第3話 家が爆発した

 そんなこんなであっという間に朝になってしまった。めちゃクソ寝むい......昨日はあの件のことで頭の中がいっぱいになってしまい、まともに眠れなかったからなぁ。


 はあ......今更ながら昨日の件を振り返ってみたけど、面倒事押し付けられてる感半端ないんだが。世界の平和を守るためとはいえ......ウーーン。


「先輩? 起きてますかーー? 起きているなら返事をください。おっと、名乗っとかないと......くるとですよ!」


 くるとくんか.......まだ寝ていたいのになんで今日に限ってパーティー会議をするんだ。もういいや二度寝しよ! どうせ俺を起こしにきたんだろう。


「ピーピー。あの星の子はまだ寝てやがる」

「おいピー助、ピー雲来! 今すぐ離れろーー! なんかあの女が何かを準備している!」

「ピーー!?」

「......破壊神の力を持っている女さん。お願いします」


「分かった。任しといて!」


 ん? さっきから鳥達が騒がしいがなんだ? なんか凄い地響きが家全体を揺らし尽くしているんだが? 何、地震? いやここは天界、地震は発生する事は絶対にないはず......


[ドン! ドガッ! バギッ!]


 ウゲェーー!? ドアが吹っ飛んできた!? 俺はベットからなんとか飛び起きて謎の光の直撃は避けれたけど、ベットが木っ端微塵に......


 くるとくんの仕業か!? いや、くるとくんは双剣を巧みに操って戦う近接ファイター。あんな光の衝撃波は出せないはず。くるとくんがやられたとも思えないし......


 いや待て、そういえばパーティーの中にさっきのような光線をぶっ放す奴が居たわ。最近だと泡を吹いてぶっ倒れて介抱を受けていたアイツ。そいつの名前は......


「星夜! 起きたーー? あれ? 返事が無いわね? まさか星夜諸共吹っ飛ばしちゃった?」


「まなかさん。手加減を知らないんですか? ほら、先輩の家に風穴が開いちゃってるし......すみません。僕先に集合場所に行ってきまーーす」


 ああ......確信。くるとくん、なんでよりにもよってそこら辺の兵器よりも強いまなかさんを連れて来きたんだーー! ていうか待てやくると! もういいや......


 さっきの謎の光は多分、いや確実にまなかが放ったやつだ。コイツには『ギガインパクト』という何故かまなかにしか扱えない武器がある。俺や諸星がその武器を持つとなんか爆発するんだ。なんでだろう?


 その武器の恐ろしい所。なんか『エネルギーフルパワービーム』だと山を砕く程の威力になるらしい。ネーミングセンスは壊滅的だが中々恐ろしい。


 そんな破壊兵器をさ、なんでいきなり俺の家にぶっ放している? いや二度寝した俺も悪いけどさ......


「何すんだ! 一歩間違えたら俺諸共消し炭になってたんだが!? てかそもそも、人様の家に風穴開けるとかなにしてくれとんじゃ!」


 流石に怒っていい案件だろ。これは......。まなかは風穴が開いちゃってる俺の家を見て『これは派手にやっちゃったわーー』と呑気に呟いている。ふざけんな。


 その後、まなかが一応謝ってきた。これで一件落着......んなわけないだろ!? これからどうしよう。今冬だよ!? 家無しでどう凌ぐってんだ......? 貴重品だけは全て無事だった事は不幸中の幸いだけど。


 そんな悲しい気持ちになってる俺の心中を全くもって察しない、このクソビッチ女まなかがこう言った。


「貴方の住んでいた家なんて今はどうでもいいから、朝のパーティー会議に行きましょうよ。みんな待っているから」


 はぁ......コイツがある意味一番の敵かもしれん。そんな事を考えながら、俺の武器である大剣を懐に入れて、この木っ端微塵になった家を後にしたのでした。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇

次回に続く

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