第636話 空が

こんにちは、山内花林です。


これは、テストの点数が悪くて落ち込んでいた時の事です


テストが終わり、もうすぐ夏休みというところで、クラスのみんなは浮かれていました


しかし、私は今回のテストでちょうど勉強をしていない部分が出たため、点数が悪いと予感していました


実際、返ってきたテストの点数は悪かったのです


「かりんちゃんどうだった?」


友達が私のテストを覗き込みます。隠しても点数がよくなるわけではないので大人しく見せました


「うわー、お母さんに怒られそうだね」


友達の率直な感想に、私はうなずくしかありませんでした


とぼとぼと道を歩いていると、空が暗くなりました


時間はまだ2時を過ぎたころなので、雲でもかかったかなと上を見上げました


「なにこれ……」


私はふいにつぶやきました


空が真っ赤に見えるのです。まるで血のように


ポタタッ


なぜかそれをみて私の右目から雫が落ちました


「なんでっ!」


ぬぐってみると、それは血でした。私の右目から突然血が滴ったのです


私は怖くなり、急いで家へと帰りました。母親が慌てて病院へと連れて行ってくれ診察を受けましたが、そのときにはすでに血も止まっていて、原因は分かりません


帰り道も、気が付くと空は普通に晴れ渡った青色に戻っていました


そのおかげなのか、テストの点数を見てもそれほど怒られませんでしたが、不思議な体験でした

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