第12話 ひとつとなりしもの、光と闇の洞窟、雲の回廊
(第9話のは演出表現です。乱丁落丁書き間違いではありません。説明不足をお詫びします)
童女武道家ホウが遅れてやってきた。
「すまん、大きいほうだった」
一行が慎重に、かつ遅すぎず攻略を進めていく。
転移の罠で底なしスライム穴&エンシェントドラゴンへ放り込まれたので死者が出たが、わたしの奇跡でことなきを得た。
内部構造は名こそ洞窟であれ、迷宮というより奇想建築の域に達するもので、つながりもまるで自動生成っぽく先が読めない。まるで読まれることを拒絶しているかのようでもある。
「あっ、続いていない階段」
頻度もランダム、めちゃくちゃのようで知恵を絞れば進むことが叶うのは、隠された悪意なのか。
開けた場所へ出た。
雲の回廊だ。
修辞的表現ではなく、本物の雲の、回廊。
ここだけ空の上にいる気分。
「道としては続いているな…」
途中手に入れたキーアイテムで相応しいのはない。
ならば持ちうる能力になるが…
渡ることあたわず
先ほどから鳴り渡っている。
「とんちか?またお世話になるのか?」
カオルはどちらもない、と踏んだ。
もう封じてある。ここはここまで散々やらされてきた謎解きとは雰囲気が異なる。
求めるもの、それは…
こたえるかのように、距離をとり遠き、いく筋もの神を帯びた光条を回廊に叩きつけた。
「敵だ!」
空間自体が轟いた。太古の魔獣を思わせた。
あわいとあいだとすきまのさかい。
女魔法使いオオカミは珍しく呪文を決めあぐねていた。
他は物理で極めつきの殴る、蹴る、斬るで存在そのものへ徹底する。
怯み縮こまり、雲が螺旋を描いて襲いかかってきた。
「触れるな!」
かわしつつ、同化のにおいを嗅ぎ取っていた。
ならばと、剣士オオカミのまもりの当意即妙の女魔法使いオオカミが魔法を完成させる。
夥しい黒い超重力球がか細い道が残る程度に空間を削り消し取る。
存在自体が震えるよう。
最後にカオルがとどめを刺す。
暴れるように歪み、イヤイヤをするようにわずかににゆり動いた。
時空が安定する。
どこからか聞き覚えのある声で「定められたときは正しき語りによってその道を辿りました」
一同は落ち着くべきふさわしきとなり、ほとんど最初にして最後へと歩を進めた。
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