第二話 事件の真相は何か

視点 ◇風紀 伊藤 駿田◇


あの日、帰宅してから彼は気づいた。

「ズボンはただ入れ替わっただけではない。」


ズボンの裏側に、洗剤と反応して硫化水素を発する、有害な薬品が塗り込まれていたのだ。


それに、次の日学校へ行くと、入れ替わった人の大半のズボンに塗られていたという。



視点 ◇評議 下島 幸平◇


学級の人たちの話を聞き、学級会をひらくことにした。


「この中で、〇〇さんがやっていた とか、 自分がやりました 不審者を見た など知っていることがある人はいますか?」


…… ……… …………


しかし、誰も手を挙げなかった。いや、挙げなくて良かったのだが、内心、学級内のいたずらで済んでほしかった。



視点 ◇給食 山神 麻衣◇


何かがおかしい。そう思った。制服のズボンが無くなったといって来た他クラスの人か?いや、違う。あのクラスと合同で体育だったのだ。


クラスが空だったのは、ほんの45分程度。その間に侵入し、ズボンに薬品を塗り、他クラスのものも一つ混ぜて入れ替えることが可能なのか?


そもそも、時間割を把握していなければできないだろうが。

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