【オンライン】136話:イベント騒ぎは大騒ぎ(二日目)
大鬼を次々と倒していく。
周りの全員で群がり、タコ殴りにする光景は何ともシュールで恐ろしい絵面だった。
ゾンビが群がるよりも怖いね。
敵を協力させない様に気を付けながら戦っている。
「ガウ、振り下ろしにシールドのカウンターって合わせられるか?」
「問題ないでござるよ」
「じゃあそれでバランスを崩してくれ。ミカさんは足元を滑りやすくしてください」
「はいよ、何時でも準備オッケー」
ただの水が入った瓶を取り出し、相手の足元にまき散らす。大鬼はこちらの意図が分からず、首を傾げながらもミカさんに巨大な棍棒を振り下ろす。
「大振りは助かるんだな《シールドバッシュ》」
ガンッと激しく大楯と棍棒がぶつかる音が響くと、跳ね返された棍棒を持つ手が跳ね上げられ、バランスを崩した図体は仰け反っていく。
「ミカさん頼みます」
「ハイよ~。《泥沼地》」
踏ん張りの効かなくなった状態で、足元が滑り巨体が宙に浮いた。
「スパイク、顔面狙ってニードル。アズミルも合わせてくれよ」
「ふふ、お姉様と共同ワザですね」
ティフォが一瞬だけ震えていたが、すぐに首を振って目の前の敵に集中し直している。
「サブイボが……なんだ今の
「アコ、顔面にエアロスタンプ。私は《氷地壁》」
後頭部には尖った氷、顔面にはアズミルのモンスターとティフォ。
それにスパイクちゃんが一斉攻撃を放つ。
部位による急所ヒット、クリティカルダメージでごりっと敵のライフを削った。
バリスタや連射窮で削った体力から、一気に半分以下までライフゲージが下がる。
頭の急所ヒットで気絶状態になっている。
「ほう、コレなら捕縛出来るがどうするのじゃ?」
エーコーさんが完璧にのびてしまった大鬼に極太の蔓を巻き付けていく。
〈とりあえず捕まえましょう。パニア、アイツを運んでくれる〉
「了解じゃ」
『ワカッタ』
「それじゃあ儂らは大きい檻でも作って来るかね」
ズルズルとゴーレム達により運ばれて行った。
ボウガさん達とダイチお爺ちゃんとハーナさんも、一緒に付いて行った。
「周りの奴等が居なけりゃあ大物も何とかなるな」
他の場所でも大鬼を討伐していく。
「陣地内に引き込めて、周りの護衛も処理出来てたからの話しなんだな」
「周りの人達にも色々と助けられてるしね~」
シュネーが少しだけボロボロになりながらも、頭の上に移動して定位置で休み始める。
〈だね、僕等は皆に助けてもらうしか出来ないけどね〉
ニンフィに乗って高台からゆっくりと降りる。
まだ引き込めていない敵はいるけれど、半数以上の敵が減った為に敵軍が撤退していく。
〈半分削ったらすぐに撤退……此処だけかな?〉
「さぁ~、まだヴォルマインもジャンシーズの連中も、今はどうなってんだろうな」
ヴォルマインの人達は砦を築いてたみたいだし、僕等と同じ感じで問題なく処理出来ているだろうけれど、自陣を築いてないジャンシーズの連中はどうだろうね。
下手すると、壊滅状態かもしれない。
一番に進んでいたのはジャンシーズの人達だろうけれど、そこは逆に敵陣地内で厳しい状態の筈だし、突破は流石に無理だと思うんだけどな。
意外にも突破したのか、それとも維持しながら戦っているのかな。
〈まぁ、他国が居てくれている御蔭で僕等は戦えてるんだけどね〉
もしも戦力が全部こっちに集められていたら、流石に数と勢いだけで集落は消し飛んでると思う。他にも戦力が分散しているからの状態だと考えるのが普通だろう。
それともイベントだから、数とかも調整されてるのかな。
「はぁ~もう流石に疲れたわね」
「久しぶりに好き勝手に暴れたんじゃない?」
ケリアさん達が熱い抱擁を交わしながら、皆と握手を交わしている。
「多数の敵って想定してなかったから、良い勉強になったよ」
「戦士だとやっぱり数が多いとキツイな」
「私も範囲魔法を覚えようかな~」
「前までは一体をパーティーで囲って倒してたしね」
次の戦いの備えを考えて居る人達もチラホラといるようだ。
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