第444話 カードバトル

ひっそりと人気のないゲーセン




その店頭に何故か店に似つかわしくない最新型のカードバトルゲームが置いてあった




ゲーセンの中はいまだにインベーダーゲームがあるほど古いのに……




今時対戦台としてストⅡがあるのに……




店員は奥にでも入っているのか見当たらない




店はそんなに広くなく、対戦ゲーム数台、アクション系数台、UFOキャッチャー数台、パチンコ台数台とプリクラが1台だ




そんな中で店の前に最新式のカードバトルゲーム機……




店の存亡でもかけているのか?




とりあえず、他のゲーセンでは待ち時間が発生するほどの人気なのに、ここは誰も来ないせいか誰も居ない




ということで、100円を入れる




俺は常備している自分のカードをセットすると、画面にカードのキャラクターが3体表示された




そして、対戦が始まる寸前に「!!」の表示。これはレアボス発生の演出だ!




「……え? 何だこれ……」




画面には見たことも無いモンスター……なのか? まるで貞子の様な髪が長くて白い服を着たキャラが表示されていた




見たことも聞いたことも無いが、シークレットモンスターなのか?




良くわからないが、攻撃してみる




しかし、攻撃はあたらず、逆に1体やられた




相手のターン




その瞬間、画面に一瞬モザイクの様なものが発生し、プツリと電源が切れた




「何だよ、不具合か?」




せっかくのレアボスなのに……と、店員を探す




店員は奥で景品の確認をしていたようだ




「あのー、ゲームの電源が落ちたんですけど」




「ああ、すまないね。どれかな?」




店員を連れて店の外へ出る。しかし、そこにはさっきまであったゲーム機が無かった




「おいおい、悪い冗談はやめてくれ。うちは店外に筐体を置いてなんていないから」




そう言って店内に戻っていった




俺は確かに100円を入れて……




地面を見ると、俺がさっきまでセットしてあったカードが落ちていた




やっぱり、対戦してたんじゃ……




そう思ってカードを拾うと、下に真っ白なカードが落ちていた




そのカードには、さっきのボスが描かれていた




一瞬、その絵が動いたような気がして……そのままそこへ捨てた




次の日、その店を見に行くと臨時休業になっていた




「店長が急病のため、しばらく閉店します。〇〇〇〇」




……あのカードのせいじゃないよな?

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