第651話 飯テロ
ここは調理師学校の調理室。そこで調理をしている女性たちが3人居た
彼女たちは、ダイエットを達成するために友人に飯テロをするつもりだ
ダイエットをして早4か月、友人は順調に体重を減らし、あと少しで目標体重に到達する所だった
ダイエット成功のお祝い……という建前で、一人だけダイエットに成功するのが妬ましかったが本音だ
「これなんかいいじゃない?」
「そうね、これ好きだったよね」
SNSで写真を公開すればすぐに数千「いいね」がもらえそうな豪勢な料理が出来た
さっそく友人を呼ぶ
「ダイエットおめでとう! お祝いを用意したよ!」
「え~! まだもう少しだよ、気が早いなー」
「でも、せっかく作ったんだし、どうぞどうぞ」
そう言って料理を隠していた箱を上げる。料理を見た友人は
「うぷっ」
と吐きそうな顔になった。彼女が好きなはずの料理にみんな「あれ?」と思った
「ごめん、食べられそうにない……」
話を聞くと、ちょうどダイエットを始めたときに自分に暗示--今なら呪いだと感じる――をかけたそう
その暗示というのは「すべての食べ物が顔に見える」というものだった。最初は、チャーハンを見たら顔っぽいものが見えるという感じだったらしいが、今では
「……それに私の事を呪い殺そうとしてるような恨めしい顔が見えるの……」
という事だった。だから彼女は、調理した料理をほとんど口にすることができないようだった。食べられるのは液体を直接飲み込むタイプか、最悪目をつぶって食べるくらいらしい
それを聞いた私たちは、彼女のダイエット成功を祝えなくなった
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