第511話 後悔日記
こんにちは、山内花林です。
今日は皆さんに警告をしたいと思います
興味本位でいわくつきの場所へ行かない事、嫌な雰囲気を感じたらすぐに離れる事
この2つを覚えておいて欲しいと思います
私は幽霊を怖いものだと思う気持ちを忘れていたのだと思います
普段から見える霊は、ほとんど何もしてこないものばかりで、危険な霊にも今まで何度か遭いましたが、最後には助かっています
だから、この時も「たぶん大丈夫」と思っていました
場所は2次被害を避けるために明記しません
ですが、そこは何の変哲もないただの家だったのです
昔、どこかの家族が夜逃げした……その程度のうわさだったのです
しかし、行ってみるとそこは…………
私は、友達に誘われて一軒家に行く事になりました
その時の私は少し油断していたのだと思います
友達は清めの塩やライト、念のために救急箱なんかも用意していました
さすがに本物のお札はありませんでしたが、それらしいものを神社などで買ってきたようです
一軒家についても、特段変な気配はありませんでした
うわさどおり、夜逃げしただけの空き家だろう……そんな感じでした
さすがに玄関には鍵がかかっていましたが、誰かが割ったのか、居間のガラスが割られていました
家の中からは物音ひとつしないので、他に誰かが居るという事も無さそうでした
明るい昼間ですし、大きくもない一軒家なので、十分もかからずに探検は終わると思っていました
1階は台所、リビング、トイレに風呂があり、どれもそんなに汚れていませんでした
「思ったより綺麗だね」
「そうだね。まあ、誰かが殺されたりしたわけじゃないだろうし、もしかしたら不動産会社かなにかが管理しているのかもね」
「それなら、あんまり長いしないで帰ろうよ」
私は別の……霊よりも怖いおまわりさんに見つからない様に帰宅を促しましたが、友達は「すぐに終わるから」と聞いてくれませんでした
2階へ行った時です
2階は小部屋と子供部屋になっていました。そのうち、小部屋には本棚と1台のパソコンだけがありました
子供部屋はおもちゃが散乱していましたが、何かが動いたりだとか、音がなったりとかはありませんでした
小部屋の本棚にも何もありませんでした
「ねぇ、なんでパソコンだけあるんだろうね? 他は結構持ち出されてるのに」
「そうだね。デスクトップでかさ張るから置いて行ったのかな? ちょっとつけてみる?」
「電気がきてないからつかないよきっと」
私がそう言うよりも先に、友達はパソコンの電源を押しました
電気がきていないのでつかないはず……なのですが、何故か電源が入りました
「電気きてるのかな? 何か面白いものはいってないかなー」
しかし、画面は真っ白のまま変化がありません
「う、おえぇ!」
「花林、どうしたの?!」
パソコンの画面を見ていた私は、急に激しい眩暈を感じ、同時に強い吐き気に襲われました
「大丈夫!? 早く……」
私の意識はそこで途切れました
気が付くと、この家の外で倒れていました。横向きに倒れていた私は、涙とよだれで大変な事になっていました
不法侵入を怖れた友達は、救急車や大人の人を呼んでいなかったようです
「大丈夫? 早くお家に帰ろう!」
ハンカチで顔を拭いて、まだ朦朧とする頭で歩き始めました
ふらふらと歩いていると、友達が肩を貸してくれました
敷地からでるとき
「またおいで」
そう聞こえた気がしました
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