第779話 2階建ての工場

2階建ての工場で働いている


工場には、材料の運搬用のエレベーターがある


エレベーターは、リフトごと乗れるようになっていて、俺は2階から1階へ製品を運ぶ仕事をしていた


その日、疲れていた俺は、2階なのに2階のボタンを押してしまった


エレベーターには1階と2階の2つのボタンしかなく、当然、2階にいるのに2階のボタンを押しても反応しない――はずだった


しかし、その時は何故かドアが閉まり、動き始めた


上へ


1階分動いた感覚がした後、ドアが開く。ドアの向こう側は、いつも見慣れた1階だった


(あれ、ちゃんと1階に着いた?)


そう思ったが、何かおかしい。いつもなら、1階でせわしなく動く作業員が見当たらない


怖くなった俺は、もう一度エレベーターの1階を押した


すると、またドアが閉まり、また1階分動いた感覚がした後、ドアが開いた


そこは、いつもの1階だった


俺は、この話を同僚にした

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