【オン85】イベント騒ぎは大騒ぎ
てくてくお散歩気分でボウガさん宅に来たけど。
なんか丸太が山積みになっている。
「ボウガっちの家が丸太に覆われてるよ⁉」
「コレでも減った方なんだよ。作業してるのは俺一人だだからな、偶に娘や妻も手伝ってくれるが全く終わらんよ」
やっぱり人手が全然ないのも問題だよね。元々が人が少ない土地だから仕方ないんだけど、モンスター達が居るとはいえど、上手くコミュニケーションが取れてるかは別だろう。
主にボウガさん宅は娘のトワちゃんが仕切ってるっぽいしね。
それにスライムじゃあ手伝えないだろうしね。
スライムに出来るのはナマコみたいに吸収して浄化する事に特化したモンスターみたいだから、加工や切断する事は無理なのだろう。
『そんなボウガさんにプレゼントです!』
人型になっていたゴーレムを丸ノコ台に変形させる。
家の庭にセッティングすした。
「なんど見ても、異質だな」
ボウガさんが呆れた様子でオレを見て言うと、皆がそれに頷いているのだ。
さっきからなんで呆れられているのか、全然分からない。
皆の態度に頬を膨らませ、むくれっ面でいると、ボウガさんが大きな手でワシワシとオレの頭を撫でまわしてくる。
「まぁ、サンキューな。気持ちはちゃんと受け取ったからよ」
そう言われると悪い気はしない。
しかしだ、コレのポテンシャルをただただ真っ二つに切るだけなんて。
そんなことは思わないでほしい。
『ある程度なら指定して切れるから、分かりやすい様に丸太に線を入れてね』
パニアにゴーレム姿になってもらって丸太を一本だけ持ってもらって。
説明をしながら使い方を説明する。
丸ノコ台ゴーレムにもパニアに習って動いてもらう。
『この線を辿るように丸ノコで切ってくれるよ。ボウガさんの言葉もある程度は理解してるから、運びたい丸太を運んでもらう事も出来る優れものです』
自分が喋っている訳じゃ無いけど、文字だけ見てるとなんかテレフォンショッピングの便利な道具のご紹介をしている雰囲気になってくる。
「でも~、お高いんでしょう」
もうシュネーが悪乗りで、まんまな言葉を付け加えてくれている。
『いや、プレゼントですのでタダで差し上げます』
はっ⁉ シュネーの言葉に乗せられた様に最後までやってしまった。
「お前ら、何やってんの?」
ティフォが物凄く冷めた目でオレを見てくる。
もう見ないで、ほっといてほしい。
恥ずかしくて顔が暑い。もう顔を両手で覆ってその場でしゃがみ込んだ。
「いやいや、ああいうノリも偶には必要なんだな」
バカ笑いを上げて、ガウがティフォの肩を叩いている。
「もう~、可愛かったわ! でも、マイナス点を上げるなら衣装がダメね。やるなら言ってちょうだいよ。私がとびきり似合う衣装を用意してあげるから」
ケリアさんに至っては、全然違う感想を言われる。
恥ずかしさが更に後から襲ってくるようで、穴があったら飛び込みたい気分だ。
そんなオレ達を楽しそうにボウガさんが笑って見つめている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます