第705話 酔っ払い
忘年会シーズン。今年は嫌な事も沢山あり、酒の席で上司の悪口を肴に、同僚と酒を飲む
当然、上司は呼んでいない。呼んでいたら、せっかくの忘年会もお通夜に早変わりだ
一応、会社としての忘年会は11月に適当に済ませている。お通夜だった
「あー、酔っぱらった」
終電まではまだ時間があるので、近くの公園で休むことにした
「お、可愛い子発見」
見た感じ中国系に見えたが、客引きではないだろう。客引きならこんな公園を歩いているわけがない
ふらふらと女の子に着いて行く。別に、何か目的があって着いて行っているわけではないが何となくだ
すると、女の子は道に急に倒れこんだ。酔っている感じは無かったから、病気か何かか?
かけよって助け起こすと、やはり中国人らしく言葉が通じない
身振りでどこか連れて行って欲しい場所があるみたいだ。こんな酔っぱらった状態でいいのかと思ったが、今に限って他に誰も居ない
誰かが通りかかるのを待つよりも、俺が連れて行った方がいいと判断し、女の子に肩を貸して歩き出す
女の子が指さす方へと歩いて行くと、ボロアパートについた。予想家賃が2万円というか、俺が住むなら1万円くらいしか出したくないようなボロさだ
言葉が通じないので、とりあえず身振り手振りでここでいいかの確認をすると、頷いた
「謝謝」
お礼くらいは分かるので、手を挙げて別れの挨拶にした
次の日、あの公園で通り魔殺人が起きたことを知った。犯人は、ハサミで女性の腹部を刺したのだそうだ
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