第445話 ボタン電池

最近知らされたのですが、私は子供のころ、ボタン電池を呑み込んだそうです




おもちゃを落として、ふたが外れて電池が飛び出したのをパクリと呑み込んだようです




それを見ていたのが兄だったそうですが、その兄もまだ4歳くらい




「ママー、弟が何か食べた」




「あらあら、落ちているものを口に入れちゃダメっていってるのに」




そう言って料理をする手をとめて私の口を開いたそうですが、当然何も見つかりません




呑み込んだものはすでに胃の中でしょう




「何も無いわね。何を口に入れたのかしら……? まさか……」




母の視線は入っているはずのボタン電池がない落ちたおもちゃにとまった




念のためにと私は医者に連れて行かれ、X線写真をとられ、胃に電池があると判明し……




どうやって取り出したのかまでは聞いていませんが、それ以来我が家では電池を使うものをほとんど禁止していたそうです




父など当時の癖でリモコンすら手に取りません




もし、兄が気づかなかったら、私の胃に穴が開いて死んでいたかもしれないと思うと、感謝しかありません




今では、私が自分の子供にこうやって教える年になりました




「こら、なんでも口に入れたらだめだぞ」 と

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