第37話 狂宴

 ダンスレッスンの後、サンドラとブレードが宮廷からの急な呼び出しで戻った為、サリー達の前には大量の料理が並ぶ事になった。

 ――この量はとても食べきれないわ。これほどの上質な食材を無駄にするなんて……。

 サリーは思ったが、全くの杞憂だった。何しろ、食べ盛りのリリィとバザルがいるのだ。気持ちの良いペースで料理が平らげられていく。

 見事に三人で五人分の料理を完食した時、さすがにしばらく身動きが取れなかった。

 ようやく立ち上がってレストランを出たが、隣街行き乗合馬車の出発時間が迫っている。

 三人は足早に馬車乗り場へと向った。

「間に合うかしら?」

 心配そうにサリーが言った。この便を逃すと、次に馬車が出るのは明日の朝だ。

 しかし、バザルは自信ありげに答える。

「大丈夫です。奥の手がありますから」

 そう言うと、建物と建物の間の細い路地に入って行く。

「ねえ、バザルちゃん。ここって、この建物の敷地内じゃないの?」

「そうです。だけど近道なので、時間の無い人はコッソリ使っています。幸い誰もいないので、今の内に通り抜けてしまいましょう」

 三人が小走りで進んで行くと、驚く物が立ち塞がっていた。この狭い路地に、馬車が入り込んでいたのだ。

 ゲジゲジ眉の御者が三人に言った。

「お嬢さん方、申し訳ないが下がってくれんかね。道を間違えて入り込んでしまったんだ」

 バザルが答えた。

「隣街行きの馬車の出発が迫っているんです。馬車の下を潜って行くので、通らしてくれませんか?」

「そりゃ無理だ。馬が驚いて、お嬢さん方を蹴ってしまうよ。幸い、この馬車も隣街に行くんだ。送っていくからさ、頼むよ。なあ、神父さん方も構わないだろ?」

 馬車の窓から、優しそうな神父が顔を出した。

「もちろんです。私達は全く構いませんよ」

 三人は安心して、今来た道を下がった。

 御者は馬車を壁にぶつけないように、慎重に路地を進んで行く。

 通りに出る直前、路地は少し広くなった。

「ここまで来れば安心だ。さあ、お嬢さん方、馬車に乗りな。お代は結構だから」

 御者の言葉に、サリーとリリィは嬉しそうに馬車に乗り込んだ。

「おや、そこの日焼けしたお嬢さんは乗らないのかい?」

「ええ、私は宮廷に戻るので」

「へえ、宮廷にお勤めなんだ。どうぞ。宮廷の前を通るし、そこで降りればいいから」

 バザルも嬉しそうに馬車に乗り込んだ。

 馬車の中には神父が二人乗っていた。

「申し訳ございません。私達のせいで車内が狭くなってしまって」

 サリーは恐縮したが、神父は二人共紳士的だった。先ほど窓から顔を出した神父が言った。

「とんでもありません。あなた方のような素敵なレディとお近付きになれて光栄ですよ」

 その時、三人は楽しいひとときになると信じて、疑ってもいなかった。


 異変に気付いたのは、それからしばらくしてからだ。

「あ、道が間違っています。宮廷と反対方向に進んでいますよ。こっちでは隣街へも逆方向になります」

 バザルは御者に声を掛ける。その時、三人は本当に御者が道を間違っただけだと思っていた。

 しかし、二人の神父は座席の下から剣を取り出すと、それぞれリリィとバザルの喉元に突き立てた。

「いえいえ、間違ってなどおりません。実は、あなた方には申し訳ないにですが、魔女退治の一陣が失敗した時の保険になって頂くのです」

 温厚な態度はそのまま、表情もにこやかなのに、眼だけが笑っていなかった。

 三人は恐怖におののいたが、バザルが勇気を振り絞って言った。

「人違いです。私達、魔女の知り合いなどいません」

「おやおや、すっかり魔女に騙されているようですね。悪魔と契約するのと同じくらい罪深い事です。あなた方には、神のお導きが必要でしょう」

 剣先が、バザルの喉に押し付けられた。離すと血が滲み出て、一滴流れ落ちた。

「サンドラですよ。あの女の人間離れした力を、あなた方はご存じの筈です。あれを魔女と言わずして、何と言えば良いのでしょう。あの女は王室を、そしてこの国を支配しようとしている。私達聖職者は、この国を魔女から守らねばならないのです」

