第5話 マッスルろうそく

 テレレッ♪テレレッ♪テレレッテッ♪Hey!!

 寿司寿司寿司寿司寿司 好き♪

 ファッキュウさん♪


 ショーグンのお城で極楽のような1週間を過ごしたファッキュウさん。

 新右衛門に無理やり追い出されて機嫌が悪い。

「なんだYo!! 呼んでおいて…Me…何で呼ばれたんだっけ?」

 屏風の虎などシッカリ忘れているのでございます。


 ショーグンから貰った、褒美の金でキャバクラ『奇凶夜』で使い果たし千鳥足で『暗黒寺』へ帰ったファッキュウさん。

「アイム、バ~ック」

 深夜ということもあり、誰も出てこない暗黒寺、破壊され接着剤で雑に修復されたマリア像の前で大の字でひっくり返るファッキュウさん。

 そのままイビキを響かせて眠ってしまう。


「起きろファッキュウ‼」

 和尚の怒号が響いて、夢から覚めたファッキュウさん。

「モーニン、Boss、昨夜はお楽しみでしたね」

「誰がロトの勇者やねん‼ 何の夢みてんねん‼」

「おや? ここは暗黒寺…いや‼ 竜王」

「誰の頭が割れてんねん‼」


 とりあえず正座させられるファッキュウさん、だがしかし…筋肉が邪魔して正座にならないファッキュウさん、前のめりの立膝である。

「ファッキュウ‼ 貴様、昨日はやよい嬢を独り占めしてたな‼」

「Oh~ソーリー、Boss…でもね、Bossも新人のさよ嬢と楽しそうだったYo」

「バカもん‼ さよ嬢はプリンなの‼ たまに食べたくなる、冷蔵庫にないと不安になるような娘‼ やよい嬢は生姜焼き‼ 3日に1回食べられるの‼」

「HAHAHA…何言ってるか解らないYo」

「貴様は、今日1日中、この寺を掃除しておれ‼ 一夜成金が‼」


「なんだよ…賽銭で通ってる奴に言われたくねぇYo」

 ブツブツ言いながら、暗黒寺を掃除するファッキュウさん。

「だが…これはインナーマッスルに効いてるYo」


 掃除なんだか筋トレなんだか解らない時間が流れ…

「ファッキュウ、感心、感心、ロウソクを消して今夜はもういいぞ」

「マジか? 疲れたYo」

 ファッキュウがマリア像の前の火をフッと息で消した。

「バカもん‼ 息で消すとは何事じゃ‼」

「What? じゃあどうやって消すの?」

「こうじゃバカもん‼」

 手を翳してロウソクの火を消す和尚。

「こう?」

 ファッキュウさん、力いっぱい手を振ってみる。

 火は揺らぐが消えなかった。

「もうちっと近づいてやってみぃ」

「ん? 熱くないのかYo、和尚と違って、そういう趣味はないYo」

 ブンッ‼

 力任せに手を振り切るファッキュウさん。

 KABOO~M‼!‼!…

 マリア像が再び粉々に砕ける。


 HAHAHAHAHA‼


 ファッキュウさん♪

 テレレッテッテHey!!

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