第622話 出張中に
最近、夫の様子がおかしい
私はよく短期出張で県外へと行く
私たち夫婦には子供は居ないので、私が出張中は夫一人になる
私が出張から帰ってくると、なんというか、匂いが違う気がするのだ
何も無ければいいなと、ある時隠しカメラを仕掛けて出張した
そして、夫が居ないときに確認した
寝室に仕掛けられたカメラには、浮気の現場が写っていた。夫は見知らぬ女性を背負ってきていた
「あいつー!」
それでも、何かの間違いではないかと、続きを確認する
夫は20代くらいの女性をベッドに下す。女性は泥酔でもしているのか、動く様子はない
夫はその女性の衣服を脱がし、行為に及び始めた。ここまで決定的な証拠があれば離婚が可能だろう
行為が終わった後、夫は女性に布団をかけ、一緒に寝た
人の夫とこんなことをして、どんな顔で女性が帰るのか気になった私は、そのままビデオを早送りで朝まで飛ばす
しかし、朝になっても女性は微動だにせず寝たままだった
「何か変……」
あまりにも動かなさすぎるのだ。夫が起きだして会社へ行った後も、女性はそのまま身動きせず寝たまま……
「もしかして、死んでる?」
そうとしか思えなかった。そう思ってみてみると、女性の首にあざがある気がする
もしかしたら、夫はどこかで首つり自殺した死体を……
そこまで考えて、私はビデオを消した。もう、一秒たりともこの家に居たくなかった
私はそのまま警察へといき、事情を話した
しばらくして、家の床下から何人もの女性の白骨死体が見つかった
夫はやはり死体を家に持ち帰ってきていたらしい。ただ、どれも自殺した人ばかりで、夫が殺人鬼というわけではなかったみたいだけど、あまりにも死体との遭遇率がおかしい
死体しか愛せない夫と私では、一生子供もできなかっただろう
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