【オンライン】211話:新たなトラップと連携の試行錯誤(4)
サクラちゃんの占いで、次は皆の攻撃力が上がってスズメちゃんとムーンちゃんが協力してモンスターを倒していく。威力が上がっている事もあって、モンスターが近付いて来る前にスズメちゃんの長距離攻撃と、中距離のムーンちゃんの連射で倒せてしまう。
「こうして見てると、あのネギ達が可哀そうに思えてくるんだな」
「見た通りの蜂の巣だね」
モンスターの亡骸をすぐにガウが処理してくれるため、その場でドロップアイテムとして枝が手に入る。解体屋に持っていけば質の良い枝が手に入り、種や別のドロップアイテムも貰えるらしい。切り株のモンスターも大体同じ材料が手に入る。
「スノー姫とシュネー妃、解体術を会得してみる気はないでござるかな」
〈う~ん、レースさんとコフさんに任せるから良いかな〉
「魂ちゃんを見てるのは楽しいけどね」
アレって傍から見たら、解体している所を笑顔で見てる構図なんだよね。ケリアさんやガウなんかは映像制限なんて掛かってないから、血が滴っているモノが見えているはずだ。
「一人10個だから、コレで最後かな」
「ん、後は解体屋に持っていく分が必要?」
「種と根っこが必要なんだもんね」
何度か解体作業でガウが失敗していたけれど、30分くらいでアイテムは集まった。
「拙者の【解体】スキルでは枝くらいしかドロップしないんだな」
まだまだ失敗が多く、成功頻度は五分といった所だろう。
魂ちゃんも顔色が悪し、表情がキラキラしていない。
失敗した時の悲しそうに消えていく姿を何回も見た。
その度にシュネーと僕は何にも言わず、ただジッとガウを見るのだった。
「まだまだ修行中なんだな、そんな目で見つめないでほしいんだな」
〈いや、ゴメン。悪気は無いんだよ。ただ、魂ちゃんが悲しそうに消えていくから、つい〉
「ガウも一度で良いからさ、フィルターを付けてみてみたら。ボク等の気持ちが分かるよ」
確かにシュネーの言う通り、一度くらい自分で見て欲しいと思う。
「絶対に嫌でござる」
解体中に潤んだ瞳で見つめてくる魂ちゃんを見ながら、解体するのは気が引けるらしい。
〈それで僕に解体術を覚えろと?〉
「スノー姫なら上手く出来る気がするんだな……料理だって得意そうでござるし」
料理をしている分、リアルの感覚で出来る事もあるだろうけど、解体は別物だ。魚の捌き方だって知っているだけで、母さんみたいに上手くは出来ない。
釣り好きな父さんの方が魚の処理は得意みたいだけど、釣った魚をその場で処理して鮮度を保つことしかせずに持って帰ってくる事がしょっちゅうだけどね。
父さん曰く、「母さんの手料理が食べたいから」と言う理由らしい。
最近では「娘の手料理でも良いしな」と言う言葉が付いて回るけどね。
「あ~、またマイナス効果引いた! しかもダッシュの逆位置だから攻撃速度も低下だ」
「なんで私の時だけ良く引くの!」
「慣れて来たから、特に問題なし?」
「あるでしょうが! ダメージは私の方が上なんだから、近付かれるわよ!」
どうやら、また良くないカードを引いたらしい。
「デバフを敵に掛けられれば文句なしなのにね~」
「そうでござるな、まぁそうそう上手くいかないんだな」
〈……なるほど、その手があるね〉
効果の対象を強制的に変えるトラップを作れれば、良い援護が出来るかもしれない。
タイミングが凄く難しそうだけれど、やってみる価値はありそうだ。
問題は双子ちゃん達のランダム効果も対象に入るのか。
それを作るにはどうすれば良いかを考えないといけない。
この手のモノはミカさんに相談してみるかな。錬金術っぽい内容だしね。
魔法についても色々と知っている人が近くに居れば良いんだけどな~。
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