 神父の眼は狂気をはらんでいた。

 三人は、恐怖でそれ以上何も言えなかった。


 どれくらい走っただろう。

 馬車は、うっそうとした森の中を、奥深くへと進んでいる。

 その頃になると、リリィは神経が耐えられなくなり、泣き出していた。

「少し静かにして頂けませんか。私も神に使える身、無益な殺生はしたくないのです」

 神父の一人が剣の横の部分で、リリィの頬をペチペチと叩く。

 リリィは両手で口を塞ぎ、必死で嗚咽を飲み込んだ。

 サリーも顔が真っ青になり、具合が悪そうだ。

 数々の地獄を見てきたバザルだけが気丈にリリィの肩を抱き、神父達を睨みつけた。

 その眼を見て、もう一人の神父が言った。

「生意気な眼ですね。すっかり悪魔に染まっているようです。後でヒイヒイ言わせて更生させるのが楽しみですよ」

 そして、好色な笑みを浮かべた。

 その神父の眼に、バザルは見覚えがあった。路上で身を売って生きていた頃の客の眼と同じだ。

 バザルを人間ではなく、性欲処理の道具としてしか見ていない眼。これから三人の身に降りかかるであろう事は明らかだった。

 ――この身を投げ捨てて、サリー先生とリリィ先生は私がお守りする!

 バザルは心に誓う。

 やがて馬車は止まり、降りるように促された。

 そこには、森の奥深くには不似合いなほど大きな建物があった。ツタが這い、コケむすその姿は、どこかジャングルの忘れ去られた文明の神殿を思わせる。

 御者のゲジゲジ眉の男も席を降りて来て三人に言った。

「ここはね、随分前に使われなくなった修道院の跡地なんですよ。周囲に人はいません。叫んでもいいですが、誰にも聞こえませんから。逃げてもいいですけど、狼の餌になるだけです」

 不気味なガーゴイル(怪物の姿をした雨どい。ゴシック時代に建てられた教会の特徴)が見下ろしている。剣で示されて三人は、それを恐る恐る見ながら建物に入った。

 朽ちてはいるが、内部はバシリカ様式(上から見ると十字架の形をしている教会)を保っており、手入れもされて日々使用されている事が伺える。

 ゲジゲジ眉を先頭に中央の通路を歩いて行く。両脇の一般席の最前列まで来ると、ゲジゲジ眉はその席を指さした。

「そこに並んで座りなさい。今から神聖な悪魔払いの儀式があります。大声を出せば、その瞬間に首が飛ぶので覚悟するように」

 そして、残忍な笑みを浮かべた。

「心配しなくても、明日はあなた方の悪魔払いの儀式がありますから。それも無料です。それがどれほど有り難い事か、今からの事を見れば分かるでしょう」

 それだけ言うと、ゲジゲジ眉は堂内を出て行った。残った二人の神父は、チャペル(礼拝室)と祭壇の蝋燭に火を灯す。

 三人を縛るどころか、見張る事もしない。夜が近付いていた。この時間に武器も持たずに外へ行く事は、そのまま死を意味するのだろう。

 しばらくすると、ゲジゲジ眉が戻って来た。御者の服から、神父の衣装へと着替えている。

 そして、その後から、やたら貫禄のある男が歩いて来た。手を後に組んでいるだけで風格があり、銀色の髪と鋭い眼つきと重なってボス狼を連想させる。

 ゲジゲジ眉は三人の前にその男を連れて来た。

「ドトール様、この娘達でございます」

「ふむ」

 銀髪の男はバザルのアゴを掴み、顔を右へ、そして左へと向ける。

「褐色の肌が美しい……この娘がサンドラ嬢のお付きですか?」

「左様でございます」

「娘、宮廷では幾ら貰っているのです?」

 突然聞かれてバザルは驚く。

「えっ?」

「給金ですよ。まあ、住む場所と食事と衣服が与えられ、それで満足しているのでしょうね」

「……」

「以前は端金で男に買われていたと聞いています。勿体ない話です。私に付いて来なさい。大金持ちにしてあげますから」

 ドトールの言葉に驚いたのはゲジゲジ眉だ。

「この娘が大金持ちに、でございますか?」

「そうです。実は、この娘は南の島国の姫君で、船旅の途中に嵐に遭遇し、この国に流れ着いたのです」

「ええっ! そうなのでございますか?」

「そういう話にするのですよ。異国の高貴な少女を抱けるとなれば、金持ちのバカ共は幾らでも金を積むでしょう」

「なるほど、確かに。素晴らしいお考えに敬服致します」

「そちらのお二人も良いですね。健康的な美しさがあります。美食とパーティーに明け暮れる貴族のブタ共とは一味違う。まあ、そんな連中への商品になるのですが」

 このドトールという神父が何を考えているのか、三人にもはっきり分かった。

「丁重におもてなしするように。くれぐれも身体にキズなど付けてはいけません。三人とも私達の為に沢山稼いでくれる筈です。それに……」

 ドトールは笑みを浮かべたが、その眼は怒りに燃えていた。

「……今日の国王との交渉は訣別しました。今となっては、この娘達こそ私の切り札になるのですから」

 そして、吐き捨てるように言い放った。

「あのサンドラとかいう爺臭い小娘に、眼にもの見せてやる!」


 ドトールがチャペル奥の定位置に立つと、二人の神父が扉をそれぞれ左右に開いた。

 そこには、ロココ調のゴージャスなドレスに半透明のベールをかぶった美しい貴婦人が立っていた。

 扉が完全に開いた後、貴婦人はゲジゲジ眉に導かれ、ゆっくりとチャペルに向けて歩き出す。

 バザル達三人は貴婦人を凝視していたが、貴婦人の方は三人など眼中に無いようだ。一瞥もせずに通り過ぎていく。

 その時三人は、貴婦人が両手に収まるくらいの巾着袋を持っている事に気付いた。

 扉がギーという大きな音をたてて閉まり、二人の神父は貴婦人の後に続く。

 祭壇の前まで来ると、貴婦人は巾着袋をそこに供えた。チャリンと金属が触れ合う音がする。

 その袋一杯に金貨が詰まっている事は間違いなかった。

 貴婦人はドトールの前まで来るとクッションの上に両膝をつき、両手を組んで頭を垂れた。

 ドトールは堂内一杯に声が反響するように、ドーム状の天井の方を向いて喋った。

「迷える旅人よ。あなたの罪を告白し、あなたの中に巣くう悪魔を払うのです。あなたは救われ、栄光と幸運が約束されるでしょう」

 貴婦人は、祈りを捧げる姿勢のまま語り始める。

「神父様、私は罪を犯しました。親しくしているご婦人の領地にハンサムな農夫がおり、手飼いにしたので味見をさせてあげると言われたので、友人と共にいそいそと出向いたのです」

