第13話 ライブラリ
ここまできて常識となっているのは、知に終わりはない、ということだ。差が生まれ、変化し、うまれゆく世界はどこまでも深い。人間も知り尽くされたと思われていたが、ずれただけで万華鏡のようにミクロコスモスが広がっている。知る喜び、学ぶたのしみはいわば最後の最後に残された刺激、快楽ととらえるものはかなりできた方なので、ライブラリと一体化するのではなく、そばで奉仕するいわゆる司書たちとは相容れないかと思いきや、通じ合い、協力し合っているので整理マニアともどこかでつながっているのだろう。扱いに慎重な互いに制限をかけられている知もある。触らぬ神に祟りなし、知ってしまうことでそのものがどうしようもなく変わってしまうのであれば、より概念や情報に近くなった我々は用心に用心を重ねて注意すべきなのである。
ライブラリは情報の大倉庫、保管庫で、空間をこえて仕舞われており、誰もが自由にアクセス出来るのだが、そのものの許容量と適性で受け付けないものもあり、それが制限規制となっているので、あとは自己責任でお知り下さい。
必要なだけ知れればいい。
楽をしたいものも、もうすべてを知りたいとはならなくなってしまったのだ。
そこらここらに個のライブラリも見受けられる。
これは公式公開情報ではなく、噂なのだが、ただの情報の集合体になんらかの作用がかかり反応が起こるとーーーまれにこれまでみられなかったよう振る舞うらしい。まちまちらしく、語られるのみなのだが、知っているだけ言っておこう。
あくまでも噂は噂、信用は禁物である。
ところが、その信用さえもが隠されたファクターかもしれないのだ。
知であり情報は不可解で深遠という他はない。
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