第491話 花壇で

こんにちは、山内花林です。




学校の花壇で花に水をやっていた時の事です




花壇の一角が、少し掘り起こされたような跡がありました




用務員さんか先生が、肥料でも足したのかな? と思って特に気にしていませんでした




先日、学校の敷地内に野犬が入り込むという事件がありました




首輪も無く、児童に襲い掛かる可能性があるからと、先生たちがすぐに対処してくれました




先生は、「保健所に引き取ってもらった」って言っていたけど、それらしい車は見ていません




それを同じ水やり係の友達に言ったところ




「掘ってみる? 私、あしたスコップ持ってくるね」




と言いました。私はわざわざ確かめる必要は無いと思ったのですが……




次の日、その友達は本当にスコップを持ってきたようですが……




「それ、シャベルだよ……」




「掘れればなんでもいいでしょ?」




私が思っていた物と違いましたが、確かに少し掘るなら問題ないと思います




放課後、花壇の前に集合しました




「じゃあ、掘るね?」




友達はざくりとシャベルを花壇にさして、近くに土を盛り上げていきます




しばらく掘りましたが、何も出てきませんでした




「これで満足した?」




「うん、何も見つからなかったし」




土を元に戻し、帰ることにしました




私は、友達に言わなかったことが一つだけあります




校庭のまわりを走る犬の霊が見える事です




もしかしたら、花壇以外に埋まっているのかもしれません

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