第3話 マッスル橋

 テレレッ♪テレレッ♪テレレッテッ♪Hey!!

 寿司寿司寿司寿司寿司 好き♪

 ファッキュウさん♪


「暗黒寺の和尚ー‼ またツケで遊んでいきやがったのか‼」

 キャバクラ『奇凶夜』の店長が頭を抱える。

「出禁にしても来るのよね~」

 No1嬢やよいがため息を吐く。

「和尚はともかく…ファッキュウを呼ばれると厄介なことになるからな~」

「店長、こういうのどうでしょう?」

 やよい嬢が店長に耳打ちする…

「…諸刃の剣だな~」


 その夜も和尚は派手な袈裟を羽織って『奇凶夜』に向かう。

 大きな川の向こうでネオン輝くキャバクラ『奇凶夜』

「やっよいちゃ~ん♡」

 和尚が浮足立って橋を渡ろうとしたとき…

「なんじゃこりゃ?」

 橋の中央に立札『このはし渡るべからず…渡れば料金3倍』

「はは~ん、店長の奴め考えおったな…が…ワシには通じぬわー‼」

 ノシノシと橋の中央を歩く和尚。

「これが正解じゃー‼」

「フフフ…不正解ね…BOSS」

 橋の向こうで葉巻を咥えたファッキュウさん。

「ファッキュウ?」

「BOSS…橋を渡ってしまったね」

「ワシは真ん中を歩いとるわー‼」

 スパーッと煙を吐き出すファッキュウさん。

「No~…BOSS、正解は…泳ぐだYo」

「アホかお前は‼」

 ゴウゴウッと流れる川…

「BOSS‼ ユーア~…ダ~イー‼ Hey やよい!! ミュージックスッターティン‼」

 パチンッと指を鳴らすファッキュウさん。


 奇凶夜から音楽が流れる…♪

 デーデ…デデデデーデ…デーデ…デデデデーデ…

 This ain’t a song for the broken-hearted

 A silent prayer for the faith-departed

 And I ain’t gonna be just a face in the crowd

 You’re gonna hear my voice when I shout it out loud

「It’s my YAHHHHHHHーーー‼」

 奇声と同時に唸るファッキュウの拳が橋を真っ二つにへし折った。

 川へ落ちる和尚…流れていく和尚…

「ファッキュウ貴様‼ 覚えてろよーーーーー‼」


「ファッキュウさん、よくやってくれた、今夜は存分に楽しんでくれ」

 店長がファッキュウを店内に招く。

「この橋…誰が直すのかしら?」

 やよい嬢も店内へ…


 HAHAHAHAHA‼


 ファッキュウさん♪

 テレレッテッテHey!!

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