第706話 完璧なクイズ

あるところに完璧主義者の男が居た


周りから見ると、全然完璧に見えないが、本人は完璧だと思っている様である


「じゃあ、完璧なクイズを考えてくれよ」


男が、あまりにも自分の事を「完璧、完璧」と言うので、困らせたかったのと、完璧なクイズというものがどんなものなのか気になったのもあった


「分かった。ただ、完璧に仕上げたいから時間をくれ」


男は、その場でクイズを作る事は無かった


それからしばらくして、男にそんなことを言っていたことも忘れたころ、ふと思い出したので聞いた


「完璧なクイズはできたのか?」


「ああ。絶対解けないと思うぞ」


「ほぉ。お前しか知らない事とか、専門家でしか分からない事とかか?」


「いや、そんなことは無い」


「だったら、答えられるかもしれないだろ?」


「無理だね。完璧に誰も答えられない」


「じゃあ、その問題を言ってみろ!」


「俺は問題を出さないから、誰も答えられないのさ」

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