 貴婦人の言葉に、ドトールは天を向いたまま応えた。

「続けなさい」

「ご婦人のお宅の寝室に農夫を呼び出し、私達は若くて逞しい身体を堪能しました。何度も何度も農夫を求め、お開きになって帰る頃には、彼は足腰が立たない程でした」

「……よく分かりました。あなたのその異常なまでの肉欲は、まさに悪魔の技によるものです。しかし大丈夫です。悪魔は払われ、あなたの身は清める事ができるでしょう」

 ドトールは、うやうやしく貴婦人のベールを上げた。

「ベールを上るという行為は、悪魔を払うという意味が込められてます。ご安心なさい。あなたの中の悪魔は、今、払われたのです!」

「ああ、神父様……感謝致します」

 貴婦人の顔が喜びに輝く。

「それでは次に、あなたの身を清める儀式に入ります。あなたは、その農夫のモノを口に含みましたか?」

「……はい……含みました」

「分かりました。では、私の聖なるモノで、あなたの口を清めるが良いでしょう」

 貴婦人は恥ずかしそうに頷くと、ドトールの股間に手を伸ばした。そしてズボンの前を開くと、中から既に猛ったモノを取り出した。

「ヒッ!」

 勃起した男性器を初めて見たリリィは悲鳴をあげ、バザルが慌ててその口を塞ぐ。

「シッ……」

 バザルが口の前で人差し指を立てると、リリィは怯えた眼で頷いた。

 貴婦人はドトールの先端に唇を付けると、そのまま口を開いて含んだ。そして、頭をゆっくりと前後に動かす。

「そうです。なるべく深くくわえるのです。それだけ奥まであなたの口内は清められるです」

 ドトールは大袈裟に腕を広げ、身体を反らした。そして、再び貴婦人に尋ねる。

「下の口は、もちろん使いましたね」

 貴婦人はドトールを口に含んだまま答えた。

「ふぁい、沢山……沢山使いまひた」

「清めましょう。さあ、私の手に掴まり、腰を上げてください」

 貴婦人は、ドトールをくわえたままの体勢で脚を伸ばした。ゲジゲジ眉が後に来て、ドレスをめくり上げる。下着は着けておらず、尻が剥き出しになった。

 ゲジゲジ眉は、自ら下半身裸になる。 

「ヒッー!」

 再び悲鳴があがるが、今度はリリィだけではなかった。サリーも、そして多くの男を経験したバザルでさえも悲鳴をあげた。

 それ程ゲジゲジ眉のは巨大で、凶悪な形状をしていたのだ。

 ――あんなのが入る筈ない。

 バザルは心配するが、貴婦人の中は余ほど潤っていたのだろう、難無くそれを飲み込む。

 しかし、その瞬間、貴婦人は大声で呻いた。

「ああぁぁ!」

 全身で呼吸する貴婦人を、ゲジゲジ眉は動きを止めて見下ろす。

「神父様……申し訳ございません……お清めの最中だというのに……一突きで達してしまいました……」

 ドトールは慈悲深い笑みを浮かべる。

「構いませんよ。むしろ、イケばイクほど身は清められるのです。では手と、そして全身を清めましょう」

 ゲジゲジ眉が貴婦人からモノを引き抜くと、ドトールは貴婦人の上体を起こした。そして、器用にドレスを剥ぎ取る。

 貴婦人は、頭にあげたベールと足に踵の高い靴を履いただけの姿になった。

「あぁ……恥ずかしい……」

 腕で胸と秘部を隠そうとするが意味をなさない。

 それまで静観していた二人の神父が、横たわると上半身だけがようやく乗る大きさのテーブルを運んできた。美しい柄の毛織物が敷いてある。

 ドトールに促され、貴婦人はテーブルの上に仰向けに寝た。膝を曲げ、脚はテーブルの上に置かれる。ハイヒールの赤い色が人眼を引き付けた。

 ドトールが貴婦人の左側に、ゲジゲジ眉が右側に立った。

「手を清めます。農夫にやったのと同じように、私達の聖なるモノを握るのです」

 貴婦人はドトールとゲジゲジ眉を同時に握ると、上下にシゴく。ドトールとゲジゲジ眉は、貴婦人の乳房を揉みしだいた。

