第429話 飴
飴玉を舐めていた時の事
その飴は誰かが買ってきたわけではなく、商店街で無償で配られていた物を近所の人に貰ったのだ
包み紙は見たことが無いものだったので、新商品なのかもしれない
私は飴は最後までなめきるタイプだったので、じっくりと舐める
周りは少し柔らかいので、もしかしたら噛むものなのかもしれないが、長時間楽しみたいのでずっと舐めている
青りんごのような味で、少しずつ舐めると、中心に何か塊があった
中心に果実か何か入れたのだろうと思い、ずっと舐めているが固すぎて無くならない。製造ミスか、小石か?
そう思ってペッと口からだすと、それは歯だった。一瞬、自分の歯が取れたのかと思って確認したが、大丈夫、自分の歯ではなかった
製造ミスで入る様なものなのか? と思って製造元へ確認しようとしたが、あいにく袋には何も書かれてない。商店街で配っていたという人もすでに居なかった
その日の夜、私は高熱にうなされた
そして夢を見た。すべての自分の歯が溶けてしまう夢だ
驚いて目を覚ますと、汗をすごくかいていた。夢だったので当然自分の歯は無事だった
しかし、起き上がり、少しふらついて手すりの角に歯をぶつけてしまった
すると、その歯はあっさりと欠けてしまった
私は痛みと悲しみで泣いていた。すると、母親が病院へ連れて行ってくれた
家に帰り、昨日の歯を探したが見つからなかった。机の上に置いていたので誰かが捨てたのだろうか?
今思うと、その歯は私の欠けた歯だったのではないだろうか?
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