第506話 編み物

こんにちは、山内花林です。




最近、公園に若い女性がベンチに座ってせっせと何かを作っているのを見かけます




バスケットに沢山の糸を入れ、編針で一生懸命作っている様です




公園には、1組の夫婦と、5歳くらいの女の子が遊んでいます




その女性は、たまにその家族を見ては何かを作っています




1時間ほどたったころ、その家族は帰っていきました




私もそろそろ帰ろうかと思って、ふとベンチを見ると女性はまだ何かを作っていました




1時間で結構編んだらしく、何かの形になっていました




(お人形かな?)




私がそう思ったのは、肌色と赤色で編まれたそれが、人形の足に見えたからです




私が帰ろうとすると、誰も居ない公園には居たくないのか、その女性も私の反対側に向かって帰っていきました




次の日、天気が良かったのでまた公園で遊ぼうと思い、公園へ行きました




すると、あの家族も来ていました。さらにはあの女性も……




相変わらず、せっせと何かを作っては家族をたまに見るという事を繰り返していました




今日は天気が良かったからか、家族も結構長く居たようです




女性の作っていた編み物はやはり人形らしく、すでに胴体まで出来上がっていました




あとは顔を作れば完成のようにみえます




その人形は、公園で遊んでいる女の子に似ている気がしました




家族が帰った後、その女性は女の子が遊んでいた付近で何かを探している様です




何か見つけたのか、拾ったものを手に持ったままベンチへと戻ってきました




私は丁度ベンチに隠れるように遊んでいたので、女性は私に気が付かなかったようです




「これで恨みを晴らせる……」




女性は拾った何かを人形に入れると、どこかへ去っていきました




もしかしたら、あれは呪いの人形なのでしょうか?




ところで、私が公園に一人で何をしていたかというと、ずっと猫の霊と戯れていたのです

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