第6話 宅飲み
事の始まりは恭一郎さんの一言だった。
「結衣、今日は若桜達とこの家で飲む事になっている。だから今日は料理は俺が作らせてもらうからな。」
「えっ!?急にそんな事言われても私だって何も出来ないじゃないですか!それに料理だったら私が作りますし、恭一郎さんは今日はせっかくのお休みなので休んでいてください。」
そこまで言っても彼は聞かないので今日は彼に任せる事にした。久し振りに家事をしない日が取れて安心感の極みだった。
夕方になりそろそろ来るかなと思っていたタイミングでチャイムが鳴り、私は玄関に向かって歩き出しモニターを覗くと、若桜先生と一ノ瀬先生に茜まで来ていた。そして迎え入れるなり茜が私に飛びついてきた。
「結衣ー!」
「茜、久し振りだね!元気にしてた?」
「もちろん。今日は郁人さんが真山先生の家で宅飲みだっていうから私も着いてきたの!」
「茜が来てくれて嬉しいよ。それに若桜先生も一ノ瀬先生もお久し振りです!」
「結衣ちゃん・・・また大人っぽくなったね?真山とも順調みたいだし安心したよ・・・?」
「佐々木さんが本当に恭一郎さんの奥さんになったなんて何回見ても驚いちゃうな。今日はよろしくね?」
そんなこんなで宅飲みが始まり早速恭一郎さんは自分で作った料理を持ってきたので、私も軽く作っておいたおつまみを皆の前に置いた。
「真山も料理が出来るなんて思わなかったけど・・・それにしても中々の腕前だね?」
「独身時代に何度も練習してたからな。それにその頃はまだ一人暮らしだったから自炊もしないといけなかったというのもあるな。」
「結衣ちゃんも~一緒に食べようよ~。」
「一ノ瀬先生!?もう酔ってるんですか!?」
「一ノ瀬は本当に酔いが早いな。」
「そういえば真山、今日は俺達泊りのつもりでここに居るんだけど大丈夫?」
「俺は別に構わない。」
「私も大丈夫ですよ。」
という訳で急遽大人数の宿泊が決まり、急いでお布団の準備に取り掛かる為に空き部屋に布団を運びに出かけた。
そういえば恭一郎さんの空き部屋って案外こんなにも広い物だったっけ?この広さだとあの3人は余裕で入れるし問題ないけど。
「黙ってまた一人で家事をしようとしているな?」
「恭一郎さん!」
「俺はたまにはゆっくり休めと言った筈だ。それなのにいう事を聞かないとは・・・お仕置きが必要か?」
「皆さんまだ居るのにこんな所で?」
「カギは閉めてあるから後は結衣が声を我慢すれば良いだけの話だ。」
「そんな事言ったって無理に決まってます!・・・ただでさえ学園時代の時だって声我慢するの必死でしたし、大変だったんですから!」
「ずっとお預けをされていたんだ。その分しっかりと愛させてもらう。それに俺達はもう夫婦なのだから、本来であればこれくらい同然なのだぞ?」
そんなこんなで私達は長時間の間お互い愛し合う事に。でも本当はこうして恭一郎さんに愛してもらえるのが私は嬉しかった。
数時間後、リビングに戻った私達は若桜先生以外が酔いつぶれている光景に驚きを隠せなかった。
「相変わらず若桜は酒に強いな?それにお前の彼女も酔いつぶれるとは。」
「俺はそんなに飲んでも元々強いからね?・・・それにしても真山達こそこんな長時間の間に愛し合うなんて・・・学園時代の時と変わらないね?」
「何で分かったんですか!?」
「結衣ちゃん、俺は君が学園にいた頃から色々と事情を分かっていた一人だし、真山が君を求める時保健室を貸した一人だよ?タイミングとかそういうのも一応把握してたから、結衣ちゃんが空き部屋に行ったときもしかしたら・・・ってね。」
「さすが保健の教師だな?」
「それにしても茜ってお酒飲むんですね。普段そんなイメージが無かったので凄く驚きです。」
「・・・最初は俺も驚いたけど今となっては慣れっこだよ?偶に飲みすぎるからそれは止めるけど、でも酔った時に甘えてくる茜ちゃんは可愛くて甘えさせたくなるんだ。」
そういえば私はお酒飲まないけど恭一郎さんからしたら、それって私のイメージはどうなんだろう。やっぱり可愛いとか思わないのかな?でも本人はそうでもなさそうだから、いつかタイミングを見て聞いてみるのも悪くないかも?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます