第474話 白い貝殻

海で貝殻を拾っていた




「子供が夏休みの研究に使うから、いろいろな種類の貝殻を拾ってきて!」 と言うからだ




渦巻きの貝殻、2枚貝の貝殻、大きな貝殻、小さな貝殻




俺はいろいろな貝殻を拾った




その中で一つだけ、よくわからないものがあった




白くて、2枚貝のうちの1枚のようだが、軽く、思ったより硬くない




手で割れる程ではないが、カニの甲羅に近い……って蟹の甲羅か?




俺は勝手にそう思って拾ってビニール袋に入れる




それからいろいろと拾って家に持ち帰った




子供は、妻からもらった空き箱に綺麗に収めていく




それをボンドでくっつけるためにしばらく棚の上に放置する




その夜、俺は奇妙な夢を見た




コツコツ、コツコツと何かが何かを叩く音




コツコツ、コツコツ、ああ、これは木で木を叩く音か?




そう思った瞬間目が覚めた。まだ夜中だった




すると、コツコツと音がする。夢じゃなかったのか?




音の元をさぐると、息子が貝殻を収めた箱の方だった




すると、コツコツと、白い何かが棚にぶつかっていた




その白い何かは、頭頂部分が空いていた頭蓋骨だった




頭蓋骨はこちらを向くと、目が無いはずなのにジッとこちらを見ている気がした




そこで目が覚めた




夢だったのか……そう思って箱の所へ行くと、箱から白い貝殻だけが外れていた




「これ、あいつの骨だったのか……?」




海に捨てるのも呪われそうだったので、神社でおはらいをしてもらうと、もう夢で見る事は無くなった

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