第473話 迷路

こんにちは、山内花林です。




今日は、迷路をしに行きました




デパートの一部を枠で区切り、迷路にしたものです




友達と一緒に300円を払って中へ入りました




ゴールできると、お菓子を貰えます




周りが見えないので、私達子供にとっては結構不安感を掻き立てられます




「こっちに行ってみよう」


「こんどはあっち」




友達は適当に歩いていきます。すると、案の定行き止まりになりました




すると、そこには顔を真っ赤にした幼稚園児くらいの男の子が見えます




「どうしたの? 暑いの?」




今日は暑いので、熱中症にでもなったのでしょうか? 迷路の不備なのか、冷房がパネルで遮られて熱がこもっています




「誰に言ってるの?」




友達が不思議そうにこちらを見たので、「ああ、この子は幽霊なんだ……」と理解しました




外傷無く亡くなられた場合、私には区別がつきません




私は、カバンに入っていたジュースを取り出すと、そこへ置きました




すると、男の子は嬉しそうな顔になって見えなくなりました




ただ、後日聞いた話では、迷路で何人か熱中症になる人が出て閉鎖されることになったそうです

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る