第460話 虹色の光

世界には時計が狂う場所がある




樹海もその一つかもしれないが、もっとおかしな場所が外国にあるらしい




磁場が強いのか、はたまた本当に時間の進みがおかしいのか……




男性は、偶然その場所に迷い込んだ




風景を撮るために世界中の綺麗な場所を探していたらしい




そして、偶然にも空がオーロラのように輝く場所を見つけたそうだ




しかしそれは、後で考えると光が時間の進みの違う壁の様な場所にぶつかっていたのかもしれないと気付いたらしい




男性は、数日間その場所にとどまって写真を撮り続けたらしい




「これが、そこで撮った写真です」




男性が見せてくれた写真は、真っ黒だった




「あの時は、確かに虹色に輝いて見えたんですよ。でも、現像したらごらんのとおりで……」




ふぅっ、とベッドの上でため息をつく男性は、どう見ても70代後半に見えた




しかし、本人はまだ30代だと言い張っている




そして、気になる事を一言だけ伝えてきた




男性は、その虹色の光を都内でも見たというのだ……

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