 二人の神父もいそいそとズボンを脱ぎ、一人が脚の方に立つと、迷いもせず貴婦人の中へと押し入る。

「ハウッ!」

 貴婦人の上半身がエビぞった。その瞬間を逃さず、もう一人の神父は口の中へ自身を差し込む。

 脚の方に立つ神父の腰がリズミカルに動き始めた。

「ンンッ! ンンッ!」

 貴婦人は声にならない声をあげる。

 腰の動きが加速した時、貴婦人は再びエビ反った。

「ンクッー!」

 貴婦人が二度目の絶頂に達すると、四人の聖職者達は反時計回りに場所を移動した。次はドトールが貴婦人の中へと埋もれる。

 しかし、貴婦人はこの異常な儀式に興奮しきっており、三度目もあっさりと達してしまう。そしてまた、反時計回りに移動する。

 一巡して元の位置に戻り、再びゲジゲジ眉が挿入する番が回ってきた。貴婦人の中へと、その奇怪な物体をネジ込む。

「ホウッ! ホウッ! ホウッ!」

 ドレスを脱いだ時の恥じらいなど消え失せ、貴婦人は上下の口で貪欲に男根を求めた。両手は、二人の神父をゴシゴシと力強くシゴき上げる。

「あ、あ、あ」

 右手でシゴかれていた神父が情けない声をあげると、最初に精を放った。右の乳房に白濁した粘液が飛び散る。

 左手の神父も限界だった。

「ああああ!」

 粘液が飛び続ける間、声を張り上げ続けた。

「ィクッ!」

 ゲジゲジ眉の激しい突き上げに、貴婦人は短く叫ぶと白眼を剥いた。

 ほぼ同時にドトールとゲジゲジ眉は貴婦人の上下の口からモノを抜き、ゲジゲジ眉は貴婦人の腹に上に、ドトールは顔面へと射精した。

 出すものを出し終わった四人の神父はズボンを整える。

「いや、ご婦人が美しいと、我々も張り切ってしまいますな」

 ゲジゲジ眉の言葉に、ドトールは「俺はウンザリだよ」とでも言いたげな表情で返した。

 程無く貴婦人は意識を取り戻した。ゆっくりと上体を起こす。その表情は満足げなものだった。

 ドトールは、祭壇の金貨が詰まった袋を手に取りながら言った。

「これで儀式は終了です。あなたの身体は残す所無く清められました。お湯を準備していますので流して帰ってください」

「ああ、神父様。心より感謝致します。こんなにすっきりして満ち足りた気分は初めてです」

「あなた本来の清らかさを取り戻したのですよ。文字通り、生まれたままの状態に戻ったのです。もう暗いですが、お宅までは我々の騎士団が護衛致しますので、ご心配には及びません」

 神父の一人が貴婦人の身体にシーツを巻き付けた。もう一人が脱ぎ散らかされたドレスを拾い上げる。

「あの、神父様、私は欲望に弱い女です。また誘惑に負けるかもしれません。その時には……」

 ドトールは再び慈悲深い微笑みを浮かべた。

「また、ここに来れば良いでしょう。神はいつでもあなたを受け入れます。ただ、お布施はこれより、もう少し増やして頂く事になりますが」

 手にした袋を振り、ヂャリンヂャリンと金貨の音をたてた。


 男が基本的にスケベな生き物である事は、幼い頃からの経験でバザルは知っている

 バザルが金で買えると知ると、紳士ヅラしている奴ほど財布を取り出して囁いた。

「幾らだ?」

 そして、金持ちほどケチが多い。宿代を惜しんで、建物の隙間や物置で立ったままで済まそうとするのは決まって金持ちだった。

 しかし、実は女も男と変わらずにスケベな事を、バザルは今知った。そして、身分の高い金持ちほどスケベなのも同じらしい。

「はあぁー……とんでもないものを見てしまいましたね」

 ドトール達が出て行き、堂内に三人だけになるとバザルは言った。

 取り敢えず、おとなしくさえしていれば、しばらく殺される事はなさそうだ。

 ところが、サリーとリリィから返事がない。

 バザルが横を向くと、二人は顔面蒼白で固まっていた。

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