第552話 事前準備
転ばぬ先の杖……
そういえば聞こえはいいが、実際に何事にも備えるとしたら並大抵のことではない
もし、爪の間に魚の骨が刺さったら……
俺はゆびさっくを付けた
もし、つまづいた先に画鋲が落ちていたら……
指サックだけじゃ足りない。厚手の手袋をしなければ
もし、自転車に乗っている時に何かが引っ掛かって爪が剥がれたら……
安全靴に、グローブくらい要るのか?
心配しだしたらきりがない
確率が0%じゃないかぎり、いつかは何かが起こる
ただ、それが命に係わる事は少ないだろうが、それこそ0%ではない
もし、ヤクザが拳銃を発砲して来たら……
防弾チョッキを買おう
もし、通り魔が包丁で首を刺して来たら……
鎖入りのマフラーをしよう
もし、後ろに幽霊が居たら……
「あれ?」
幽霊って、俺の命に関わる事なのか?
お札を部屋に貼りながらそう思う
具体的に幽霊が俺に危害を加えるイメージがわかなかったからだ
それから数日後、命に関わらなくても、ずっと後ろに立っていられるだけで辟易する事が分かった
今度から家にお坊さんを常備しなければ……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます