第588話 初夢

おかしな初夢を見た




記憶はいきなり手帳を開くところから始まる




その手帳はもらったばかりの今年の手帳だ




私はすでにいくつかの行事を手帳に記入していた




しかし、おかしなところがある




2月29日




今年はうるう年ではないはずなのに、その日に日程を入れていた




その時点でおかしいとは思ったけれど、夢特有の「そういうものだ」という勝手な理解のもとに記憶を修正される




そして、いつの間にか2月28日になっていた




明日はとうとう……の日だ




そこで目が覚めた




1月1日の午前1時




いやな夢ではないはずなのに、冷や汗が流れていた




気になってもらったばかりの手帳を開く




そこにはやはり2月28日までしかない




それに、私はまだ何も記入していない




誰もいない部屋で、誰かがいるような嫌な気配がする




目が覚めてしまったので、いっそ初詣にでも行こうかと考えた




そこで、このいやな気分も一新したいし、初詣ならば人も沢山いるだろう




近くの神社に向かったが、誰もいない




しかし、たまたま散歩している人がいたので話しかけてみる




「今日は誰もいませんね」




「そりゃそうだろ。こんな時間に歩いている人なんてほとんどいないさ、俺はたまたま目が覚めたからコンビニに行くだけだしな」




それだけ言ってその男性はコンビニへ向かったようだ




おかしいなと思って携帯の時計を見てみようと思ったので、内ポケットから取り出す




すると取り出した瞬間、持ってきた記憶がない手帳がドサッと落ちた




ふとみた携帯の画面の日は、まだ12月30日だった




私はその手帳を拾う事が出来なかった


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