第695話 物忘れ
これは、社宅に引っ越した後の話です
前に勤めていた会社が倒産し、県外の会社へと再就職する事になりました
ただ、家族は地元を離れたくないという事で、社宅を借りることになりました
週休二日制だったので、休みの日には家族の元へ帰ってきます
隣の県なので、高速道路を使えば数時間で帰ってこれます
引っ越しが終わった初日は、荷解きを終えて疲れたのですぐに寝ました
そこから慌ただしい日々が続き、1週間の研修を終えて精神的に少し疲れました
最初の休日という事もあり、すぐに家族に会いたい気持ちがあったため、朝起きるとすぐに車に乗って実家へと帰りました
実家でのんびりと過ごした後、次の日の夕方に再び社宅へと帰ってきました
そして、鍵を開けようとドアにカギを差し込んだところ……開いた感触がありません
「あれ、まじか。閉め忘れって……」
その時は、貴重品なんかもないし、社宅だという事もあり空き巣に狙われたとは思っていませんでしたし、実際部屋の中は荒らされていなかったので空き巣では無かったのでしょう
鍵は閉めた気もしましたが、慌てて車に乗ったのでもしかしたら忘れたのかも……と深く考えませんでした
それからしばらくして、蒸し暑い日がありました。一応エアコンはついていたので、寝るときにつけて、朝消した後に出勤しました
家に帰り、鍵を開けてドアを開いた瞬間
「さむっ」
ひんやりとした空気が漏れてきました。部屋に入ると、冷房がつきっぱなしになっていました
その時は、前使っていた人が何か設定して帰宅時に冷えるようにしていたのかなと思っていました
それからたびたび、物忘れをするようになりました
トイレの電気を消したはずなのに点いたまま、窓を閉めたはずなのに開いている、さらには閉めたはずの玄関のドアが開いていたなんて事がありました
何かの病気かもしれないと医者へ行きましたが、異常はありませんでした
火事にならないように、ガスの元栓だけは常に閉めておこうと思います
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