第06話 魔と闇の接触

街の広場には三人の巫女たちがいました。


街を見回し、何かを話し合っていますね。


私と…本体のみにく蝙蝠こうもり姿すがたに戻ったヴァンパイアは、街の東側の崖上からその様子を眺めていました。


好機チャンスは突然でした。

彼女達は東西に分かれて街を散策するようです。


私たちの方には闇の巫女が、一人で向かって来ていました。


「下手すると、私は殺されてしまいます」

私は蝙蝠女に言いましたが、蝙蝠はヒラヒラと舞うばかりでした。


しょうがないですね、死なないように慎重に、慎重に行きましょう。


私は、静かに地面に降り立ちました。


蝙蝠は、崖上から見下ろしてますね……。


僅かな魔力を《イブの杖》に送ります。


ごく、僅かな魔力でことります。


街中を疾走していたのでしょう。

角を物凄い勢いで曲がって来た闇の巫女は、私を発見し、その足を止めました。


その漆黒の瞳は、私を捉えて離しません。


その《漆黒のカタル》は、今にも私の首を跳ねてしまいそうです。


……ふぅ。


さて、では始めましょうか。


闇の巫女さん。

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