第7話 久し振りの時間

※今回から少しずつ恭一郎さんの弟さんが出てきますが、本家様の方ではお名前の記載が無い為こちらでお名前を作らせて頂きます。ご了承の程お願い致しますm(__)m(ちなみにお名前は恭介とさせていただきます。)※ 


「結衣今日は久し振りに友達と出掛けて来たらどうだ?俺は今日は休みだから家にいる事が可能だし、家事も出来るから弟の事も養っていけるから偶には羽を伸ばして来い。」

「本当ですか!?では早速茜と一緒に出掛けてきますね!」

まさか恭一郎さんからそんな言葉が出るとは思わなかったし、家事もしてくれるとは有り難い話なので早速私は茜を誘い近くの駅で待ち合わせする事にした。


 先に私が駅についてしまったという事もあり少し音楽でも聴きながら待っていると、茜が向こうから走ってきて息を切らしながらやって来た。

「茜久し振り!」

「久し振り!って言ってもこの間のお泊り以来だけど、お互いが特殊なお付き合いだから本当になんだか不思議な感じだよね。」

「私は恭一郎さんとだし、茜は若桜先生とだもんね。あっじゃあどこ行く?お買い物する?」

「うん、私丁度買いたいものあったんだよね~」

という訳で早速デパートにやって来た私達は色んな場所を巡り各自買いたい物を買って、話をしながらお買い物を楽しんでいた。すると茜が急に赤ちゃんのお洋服を取り扱う所で立ち止まった。

「茜?」

「あっ、ごめん!ちょっとここ見て良いかな?」

「良いけど茜まさか・・・。」

「うん、まぁまだはっきりとは分かんないけどそれなりの傾向があるから。」

茜がついに妊婦さんになるとは・・・と感心しているとどんどん中に入っていく茜の姿があったので急いで付いて行く事にした。

「結衣、こういう服ってどうかな?」

「性別とか分かってるの?」

「まだなんだけどどっちでも良い様に1着ずつ買っておきたいんだ。でもこれじゃあ肌とかに弱いとかあるのかな?」

「すっかりママ的思考だね~。」

「結衣の所はまだなの?」

「恭一郎さんは今のこの時期は忙しいみたいで、比較的私が先に寝ちゃう事が多いかもしれないからそういう事はまだしてないかな。でも今日は恭一郎さんがお休みだから、もしかしたらそういう事があるかもね?」

「そうなんだ!じゃあもしかしたら同級生になるかもしれないね。」

「そうね。」


 ある程度の買い物を終えてカフェに入った私達は其々飲み物を頼んで、お互いの話に耽る事にした。

「茜が妊婦さんなんて思いもしなかったけど、まだ結婚もしていないのに両親には話をしてあるの?」

「郁人さんがもうお互いの両親に話をしてあってしかも結婚の了承も得ているから、妊娠しても怒られる事は無いし寧ろ大歓迎らしいから少し恵まれているかもしれないなって感じかな。」

「そうなんだ~。でもあの若桜先生がそこまでしっかりするなんて少し驚きかも。いつもはゆっくりしている感じのイメージしかないから、そういうご挨拶の事に関してもマイペースなのかなって。」

「まぁ、私もそうかなって思ったけどね。そういえば結衣は妊娠したらどうするの?」

「どうするって?」

「将来妊娠した時に両家にご挨拶は勿論だけど・・・ってもう結婚しているんだよね。ごめんね、何か勘違いしちゃったみたいで。」

「茜、何か焦ってない?」

「正直少しそうかもしれない。結衣が結婚してるからっていうのもあるけど、周りの同級生だって彼氏もいて中には結婚して子供がいる人も多いから、焦っているのかもしれない。でもだからって急ぐことは無いかもしれないね。」


 カフェを出てしばらくすると若桜先生が車で通り掛かり、妊婦になりたての茜を迎えに来た。

「若桜先生、この度は茜の妊娠おめでとうございます!」

「ありがとう。・・・ついに自分もパパになるんだなって思うと何だか嬉しいな?」

「ふふ、郁人パパになるんだね。」

「そういう君も茜ママ・・・でしょ?」

「ほほえましくて羨ましいです。」

「恭一郎とはまだそういった事は無いの?」

「茜にも話したのですがまだ無いんです。」

「そうなんだ・・・。でも恭一郎なりのタイミングってのがあるだろうから、結衣ちゃんは気長に待ってあげな?」

「そうですね。」

「じゃあ私達は帰るから、気を付けて結衣も帰ってね?」

「うん!」


 「ただいま帰りました!」

「遅かったな。」

「えっ、まだお昼過ぎくらいだというのにですか?」

「・・・ちょっと来い。」

そういって連れてこられたのは寝室だった。

「若桜から聞いた。お前、俺との子供が欲しいのか?」

「まぁ、欲しいといえば欲しいですけど。恭一郎さんはお仕事の事もありますし、もしも妊娠したら私達のお互いの御両家にもご挨拶をしないといけないのでは?」

「それもそうだな。俺はお前との子供が欲しいと前から思っていた。」

「そうだったんですか!でも・・・恭一郎さんのお母様は相変わらず私の事を嫌っていると思うので、今回私が仮に妊娠しても喜んでくれないと思います。」

「結衣、もう忘れたのか?」

「えっ?」

「俺の母親とは縁を切っているし子供が出来たとしても見せる気は無いと、本人にそう告げたあの日の事を忘れていたのではないか?」

「あっ!」

そういえばそうだった。あの時私の扱いを酷くした恭一郎さんのお義母さんに対して恭一郎さんが怒って、あの瞬間に縁を切ったので子供も見せる気は無いと言っていたっけ。

「・・・という訳だ。俺は先にシャワーを浴びて待ってるから先に家事を終わらせておくといい。因みにある程度の家事は俺が済ませたから、もうほとんど残っていないと思うがな。」

「分かりました///」

こうして恭一郎さんがシャワーを浴びに行っている間キッチンに向かうと、そこには恭一郎さんの弟さんが居て何か物欲しそうにしていた。

「どうしたの?」

「今日ねお兄ちゃんが家事をさっさと片付けていたから何かあるのかなーと思ってここで待っていたんだけど、何も無いからせっかくだし何か食べようかなと思ったんだけど・・・。」

「食材はほとんど何も無いし、デザートならここにプリンがあるからこれで良かったら食べて!」

「ありがとう!」

「それから今日は私達はもう先に寝室に行っちゃって戻らないかもしれないから、プリンは自分の部屋で食べてそのまま寝てくれると嬉しいな。」

「はーい。・・・でも何かするの?」

「えっ!?」

「だって寝室から出てこないっていう事は何か出来事があるって事でしょ?一体何があるのかなーって思って。」

私はいきなりの事に驚き何と言えばいいのか迷っていると、シャワーを浴びた後の恭一郎さんが帰ってきた。

「恭介には関係の無い事だ。まぁ敢えて言うなら家族が増えるとだけ伝えておこう。さぁ、もうお前は寝る時間だからさっさと自室で寝るんだな。」

「家族?」

「細かい事は後になって分かる。だからもう寝ろ。」

こうして半ば強引に恭介君は自室に向かわされ、寝たのを恭一郎さんが確認したので私の元に帰ってきた。

「恭介が済まなかったな。」

「いえ、可愛い弟さんじゃないですか。でも流石に小学生に今からの事を教えるとなると、説明も難しいですし実際に聞かれても答えづらいですよね・・・。」

「まぁな。小学生に子作りの事を教えても意味不明だろうし教育上まだ早いからな。・・・結衣、シャワー浴びて来い。」

「はい///」


 改めて寝室に向かうと既に恭一郎さんはベッドで待機していて、私の姿を見るなり隣に座る様に促してきたので素直に従って座ると、軽くキスした後に優しく押し倒してきた。

「こういう時間も本当に久しぶりだな。久し振りに結衣の身体を堪能させてもらおうか。・・・勿論子作りの為にな。」

「恭一郎さんの好きな様にしてください?」

「言われなくとも既にしている。・・・もうこんなに濡らして俺を誘っているみたいだが、本当にお前の身体は正直だしこの感触を覚えているみたいだな?」

「きょ、恭一郎さぁん///」

「そんな上目遣いで見られたら俺だって止まらなくなるだろう///」

「私が学生の時だって恭一郎さんは・・・んっ///止まらなかったじゃないですか!」

「ほう?・・・お仕置きだ。」

こうして私達は久し振りにお互いを激しく求め合い、体力の限界を迎えたと同時に抱き合いお互いの体温を感じながらまどろみの中へと行ったのだった。

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