特殊な施設③
神社の効果や条件がある程度分かってきたので、どうせなら住んでもらう本人達にも色々と聞いてかなえられる要望があれば、出来るだけ叶えてあげたい。
〈ごめんね、忙しそうにしてたのにお呼びしてしまって〉
「構わぬよ。聞いた話では童達の住む家を用意してくれるそうだが、本当かの?」
もう鬼達の村は和風という事で統一されている。
古民家や武家屋敷みたいな家が立ち並ぶようになってきた。
ズナミやエーコーさん達にも来てもらっている。
ミスユ団長達には神社に住んでもらう経緯を話しつつ、今も発展していっている村の妨げにならないよう気を使いながら、大きな神社を建てるという計画を説明する。
「ほんに、お主は面白い考えをするのう」
森の守護者であるエーコーさんの所と、ズナミの場所のミスユ団長が住まう事になる神社を繋げてみて、お稲荷さんの神社に似せていこっていう作戦だ。
もしかしたら、神社同士を繋げてみれば、恩恵も合わさってくれるのではないかという、淡い期待と胸に秘めている事は内緒である。
〈神社ですから、僕等の町には拝殿を建てようかと思ってます〉
これで、三ヶ所に繋がる道を作ってしまえば、恩恵の効果も僕等の町まで引っ張ってこれるかもしれない。それに、神社にも幾つか種類があって、そのどれもポイントが高めに設定されているとから、何かしらの効果が付いているのでは無いかと思っている。
その内の一つである拝殿と繋げる事で、神社の方に行く力と受けられる恩恵を、離れた場所からでも繋ぐことが出来るんじゃないかという考えだ。
「ふむ、この辺りはどうするきじゃ? 確か果汁園だったかにする予定と聞いたがのう」
「爺ちゃんには連絡済みだよ。そこには少し広めの道を作って、段差を付けた感じに育てるんだってさ、だから荷馬車とかも通れる道を作ってく感じになるかな」
水捌けやら風通し何かを考えると、手を加えて作らなきゃだし、日当たりの簡易で急な坂を利用した段差を作ってみるとのことだった。
〈やっぱ道には千本鳥居だよね〉
「スノー……やりたい気持ちは解るけどね。暴走しないでよ、此処に立てたら荷馬車の邪魔でしょう。なに、スノーってこういう感じの暴走するの? 珍しくない」
確かにシュネーの言う通りで、邪魔にしかならなさそうだな……何とか、ならないか。
「まぁ、凝り始めるとこんなんだぞ? と言うかな、こういう暴走は思考中のスノーにはよく見るだろう。前のイベントだって偶に暴走気味だっただろうが」
別にリアルに考える必要があるのだろうか……鳥居を駆使ししながらも、取れた果物をしっかりと運べる様なシステムを考えれば済む話なのではないだろうか。
「ほら、見てみるんだな。アレは絶対にろくでもない事を考えている顔なんだな」
ガウがシュネーに余計な事を吹き込んでいる気がするけど、いまは構っていられない。
確かダイチお爺ちゃんから昔聞いた事がある気がするんだよね。
日本の激坂付近で栽培している人達が使っていた。汽車……トロッコ、いや違うな。もっとこうレールが一本? ……モノレールみたいなヤツだったはずだ。
〈ちょっとダイチお爺ちゃん所に行って来る〉
パッとメニュー画面を開いてフレンドリストを見てみると、ダイチとハーナの二つのネーム部分が光っているので、ログインしている事は間違いないはずだ。
「なんか、何時も以上にやる気に満ち溢れておるのう」
「期待、しても良いのであろうか?」
「主がやる気ノ時ハ、期待シテおくと良イ。自分ハ前ニ幾度モ驚かされタかラナ」
「ズナミ……期待しない方が良いぞ」
「アレは暴走って言うんだな。シュネー妃とティフォナ妃よ。姫を頼むでござるよ。拙者はミカ嬢と神社に関わりそうな場所の目安を付けてくるでござる」
「そうね、私達じゃあ止められそうにないもんね」
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