第432話 お守り

こんにちは、山内花林です。




これは、あるショッピングセンターへ行った時の話です




友達2人と一緒に近くのショッピングセンターへ遊びに行きました




お小遣いは少ないので、「あの服かわいいね」「この小物もいい感じだよね」と、見るだけでしたが、それでも十分楽しかったのです




すると、いつの間にか私達の後ろを3歳くらいの男の子が着いてきているのに気が付きました




私は一瞬、幽霊かなと思ったけれど、私以外にも見えている様なので、声を掛けてみることにしました




「君、迷子なの?」




「ううん。迷子じゃないよ。僕はあなたの事が心配で見ていたのです」




3歳とは思えないような言葉遣いに、少し不気味な感じがしました。しかし、迷子じゃないのなら私達が離れれば親もとへ行くはず……そう思ってその場を離れたのですが、その男の子は着いて来るのです




「なんで着いて来るの?」




「あなた、霊感あるでしょ?」




私はドキリとしました。普段はそんなに見える事もないので、友達ですら私に霊感がある事を知っている人は少ないので、この男の子が知っていた可能性はありません




それに、あきらかに霊と思われるものには、不自然にならない程度に近寄らず、見ないようにしています




「だって、さっきあの霊を避けたでしょ?」




そう言って指さした場所には、普通に買い物をしているようなおばさんがいました




「え? 霊?」




友達には見えていないようです。まさか、あんなにはっきりした人が霊だったなんて……。そして、それを見抜くこの男の子は一体……




「僕は、前世で霊媒師だったみたいなんだ。だから、1回だけ助けてあげるよ」




男の子はそう言って私にお守りをくれました。どこにでも売っている様な、安全祈願のお守りでした




「それじゃあ、気を付けてね」




そう言って男の子は去っていきました。友達も、何か気味の悪さを感じて早々に帰ることになりました




その帰り道の事です。友達と別れた帰り道、ショッピングセンターで見かけたあのおばさんの霊が着いてきています




私が曲がり角を曲がった瞬間、目の前にそのおばさんがいました




「きゃあっ!」




私がぶつかる寸前、お守りがボロボロと崩れました




すると、おばさんの霊は私が見えなくなったかのようにどこかへ去っていきました




もし、お守りを貰っていなかったらどうなっていたのでしょうか

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る