第435話 モグラの穴

最近、家庭菜園にモグラの被害が出ていて困っている




農薬や化学肥料を使わず、有機栽培をやっているせいか、ミミズ目当てのモグラがいっぱいくるようだ




まあ、モグラ自体は野菜を食べるわけではなく、畑がでこぼこになるだけなのだが、そのモグラの穴を利用してネズミが入る




そのネズミが、ジャガイモやナスの苗や、サツマイモなんかを食っていくのだ




だから俺はそのモグラの穴を見つけるたびに足で踏みつけ、つぶしている




しかし、いくら潰しても次の日には新しい穴ができていた




「くそ、きりがないな」




モグラは夜行性なので、昼間に潰してもまた夜に穴をあけていく




なので、今日は夜、モグラが穴を掘った瞬間にモグラ自体を退治してやろうと畑で待機している




暇だなと思うだろうか? 俺はそれほどまでに怒っているのだ




っと、畑の土が少し盛り上がったのが見えた




段々と野菜のそばまで盛り上がりが近づいてくる




そして、野菜の側に来ると……




「は?」




地面から白い手が出てきた。意味が分からない。モグラの穴じゃないのか?




そして、白い手は野菜を掴むと、地面の中へと引きずり込んでいった




俺は畑から退散した。あり得ないとは思うが、あの手が俺の足を掴んだらと思うと、とてもじゃないが怖くて居たくない




明日、塩でも撒けばいいのか?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る