第626話 知らない人

こんにちは、山内花林です。


塾の帰りのことです。今日は母の帰りが遅いので、迎えにこれず、バスで帰ることになりました


友達と別れ、バス停へ向かっていました


バス停につきましたが、バスの到着までまだ10分ほどあります


特にやることもなかったので、本でも読もうかとカバンをあさっていた時のことです


「やあ、カリンちゃん。塾は終わったのかい?」


私の名前を呼ぶので、後ろを振り向くと男性が立っていました


しかし、私にはその男性に見覚えがありません。しかし、私の名前を知っているのでもしかしたら友達の父親なのかと思い、挨拶をしました


「ちゃんとあいさつが出来て偉いね。そうだ、家まで送っていこうか?」


「えっと……大丈夫です」


「遠慮しなくていいよ。どうせ帰りの方向は一緒なんだし」


友達の父親なら確かに帰りの方向は一緒かもしれません。数百円とはいえ、バス代がうくなら……そう思ってその男性についていこうとしたところ


「花林、こっち!」


近くを歩いていた女の子が声をかけてきました


「あなたは誰ですか?」


女の子は、その男性に話しかけました


「僕は近所に住んでて、君たちと同じ学校の娘をもつ父親だよ」


「その娘の名前って何ですか?」


「ほら、アカネだよ。君たちとはクラスが違うかもしれないけどね」


「私たちの学年にアカネなんて子は居ません」


そういった瞬間、男性は慌てて逃げていきました


「知らない人に着いて行ったらだめだよ」


女の子はそういうと、再び歩いて行きました


そうしているうちにバスが来たのですが、私はあの女の子が誰なのか知りません。なぜ私の名前を知っていたのでしょうか

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